現場で使う電動弁のカタログを見て、「50VA」などの記載を見たことはありませんか?
ポンプならともかく、電動弁に電流が流れるって少し不思議な感じがしますよね。
今回は電動弁の仕組みと、電流値について解説したいと思います。
電動弁とは
電動弁は電動のモーターが回ることにより、開閉を調整するバルブのことを言います。
多くの場合、全開か全閉の2パターンのみを想定していますが、バルブ形状によっては中間開度の調整ができ、制御弁のような役割を持たせたものもあります。
電気で駆動するので、対応する電圧が100V、200V、24V、DC24Vなど様々あります。選定する際には、設置する場所の電源を間違えなく確認しておく必要があります。
電気を使うバルブで他に電磁弁がありますが、こちらはソレノイドに通電することで内部の電磁石を動かす(電磁誘導)仕組みを利用しているので、素早い開閉が可能な反面、力が弱いので大口径や高圧力帯では使えません。
電動弁は電磁弁に比べて動作が遅い反面、大口径・高圧力でも使用可能です。バルブのサイズが大きくなると当然、機器の重さも大きくなり、消費電力は大きくなります。
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電動弁の電流値
モーターを回すのに必要な電流値を指します。基本ですが消費電力は次の式で表されます。
$$W=V×A$$
W:電力、V:電圧、A:電流
電圧は設置場所によって決まりますが、電流は電動弁の開閉に必要な力(トルク)に影響されます。
先ほどは電動弁のサイズによって変わると書きましたが、正確にはバルブの上に接続されるアクチュエーターと呼ばれる機器(中にモーターが入っています)のサイズによって変わります。
サイズの大きなバルブには、大出力のアクチュエーターが設置されます。
あるメーカーのボールバルブ型電動弁だと、サイズ50A以下で65W、100A以下で120W、200A以下で280Wというアクチュータが標準として使用されていました。
なお電力表記にはVAとWの2種類が用いられています。ボルトアンペアVAは皮相電力といい、見かけの電力のことを指します。
ワットWはVAに力率(実際に有効に電気を使った割合)をかけることで計算される数値です。
電動弁選定の際には、選定したバルブの消費電力が、電気配線や制御システムの機器に対応した値か確認しておく必要があります。
あまりないとは思いますが、季節設備の入れ替えで選定バルブの配管口径が数倍になるような場合には、注意してください。
まとめ
- 電動弁はモーターを回すために電力を消費する。
- サイズが上がると消費電力も上がる。
電動弁の設置数が多いプラント・工場の場合、省エネルギーの観点からも消費電力を気にされてはいかがでしょうか。