自動制御

【自動制御】ショックリレーとは何か、目的や原理について解説

ショックリレーは、機械や装置に突発的なトルクや負荷がかかった際に、瞬時に感知し運転を停止させる重要な安全装置です。

この記事では、ショックリレーとは何か、作動原理、設定方法、サーマルリレーとの違いについて解説します。

ショックリレーとは

ショックリレーとは、機械や装置に過大なトルクや負荷がかかった際にそれを感知し、機械を保護するために運転を停止させる安全装置です。

具体的には、モーターなどの駆動装置がゴミ噛みなどの予期せぬ過負荷状態になった時、ショックリレーがその異常を検出して回路を遮断し、機械を強制的に停止させます。これにより、機械の損傷を防ぎ、より大きな修理コストや事故の発生リスクを低減させることができます。

ショックリレーは、コンベヤなどの機械的な負荷が頻繁に変動する環境や、壊れた際の影響度が大きい重要な装置を使用している工業プロセスにおいて利用されます。

また、設定に応じて感度を調整できるため、各種機械に適した保護を行うことができます。

ショックリレーとサーマルリレーの違い

ショックリレーと似た役割の機器にサーマルリレーがありますが、ショックリレーとサーマルリレーの違いをまとめると以下のようになります。

  • 検出する異常の種類:ショックリレーは物理的な過負荷やトルクの異常を検知、サーマルリレーは電気的な過熱を検出。
  • 作動原理:ショックリレーは力の異常を、サーマルリレーは温度の変化を感知。
  • 保護の目的:ショックリレーは機械的なダメージから、サーマルリレーは熱による電気的なダメージから保護。

サーマルリレーは、主に電動機などの電気機器が過熱することを防ぐために使用されます。

電流の過負荷が長時間続くと、電動機などの温度が上昇し、その結果として機械やワイヤーが焼損する可能性があります。

サーマルリレーは、このような状況を検出するために、熱の蓄積を感知して回路を遮断し、電動機を保護します。一般的にはバイメタルストリップが使用され、温度の上昇に伴い形状が変わり、それによって接点が開いて電動機を停止させます。

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ショックリレーの原理

ショックリレーが作動する原理は以下のようになります。

  1. センサーが衝撃や振動を検知。加速度センサーや圧電素子が衝撃や振動によって発生する力を電気信号に変換する。
  2. センサーからの信号が設定された閾値を超えると、信号処理回路がリレー回路に制御信号を送る。
  3. リレー回路が制御信号を受け取ると、リレーが作動して接点が切り替わる。
  4. 接点が切り替わることで、警報の発報、機械装置の停止を行う。

ショックリレーは、加速度センサーや圧電素子を使用して衝撃や振動を電気信号に変換し、信号処理回路で閾値を超えた場合にリレーを作動させることで、警報を発したり機械装置を停止させることができます。

閾値の設定を低くすれば、機械的には安全ですが頻繁に機械停止が発生することになるので、機械によって適切な閾値が変わります。

ショックリレーの設定方法

ショックリレーの設定値を決める際には、いくつかの要因を考慮する必要があります。

適切な設定は、使用される機械やその運転条件、安全要件によって異なりますが、一般的には以下のようなステップで設定します。

機械の定格トルクの確認

機械やモーターが持つ定格トルクを基にショックリレーの設定値を考えます。この定格トルクは、機械を安全に扱うことができる最大のトルクを示しています。

安全率の設定

通常、定格トルクに対して一定の安全率を設けます。例えば、機械の定格トルクを100%とすると設定値を120%〜150%程度にすることが一般的です。

この安全率はは、予期せぬ負荷がかかった場合でも機械がすぐに停止することなく、一定の余裕を持って運転を続けられるようにするためです。

運転条件の考慮

機械がどのような環境や条件下で運転されるかも考慮が重要です。頻繁に負荷の変動がある場合や、特に精密な操作が求められる場合は、より緻密な設定が必要になることがあります。

実地テスト

実際の運転環境でショックリレーの設定値をテストすることが理想的です。

初期設定後、実際に機械を稼働させてみて、予期せぬ停止がないか、または必要な時に適切に保護が働くかを確認します。

調整と微調整

運転初期のテスト期間を経て、必要に応じてショックリレーの設定値を調整します。これには、過剰な保護による頻繁な停止や、不十分な保護による機械の損傷リスクを避けるための微調整が含まれます。

ショックリレーの設定値は、機械の特性、使用環境、そして安全基準によって大きく左右されるため、これらの要素を総合的に考慮して決定することが重要です。

まとめ

  • ショックリレーは機械を保護するために運転を停止させる安全装置。
  • 電気的な過熱を検出するサーマルリレーとは違い、物理的な過負荷やトルクの異常を検出する。
  • 機械の定格トルクを元に設定値を決める

ショックリレーは、機械や装置が予期せぬ過負荷に直面した際にその運転を安全かつ迅速に停止させるための重要な装置です。

設定値の基本的な決め方などを理解し、適切に作動するように注意しましょう。

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