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伝熱工学 熱利用設備

【熱利用設備】熱交換器って何?種類や伝熱能力の計算方法は?

更新日:

こんにちは。

近頃は寒い日と温かい日の差が激しくて、体調を壊してしまったという人も多いのではないでしょうか?

インフルエンザも流行っているようなので、お体には十分ご注意ください。

毎年、冬の寒さを夏に、夏の暑さを冬に持ってこられたら電気代の削減になっていいのに・・・と思う事が多いです。

実際に、寒冷地では冬場に降った雪を地下に溜めておいて夏に冷房として利用しているという事もあるようです。

夏の暑さを冬に持ってくるという発想はあまり聞きませんが、もしそれが出来ると便利ですよね。

さて、熱いものと冷たいものの熱を入れ替える場合には一般的に熱交換器が使われます。熱交換器の目的は名前の通り「熱を交換すること」ですが、用途によって選定する種類が違ったり、流体の向きが違ったりします。

この記事では、

  • 「熱交換器って何?」
  • 「熱交換器にはどんな種類があるの?」
  • 「熱交換器を選定する方法は?」
  • 「熱交換器はどんなところで使われているの?」

という疑問を持つ方に向けて「熱交換器とは何か」について詳しく解説していきたいと思います。少し文字数が多いので、目次で気になるところから読み進めて頂ければと思います。

1. 熱交換器とは?

熱交換器とは、2つの流体の持つ熱量を入れ替えるために利用される機器の名称です。温度差のある2つの流体を伝熱面を介して接触させ、熱移動を行います。熱媒を使って物体を加熱したり、冷媒を使って冷却したりします。

身近な熱交換器としては、冷蔵庫、エアコン、給湯器などがあります。工業分野ではボイラー、空調機器、空気予熱器など実に様々な所に利用されています。

熱交換器は捨てている廃熱と加熱したい物を熱交換して燃料費を削減するなど省エネ機器としても利用されています。

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2. 熱交換器の種類

熱交換器には大きく分けて次の3種類があります。

  • プレート式熱交換器
  • シェル&チューブ型熱交換器
  • フィンチューブ型熱交換器

熱交換器の呼び方は、熱交換させる流体によって変わりますが、大きく分けると、この3つになります。例えば、エアコンの室外機は「室外機」という名前になっていますが、熱交換器の種類としては「フィンチューブ型熱交換器」になります。

それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。

2-1. プレート式熱交換器

プレート式熱交換器は、複数の板を張り合わせて交互に物体を流すことで熱交換を行う方式です。液体と液体の熱交換などによく利用されています。

はめ込むプレートの数を増やすことで、伝熱面積を大きくできるのでカスタマイズ性が非常に高いのが特徴です。小さい物だと縦30cm×横10cm程度のものから、大きいもので数m×数mのものまでラインナップが多くあります。

安価でカスタマイズ性が高い事から、家庭向けではあまり利用されていませんが、工業分野では数多く利用されています。

プレート式熱交換器についてはこちらの動画が詳しく解説されているので載せておきます。

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2-2. シェル&チューブ型熱交換器

シェル&チューブ熱交換器は、2つの流体をシェル側とチューブ側に分けてチューブの表面で熱交換を行う方式です。高温と低温のどちらをシェル側チューブ側にするのかという決まりはなく、流体の物性によって選択します。

例えば、粘度の高い流体でチューブ側に流すと圧力損失が大きいのでシェル側に流したり、流量の多い方をシェル側に流したりというように、場合によって使い分けを行います。

身近なものでは、ヒートポンプ給湯器、冷水器などが挙げられます。工業分野では貯湯タンクやボイラー、吸収式冷凍機、石油製品などの製品貯蔵タンクなど様々な所で用いられています。

大型になると長さ10mを超える物もあり、大量の物体を加熱できるということでプラント業界では最も多く利用されています。

シェル&チューブ型熱交換器についても内部構造が良くわかる動画があったので載せておきます。

2-3. フィンチューブ型熱交換器

フィンチューブ型熱交換器は、高温流体を流すチューブに、たくさんの金属の羽(フィン)を取り付けて伝熱面積を増やし、熱交換させる方式です。

身近な物であれば、エアコンの室外機、車のラジエーターなどがフィンチューブ型熱交換器に当たります。工業分野ではエアヒーターなどに利用されています。フィンチューブ型熱交換器は気体と液体の熱交換を行う時に利用されることが多いです。

内部構造ではないですがラジエーターの交換動画があったので載せておきます。

3. 熱交換器の原理

熱交換器はどうやって熱を交換しているのでしょうか?

