現場支持型の温度計の中には、接点付き温度計というものがあります。
接点付きとは、設定温度より高いか低いかによって接点が入る(回路が繋がったり切れたりするもの)温度計のことです。
今回は接点付き温度計の使い方や特徴について記載していきたいと思います。
1. 接点付き温度計とは
接点付き温度計は、設定温度によって接点が入ったり切れたりする温度計です
設定温度は現場で支持針をまわすことによって調整することができます。
接点付き温度計の利点は、制御回路をシンプルにできる点です。
例えば、ある設定温度を超えると自動弁が開弁するという制御をしたいとします。
温度センサーで行う場合は、温度センサーの値を調節計に取り込んで、設定温度以上になると、自動弁が開弁するように接点を出力しなければいけません。
接点付き温度計は、調節計が無くても接点が出力できるので、その分制御がシンプルになり、コストダウンを図れます。
調節計と圧力センサーを加えると10万円以上の買い物になるので、コストダウンの効果も大きいですね。
2. 接点付き温度計の注意点
接点付き温度計は便利ですが、いくつか注意点もあります。
2-1. 故障がわかりにくい
接点付き温度計は温度センサーや調節計を利用した場合に比べて、故障が分かりにくいです。
温度は実物を見ればわかりますが、実際に接点が入ったかどうかは、テスターを利用しないとわかりません。
温度センサーの場合は、調節計側でエラーが出たり明らかにおかしい温度が表示されるのでわかりやすいです。
2-2. 誤差が大きい
温度センサーに比べると、どうしても精度が落ちてしまいます。接点付き温度計はバイメタルなどを利用した機械的な作動原理のものが多いため、プラマイ1℃程度は誤差が発生します。
そのため、高い精度が求められるような場面では活用できません。多少緩慢な作動でもいいからコストを抑えたいと言うときに有効です。
2-3. 現場に行かないと指示値が分からない
接点付き温度計は温度を外部に飛ばす仕組みがないので、測定温度は現場に行かないと分かりません。
その為、仮に油が飛散するような場所で利用すると、機器が汚れて指示値が見えなくなる可能性があります。
遠くからも温度を監視したいという場合は、温度センサーを使わなくてはいけません。
3. まとめ
- 接点付き温度計は設定温度によって接点が入る温度計
- 制御回路がシンプルになりコストダウンが出来る
- 精度が求められるところでは使用できない
以上です。
接点付き温度計は、シンプルなので使いやすいですが、しっかりと注意点を理解した上で使用していきましょう。