単位質量あたりの化石燃料がどの程度の熱量を持つかという指標に発熱量があります。
そして燃料の発熱量を測定するのに気体燃料、液体燃料、固体燃料それぞれで決められた方法があります。今回は燃料ごとの発熱量の測定方法について解説してみたいと思います。
1. 気体燃料
気体燃料とは主に次のものがあります。
- LNG(液化天然ガス)
- LPG(液化石油ガス)
- コークス炉ガス他
気体燃料の発熱量を測定するためには次の2つの方法が用いられます。
1-1. ユーカンス式流水形ガス熱量計
ユーカンス式流水形ガス熱量計は、ガスを燃焼させたときに得られる熱量を流水に吸収させ、温度上昇と流量から燃料ガスの発熱量を求める方法です。
例えば、燃料1kgを燃焼させたときに水の入り口温度20℃、出口温度30℃、100kgの水が流れたとすると
$$発熱量kJ=100×4.19×(30-20)$$
という式で燃料の発熱量を測定することができます。この時、本来は排ガスなどで有効に活用できない水分の潜熱も流水に吸収されるため、測定できる発熱量は高発熱量になります。
1-2. ガスクロマトグラフ法
ガスクロマトグラフ法では燃料を燃焼させずに発熱量を測定します。
まず、ガスをカラムの中に通し、吸着度合い(親和性)の違いによって分離することによって成分を分析します。この時、使用されるキャリアガスはヘリウムや窒素などの不活性ガスです。
成分が分析できれば、それぞれのガスの固定の発熱量をかけ合わせれば混合ガスの発熱量を計算で出すことができます。ガスクロマトグラフの分離メカニズムについてはこちらの動画が分かりやすいので参考にしてください。
2. 液体燃料
液体燃料は主に次のものがあります。
2-1. ボンベ型熱量計
ボンベ型熱量計は内部で高圧酸素によって燃焼させ、水の温度上昇を測定することによって発熱量を測定します。
ユーカンス型と同様に測定できる発熱量は高発熱量になります。
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3. 固体燃料
固体燃料には主に次のものがあります。
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3-1. 燃研式自動熱量計
燃研式自動熱量計は液体燃料で用いたボンベ型熱量計と同様の装置になります。
高圧容器に燃料を入れ、高圧酸素で燃焼させます。内筒水の温度の上昇から熱量を計算することで高発熱量を計算します。
4. まとめ
- 気体燃料にはユーカンス式とガスクロマトグラフがある
- 液体燃料、固体燃料はボンベ型熱量計、燃研式自動熱量計
発熱量の測定は水の温度上昇を利用した方法が多いようです。
ガスクロマトグラフを用いて計算で算出する方法だけが特殊なので間違えないように注意しましょう。
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