省エネ法について調べていくと、ベンチマーク制度という言葉が出てきます。
「ベンチマーク」とは、他の同様のものと比べたときに差がわかるという意味ですが、省エネ法のベンチマーク制度とは何を表すのでしょうか?
今回はベンチマーク制度とは何かについて解説していきたいと思います。
ベンチマーク制度とは?
ベンチマーク制度は事業者の省エネ状況を業種共通の指標を用いて評価するものです。事業者はベンチマークを基準に製品開発などを進めます。
平成21年に産業部門の6業種10分野で導入され、現在は業務部門にも拡大中です。ベンチマーク制度を導入する目的は次の2つです。
- 従来目標(1%以上低減)だけでは、省エネ取組を適正に評価されなかった事業者が、ベンチマーク指標を用いることで、適正な省エネ評価を受けることができる。
- 業種共通の指標を用いて評価するため、事業者の省エネ取組状況を客観的に把握できる。
省エネが他の事業者に比べて進んでいる場合は、毎年1%削減していくのが大変になるので別指標の評価制度が必要になったというわけですね。
ベンチマーク制度の対象事業者
2020年現在、ベンチマーク制度の対象となっている業種は次の業種です。
- 高炉による製鉄業
- 電炉による普通鋼製造業
- 電炉による特殊鋼製造業
- 電力供給業
- セメント製造業
- 洋紙製造業
- 板紙製造業
- 石油精製業
- 石油化学系基礎製品製造業
- ソーダ工業
- コンビニエンスストア業(平成28年4月施行)
- ホテル業
- 百貨店業
- 食料品スーパー業
- ショッピングセンター業
- 貸事務所業
- 大学
- パチンコホール業
- 国家公務
最新の情報についてはコチラ(外部リンク)を参照してください。
対象となった業種では、目安となる原単位のベンチマークと目標基準が示されています。
⇒ ベンチマーク指標の報告結果について
元々は産業部門だけでしたが、業務部門への拡大が進んでいます。今後も他の業務部門にも拡大していくと思われます。
ベンチマーク制度の対象になるとどうなる?
現状、ベンチマーク制度の活用についてはまだ検討段階のようです。活用方法が決まっているものについては次の2つがあげられています。
事業者クラス分け評価制度への活用
対象となった事業者を4つのクラスに分け、省エネが進んでいる事業者に関しては経済産業省のHPで公表されるという制度です。
⇒ クラス分け制度についての詳しい内容はこちら
省エネ補助金制度
ベンチマーク指標の改善に向けて、省エネ投資をした場合、政策的意義の観点から事業者をプラス評価するという制度です。
平成28年度には515億円の予算が出ています。
⇒ ベンチマーク制度についての概要資料はこちら
まとめ
- ベンチマーク制度は原単位の指標と目標を明確に示す制度。
- 現在、19業種が対象となっており今後も業務部門に拡大していく。
- 活用については検討中であるが、クラス分け制度や補助金に使われている
省エネを促進させていくために、トップランナー制度やベンチマーク制度などいろいろな制度があるので、混乱しそうですね。
補助金制度なども絡んでいるので、実務で使われる方は今後の動きを注視していく必要があります。
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