エネルギーは高い所から低い所に伝わるという原理原則があります。つまり、温度の高い流体と温度の低い流体を接触させると、自然とエネルギーが高い所から低い所へと流れていきます。

これを「伝熱」と呼びます。

熱交換器の場合は、温度の高い物体と温度の低い物体を間接的に触れ合わせることで、2つの流体を混ぜ合わせることなく伝熱させることが出来ます。熱交換器を通して高温流体から低温流体に熱が伝わるには次の3つの過程を経ることになります。

  • 高温流体から伝熱面への対流伝熱
  • 伝熱面内での伝導伝熱
  • 伝熱面から低温流体への対流伝熱

対流伝熱:2つの物質間で熱の移動が行われること。
伝導伝熱:同物質内で熱の移動が行われること。

熱交換器は、この2種類の伝熱方式を利用して2つの流体の熱量を入れ替える機器という事になります。伝熱には必ず、温度差が必要で温度差のない流体を接触させても熱が移動することは有りません。

4. 熱交換器の伝熱能力①

熱交換器の伝熱能力は次の式で表すことが出来ます。

$$Q=AUΔT$$
Q:伝熱能力(W) A:伝熱面積(㎡)
U:総括伝熱係数(熱貫流率)(W/㎡K) ΔT:温度差(K)

伝熱能力Qは1秒あたりに何Jの熱を伝えることが出来るかということでWが用いられることが多いです。

伝熱面積Aは高温流体と低温流体が接触する面積で㎡(平方メートル)であらわされます。総括伝熱係数は、熱伝導率や熱伝達率、汚れ係数を加味した値で熱の伝わりやすさを表す指標で、温度差ΔTは高温流体と低温流体の温度の差によって決まります。

伝熱面積は熱交換器の構造によって決まってくる値ですが、それ以外の総括伝熱係数U値と温度差ΔTについて詳しく見ていきます。

4-1. 総括伝熱係数U値

総括伝熱係数は次の式で表すことが出来ます。

$$\frac{1}{U}=\frac{1}{h1}+\frac{L}{λ}+\frac{1}{h2}$$

h1:熱伝達率(W/m2K) L:熱板厚さ(m)
λ:熱伝導率(W/mK) h2:熱伝達率(W/m2K)

U値の求め方や詳しい解説については「【伝熱】熱伝導率と熱伝達率の違いは!?2つを合わせたU値の求め方」を参考にしてください。

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4-2. 対数平均温度差LMTD

次に温度差についてですが、熱交換器の場合、高温流体と低温流体それぞれの出口温度は決まっていますが、熱交換過程によって2つの流体の温度差は変わってきます。

そこで、それぞれの入出の温度差から、熱交換過程全体の温度差として表すものを対数平均温度差と言います。

対数平均温度差は次の式で表すことが出来ます。

$$ΔT[LMTD]=\frac{ΔTa-ΔTb}{ln(ΔTa/ΔTb)}$$

高温流体と低温流体の流れ方向には並流、向流、直流の3種類のパターンがあり、どのパターンかによって対数平均温度差は変わってきます。

対数平均温度差についての詳しい内容は「【伝熱】対数平均温度差LMTDの使い方と計算方法」を参考にしてください。

 

このように熱交換器の伝熱能力は、伝熱面積、総括伝熱係数U値、対数平均温度差によって決まるという事が分かります。

ここで重要なことは、熱交換器の伝熱能力は機器自体で決まるのではなく流体の温度や物性、流速によって大きく変わるという事です。つまり、同じ熱交換器でも流す流体や使用条件によって能力は全く変わります。

実際に選定をする場合は、複数の仕様条件を考慮して最も伝熱能力が低くなる条件を基準に伝熱面積を決定することになります。そのため、実使用条件よりかなり大きいサイズの熱交換器が選定されることが多いです。

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5. 熱交換器の伝熱能力②

熱交換器の伝熱能力を表すにはもう一つの方法があります。それが次の式になります。

$$Q’=mcΔT$$

Q’:熱交換量(kJ/h) m:質量(kg/h)
c:比熱(kJ/kgK) ΔT:入出の温度差(K)

熱交換量Q‘は、熱交換器によって高温流体から低温流体へ伝わった熱量を表しています。熱交換器の役割は、高温流体と低温流体の熱を入れ替えることなので、放熱などの熱ロスを無視すると、高温流体が冷えた分、低温流体が暖められたという事になります。

つまり言い換えると、高温流体が失った熱量と低温流体が得た熱量が常にイコールの関係が成り立つという事です。

もし、現状の運転条件が分かっていれば高温流体か低温流体のどちらかの入出の温度差、質量流量、比熱を掛けることによって熱交換器の伝熱能力を計算することが出来ます。

6. 熱交換器の伝熱面積計算方法

これらの条件から熱交換器の伝熱面積を計算する方法は、熱交換器の伝熱能力①で出てきた式と伝熱能力②で出てきた式をイコールの条件となるように方程式を作ることです。

選定に必要な条件は次のようになります。

  • 低温流体の入出温度・流量・比熱
  • 高温流体の入出温度・流量・比熱
  • 伝熱面の熱伝導率
  • それぞれの流体の熱伝達率

これらが数値として分かれば、欲しい伝熱面積を求めることが出来ます。実際には条件を提示して、熱交換器メーカーに保証の範囲内で計算をしてもらうというのがセオリーです。

数値を用いた具体的な計算方法については「【熱利用設備】熱交換器の伝熱面積計算方法」を参考にしてください。

7. まとめ

  • 熱交換器にはプレート式、シェル&チューブ、フィンチューブの3種類がある。
  • 熱交換器の原理は対流伝熱と伝導伝熱。
  • 熱交換器の伝熱能力には2つの考え方がある。
  • 熱交換器の伝熱面積は2つの計算式をイコールで結んで方程式を立てる。

熱交換器は単純なように見えて、複数の数値が変わるので結構複雑です。

是非この記事を参考に、熱交換器とはなにか?について理解を深めてみてください。



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