【省エネ法】規制対象になる4つの分野は?

省エネ法

【省エネ法】規制対象になる4つの分野は?

省エネ法では、規制対象としてエネルギーを多く使用する4つの分野を挙げています。

これら4つの分野は、大量にエネルギーを消費するものと年々エネルギー使用量が増加しているものとに分かれます。エネルギーの使用量は年々増加傾向にあるため、規制される分野はますます増えていくと考えられます。

【省エネ法】制定された背景、義務、罰則はあるの?
【省エネ法】制定された背景、義務、罰則はあるの?

続きを見る

省エネ法で規制している4つの分野

省エネ法で規制している分野は、もともとは次の4つでした(住宅・建築物は現在、建築物省エネ法で規制されています。詳しくは後述します)。

  • 工場等
  • 輸送
  • 住宅・建築物
  • 機械器具等

それぞれの分野が規制されている背景について、エネルギー使用量の推移などを見ていきたいと思います。

工場等

工場等に含まれるのは次の2つです。

● 工場を設置して事業を行う者

● 事業場(オフィス、小売店、飲食店、病院、ホテル、学校、サービス施設)を設置して事業を行う者

(出典:経済産業省HP「第2節 部門別エネルギー消費の動向」)

このグラフを見ると、日本のエネルギー使用量全体からみると、圧倒的に多くの割合を製造業が占めていることがわかります。

ただ、エネルギー使用量の推移でみると製造業のエネルギー消費は増加していません。それだけ省エネルギー技術が進んできたという事ですね。

工場などの製造業は多量のエネルギーを使用するため、規制対象になります。

輸送

輸送に含まれるのは次の2つです。

● 輸送事業者:貨物・旅客の輸送を業として行う者

● 荷主:自らの貨物を輸送事業者に輸送させるもの

実際に貨物や人を運搬する業者も、依頼する業者もどちらも規制の対象になります。

2017年頃にはヤマト運輸の値上げが話題になりましたが、Eコマースの発達によって輸送に使用するエネルギーは年々増加しているように思います。

 

(出典:経済産業省HP「第2節 部門別エネルギー消費の動向」)

しかし、このグラフを見る限り2001年度をピークに輸送に使うエネルギーは年々減少してきています。輸送機器の性能の向上などが寄与しているのかもしれません。

輸送もエネルギーを多く使う業種になるので、省エネ法では規制対象としています。

住宅・建築物

● 建築時:住宅・建築物の建築主

● 増改築、大規模改修時:住宅・建築物の所有者・管理者

● 特定住宅(戸建て住宅):住宅供給事業者(住宅事業建築主)

(出典:経済産業省HP「第2節 部門別エネルギー消費の動向」)

最近では、どこの家庭にもエアコンがある時代になり、建物の断熱性などがエネルギー消費量に影響するようになっています。

また、大型ショッピングモールやコンビニが増加していくに伴い、業務部門のエネルギー消費量は年々増加しています。

家庭部門と業務部門の定義は次のようになっています。

家庭部門

自家用自動車等の運輸関係を除く家庭でのエネルギー消費

業務部門

企業の管理部門等の事務所・ビル、ホテルや百貨店、サービス業等の第三次産業のエネルギー消費

住宅・建築物の省エネ規制は、2017年度から省エネ法ではなく建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律)で行われています。2025年4月からは、原則としてすべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務付けられました。そのため、現在の省エネ法の規制分野は工場等・輸送・機械器具等の3つです。

機械器具等

● エネルギー消費機器等の製造又は輸入事業者

● 熱損失防止建築材料の製造、加工又は輸入事業者

これは、エネルギーを使用する機器(例:エアコン、電子レンジ)などを製造するメーカーや、建築材料(例:断熱材)などを製造するメーカーに対しトップランナー制度を導入するという規制になります。

現在、32品目が規制の対象になっています(2020年4月時点。うち3品目は断熱材などの建築材料)。

規制対象になるとどうなるのか

省エネ法の規制対象になると次のような義務が発生します。

エネルギー使用届出書の提出

前年度のエネルギー使用量が原油換算で1,500kL以上となった事業者は、その年度の5月末日までにエネルギー使用状況届出書を経済産業局に提出する義務があります(そのため、まずは自社のエネルギー使用量を把握しておく必要があります)。本社、工場、支店、営業所、店舗等で使用した燃料、熱、電気の年間使用量を集計し、原油量に換算したものを用います。

定期報告書、中長期計画書の提出

原油換算で年間1500kL以上のエネルギーを使用する事業者は、特定事業者となり、定期報告書、中長期計画書を7月末日までに提出しなければなりません。

適正な人員の選任と配置

特定事業者はそれぞれの規定に応じて、各事業所にエネルギーの専門家を選任して配置しなければなりません。

まず、毎年エネルギー使用状況を提出するという手間が発生します。

まとめ

  • 省エネ法では4つの規制分野がある(住宅・建築物は現在、建築物省エネ法で規制)。
  • エネルギー使用量が多いか増加している分野が対象になる。
  • 規制対象になると、書類提出の義務が発生する。

2023年4月施行の改正では、非化石エネルギーへの転換や電気需要の最適化も求められるようになり、法律の名称も「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に変わりました。今後も規制の内容は広がっていくと思われます。定期的に確認する必要がありますね。

【省エネ法】特定事業者が設置するエネルギー管理者は何人?

