石炭には質を表す指標として燃料比があります。
今回は石炭の質を表す石炭化度やその他の性質について書いてみたいと思います。
1. 石炭の燃料比とは？
石炭の燃料比は石炭化度とも言われ、固定炭素と揮発分との割合を示す次の式で表されます。
$$燃料比=\frac{固定炭素}{揮発分}$$
石炭化度は元となる植物が石炭に変化する過程を表したもので、石炭化度が進むと固定炭素が増加し、揮発分が減少します。これにより燃料比が増加していきます。石炭化度の大きいものから石炭の種類を表すと次のようになります。
- 無煙炭（むえんたん）・・・炭素含有量90%以上
- 瀝青炭（れきせいたん）・・・炭素含有量83〜90%
- 亜瀝青炭（あれきせいたん）・・・炭素含有量78～83%
- 褐炭（かったん）・・・炭素含有量70～78%
- 亜炭（あたん）・・・炭素含有量70%以下
- 泥炭（でいたん）
日本では主に無煙炭から褐炭までを石炭と呼んでいます。
石炭を利用した発電や石炭それぞれの見た目についてはこちらの動画が参考になります。
2. 石炭の性質は？
燃料比以外で石炭の性質を表すものに次の指標があります。
それぞれについて解説します。
2-1. 粉砕性
石炭の粉砕のしやすさをハードグローブ指数（HGI）という値で表します。粉砕性を表す方法としては、HGIの測定方法が決められておりその手順に従って試験を行います。
ふるいによって一定サイズに調整した後、複数の鉄球を使用して一定時間粉砕します。その後の石炭の粒形がどの程度の割合になっているかによって指数を計算することができます。
詳しい解説についてはこちらを参照にしてください。
⇒ ハードグローブ粉砕性指数測定方法（外部リンク）
2-3. 粘結性
石炭をコークス製造に用いる場合に重要な指標に粘結性があります。コークスに用いられる石炭は粘結炭と呼ばれます。
粘結性の強さは膨張度に比例するので、るつぼに取り、加熱を行うことで粘結性を測定することができます。この時、コークスの膨張状態を標準輪郭と比較して表す指標をボタン指数といいます。
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【燃料】石炭とコークスの違いは？
燃焼性
石炭の燃えやすさを表すのが燃焼性です。石炭化度が低ければ着火温度が低く燃焼速度が大きい性質があります。
⇒ 石炭の燃焼性評価手法の紹介（外部リンク）
まとめ
- 燃料比は固定炭素と揮発分の割合
- 石炭化度によって石炭の分類が変わる
- 性質としては粘結性、粉砕性、燃焼性がある
文字だけで見ていても感覚がつかみにくいので、是非Youtubeなどの動画を活用しながら理解を進めていきましょう。
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