ある物体の温度を1℃(K)上げるのに必要なエネルギーを熱容量といいます。単位はkJ/Kで表されます。
今回は、熱容量とは何か、どのようなときに利用されるかについて解説してみたいと思います。
こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。
1. 熱容量とは?
熱容量は物体の質量m[kg]に比熱c[J/kgK]を掛けることで計算することが出来ます。熱容量が大きければ温度が上がりにくく、熱容量が小さければ上がりやすいということになります。
$$C=mc$$
- C:熱容量 J/K
- m:質量 kg
- c:比熱 J/kgK
熱容量は比熱の大きさに左右されます。
水の比熱が4.19kJ/kgK、鉄が0.43kJ/kgK、アルミが0.88kJ/kgKという風に物質固有の値が決められています。比熱の違いは物質がもつ原子や分子の振動や回転によって変わるようです。
良くレストランなどでステーキの横に熱した石が置いてあり、焼きながら食べるスタイルがあります。石の熱容量が大きいから成り立つのかと思い調べてみると、石の比熱は水の4.19kJ/kgKに対し1kJ/kgK程度であまり大きくありませんでした。あれは石の融点が1000℃以上ということで利用されているようです。
2. 熱容量の使い方
熱容量は単独で使われることは少なく、温度と組み合わせることで利用されます。例えば、100kgの水を10℃から90℃に昇温させるために必要なエネルギーは?と問われれば、水の熱容量に温度差を掛けることで算出することが出来ます。
式に表すと次のようになります。
$$100kg×4.19kJ/kgK×(90-10)K=33520kJ$$
これを文字で表すと、質量をm、比熱をc、温度差をΔTとしてmcΔTという言い方をします。熱の計算をする際にはこの呼び方が多用されますので是非覚えておいてください。
熱交換器の選定やエネルギー消費量の計算をする時にこの考え方が必須になります。
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気体の場合は定積比熱と定容比熱の2種類があるので、熱容量も2種類あることになります。
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まとめ
- 熱容量は物体の温度を1℃上げるのに必要なエネルギー
- 熱容量は比熱によって大きく変わる
- mcΔTで必要なエネルギーを計算する際に用いられる
mcΔTで合計エネルギー量を計算することは多いですが、mcが熱容量だという考え方を見落としがちです。言葉と意味を理解しておきましょう。
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