省エネ法

2026/9/30

【省エネ法】特定事業者が設置するエネルギー管理者は何人?

毎年、科目Ⅰで出題される問題でエネルギー管理者の設置人数が問われる問題があります。 事業所や事務所で使う様々な種類のエネルギーを「GJ/年」で与えられる。 省エネ法で「エネルギー」にカウントされるものだけを足し合わせる。 原油換算係数「0.0258kL/GJ」をかけて年間使用量を算出する。 特定事業者かどうか判別する。 各事業所に設置しなければいけないエネルギー管理者の人数を答える。 これは、必須問題なので確実に理解しておく必要があるわけですが、5番の「エネルギー管理者」の人数を答えるところだけが難しいと ...

ReadMore

【省エネ法】ベンチマーク制度って何だろう

省エネ法

2026/9/30

【省エネ法】ベンチマーク制度って何だろう

省エネ法について調べていくと、ベンチマーク制度という言葉が出てきます。 「ベンチマーク」とは、他の同様のものと比べたときに差がわかるという意味ですが、省エネ法のベンチマーク制度とは何を表すのでしょうか? 今回はベンチマーク制度とは何かについて解説していきたいと思います。 ベンチマーク制度とは? ベンチマーク制度は事業者の省エネ状況を業種共通の指標を用いて評価するものです。事業者はベンチマークを基準に製品開発などを進めます。 平成21年に産業部門の6業種10分野で導入され、その後業務部門にも拡大されています ...

ReadMore

【省エネ法】家電でよく見る省エネ大賞、トップランナー制度って何?

省エネ法

2026/9/30

【省エネ法】家電でよく見る省エネ大賞、トップランナー制度って何?

メーカーのカタログに「トップランナー機器」という文言が書かれている場合があります。 トップランナー制度は1998年に導入され、省エネルギーの促進に貢献してきました。この記事ではトップランナー制度とは何かについて解説します。 トップランナー制度とは? トップランナー制度とは、対象となった機器でエネルギー消費効率が最も優れているものをトップランナーとして、その性能に技術開発の見通しを考慮して目標となる省エネ基準を定める制度です。 この基準をトップランナー基準といい、対象機器のエネルギー消費効率のさらなる改善の ...

ReadMore

【省エネ法】規制対象になる4つの分野は?

省エネ法

2026/9/30

【省エネ法】規制対象になる4つの分野は?

省エネ法では、規制対象としてエネルギーを多く使用する4つの分野を挙げています。 これら4つの分野は、大量にエネルギーを消費するものと年々エネルギー使用量が増加しているものとに分かれます。エネルギーの使用量は年々増加傾向にあるため、規制される分野はますます増えていくと考えられます。 省エネ法で規制している4つの分野 省エネ法で規制している分野は、もともとは次の4つでした(住宅・建築物は現在、建築物省エネ法で規制されています。詳しくは後述します)。 工場等 輸送 住宅・建築物 機械器具等 それぞれの分野が規制 ...

ReadMore

【省エネ法】設備の管理に必要な判断基準って何?

省エネ法

2026/9/30

【省エネ法】設備の管理に必要な判断基準って何?

省エネ法について考えるときには「判断基準」という項目が重要になってきます。 省エネルギーに取り組むときに、各機器の目安としての数値を国が決めてくれています。今回は、この「判断基準」に対して解説していきたいと思います。 省エネ法の「判断基準」とは? 判断基準は、エネルギーの使用の合理化の適切かつ有効な実施を図るための計画に関し、判断の基準となる具体的な事項を国が定めたものです。 法律では判断基準に対して次のような取り決めを行っています。 事業者は判断基準に基づいて、取組方針や管理マニュアルを作成し、省エネに ...

ReadMore

エネルギー管理士 学習アプリリリースしました。

・隙間時間で学習できる
・間違ったところだけ集中的に復習
・アカウント登録不要

熱分野はコチラ

電気分野はコチラ

  • この記事を書いた人

エコおじい

プラント業界10年以上のエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。保有資格はエネルギー管理士と電験三種です。

効率的に技術系資格取得を目指す方必見!当サイトおすすめの通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが最も重要です。

参考書だけでは分かりにくいという方には、全て解説動画で学べるSATの通信講座がおすすめです。日々の通勤時間など隙間時間を利用して無理なく効率的に学習を進めることが出来ます。

超シンプルで分かりやすいSAT『エネルギー管理士』

エネルギー管理士の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

他社と比較すると価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

⇒ 熱分野レビュー 電気分野レビュー 他社との比較

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

最短で電験取得を目指すならSAT『電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

⇒ 電験三種レビュー 他社との比較

技術系資格の最高峰SAT『技術士合格講座』

論文添削やZOOMマンツーマン指導が付いており、面接対策もWeb上で行うことが出来ます。また、テキストは毎年改定されているので常に最新の教材で勉強することが出来ます。

-省エネ法
-

© 2026 エネ管.com Powered by AFFINGER5