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熱力学

【熱力学】似てるけど全然違う!エンタルピーとエントロピーの違いは?

更新日:

エンタルピーとエントロピー。

熱力学で最初に出てくる言葉ですが、名前が似ていて分かりにくいですよね。

今回はエンタルピーとエントロピーの違いについて、実際に水や蒸気のエンタルピーやエントロピーを計算しながら解説してみたいと思います。

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1. エンタルピーとエントロピー

1-1. エンタルピー

エンタルピーは物体が持つエネルギーの総量で単位はkJ(キロジュール)やkcal(キロカロリー)です。エンタルピーを表す記号は「H」が使われます。単位質量当たりのエンタルピーは比エンタルピーと呼ばれkJ/kgやkcal/kgという単位で表されます。

エンタルピーが高ければ高いほどエネルギーが高いという事になります。

例えば、80℃の水1000kgが持つエンタルピーは比熱を4.2kJ/kgKとすると次の式から336,000kJだという事が分かります。

$$4.2 × 80 × 1000 = 336000kJ$$

エンタルピーは細かく分けると、外部に仕事をするエネルギー温度に依存したエネルギーに分かれます。エンタルピーを式に表すと次のようになります。

$$ΔH = U + pΔV$$

例えば気体のように、温度によって体積が変化するような流体の場合、加熱したときのエネルギーは気体の温度上昇と体積の膨張に使われます。

「加熱エネルギー」=「気体の温度上昇」+「体積の膨張」

この時「気体の温度上昇」によって増加した分のエネルギーを「内部エネルギー」体積が膨張したことで消費されたエネルギーを「仕事」と呼びます。

つまり、エンタルピーは「物体の持つ総エネルギー」でエンタルピー変化は内部エネルギーの変化量と外部にした仕事を足し合わせたものになります。

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1-2. エントロピー

一方、エントロピーは物体の「乱雑さ」を表す指標です。熱量を温度で割ったkJ/K(キロジュール/ケルビン)で表されSという記号が使われます。こちらもエンタルピー同様に単位質量当たりのエントロピーは比エントロピーと呼ばれます。

例えば、水の比熱を先程と同様に4.2kJ/kgKとすると10℃の水の比エントロピーは0.148kJ/kgKとなります。

$$\frac{4.2×10}{(273+10)}=0.148$$

この水を加熱して30℃まで昇温した場合を考えてみましょう。この場合、30℃の水の比エントロピーは0.415kJ/kgKという事になります。

$$\frac{4.2×30}{(273+30)}=0.415$$

温度というのは水の分子運動であらわされるので、加熱されて昇温した水は分子の動きが早くなった分「乱雑さ」が増加したという事になります。

水蒸気の場合を考えてみます。

0.1MPaGの飽和蒸気は蒸気表より温度が120℃、比エンタルピーが2706kJ/kgと分かります。ここからエントロピーを計算すると6.88kJ/kgKになります。

$$\frac{2706}{(273+120)}=6.88$$

水の状態と比べると気体になった分「乱雑さ」が増大しています。

同様に、0.5MPaGの飽和蒸気では温度が158.9℃、比エンタルピーが2756kJ/kgなのでエントロピーは6.38kJ/kgK。

$$\frac{2756}{(273+158.9)}=6.38$$

1.0MPaGでは温度が184.1℃、比エンタルピーが2780kJ/kgなのでエントロピーは6.08kJ/kgKになります。

$$\frac{2780}{(273+184.1)}=6.08$$

こうしてみると、飽和蒸気は圧力が大きくなればエンタルピーは小さくなっていきます。これは、圧力が高くなると比体積が小さくなる分、存在できる範囲が狭まって「乱雑さ」が小さくなるからだと言えます。

例えると、「ぐちゃぐちゃに散らかった大きな部屋」と「同様に散らかった小さな部屋」では前者の方が「乱雑さ」が大きいというイメージです。

2. 等エンタルピー変化と等エントロピー変化

熱力学の本を読んでいると「等エンタルピー変化」「等エントロピー変化」というものが出てきます。

これは、何かしら変化を起こすときに「同じエンタルピー」のまま流れていくのか「同じエントロピー」のまま流れていくのかの違いです。

2-1. 等エンタルピー変化

等エンタルピー変化は、前後で流体のエンタルピーが変化しないことを言います。例えば、気体の前後圧力を調整するバルブ(減圧弁)を通る時を考えます。

この時、バルブの前後では圧力は変化しますが、エンタルピーは変化しません。なぜならただ通っただけで外部に何も仕事をしていないからです。

例えば、1.0MPaGの飽和蒸気を0.5MPaGまで減圧した場合を考えてみましょう。

バルブの一次側は1.0MPaGの飽和蒸気なので2780kJ/kg、温度は184℃でこの時のエンタルピーは6.08kJ/kgKです。

$$\frac{2780}{(273+184.1)}=6.08$$

これを0.5MPaGまで減圧した場合、バルブの前後でエンタルピーが変化しないので、二次側は0.5MPaG、169℃の過熱蒸気になり、この時のエントロピーは6.29kJ/kgKになリます。

減圧のような絞り膨張の場合、エンタルピーは変化しませんがエントロピーは増加するという事が分かります。

※ 実際にはバルブと流体の摩擦などで若干エンタルピーは減少します。

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2-2. 等エントロピー変化

一方、等エントロピー変化はエンジンやタービンなどを流体の力で動かすときに利用されます。理想的な熱機関では流体のエネルギーは全て仕事として出力されると仮定します。

この時、熱機関の前後では外部との熱のやり取りがなくエントロピーは変化していないとみなします。

※これもエンタルピーと同様、実際には接触部で機械的な摩擦損失などがあるので等エントロピーにはなりません。

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3. まとめ

  • エンタルピーは物体の持つエネルギー。
  • エントロピーは熱量を温度で割った値で「乱雑さ」を表す。
  • 等エンタルピー変化は絞り等、等エントロピー変化はタービンなどの熱機関で利用される。

エンタルピーやエントロピーをイメージや数式だけで説明すると、なかなか分かりづらかったりします。

ただ、実際に物体が変化する前後でのエンタルピーやエントロピーの値の違いを見比べてみると少しは分かりやすかったのではないでしょうか?

エンタルピーとエントロピーの違いをなんとなく感覚で理解して頂ければ幸いです。

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