機器

発電機

【発電機】モータリングとは何か、対策は?

発電機は通常、電力を系統に供給しますが、何らかの事情により電力を受け取ると電動機として稼働します。 この記事では発電機のモータリングとは何かについて解説しています。 発電機のモータリングとは 発電機のモータリングとは、発電機が他の電源から電力の供給を受けて、電動機として回転する現象のことを言います。 通常の蒸気タービン発電機の場合、高温高圧の蒸気がガバナを通って蒸気タービンに供給され、蒸気の熱落差により、発電機が仕事をして電力を系統に送ります。 これが、ボイラー等の事情により供給する蒸気量が不足すると、発 ...

タービン

【タービン】復水器とは何か、種類や役割について解説

火力発電所などに設置される非常に重要な熱交換器の一つに復水器があります。 この記事では、復水器とは何か、その役割や種類について解説します。 復水器とは 復水器とはタービンで仕事を終えた蒸気を冷却し、凝縮させるための大型の熱交換器です。 ランキンサイクルで発電を行う場合に利用されます。一般的には冷却水を循環させて蒸気の持つ凝縮潜熱を冷却塔で排熱するのがほとんどですが、水源が確保できないなどの理由から空気冷却などを行う場合もあります。 復水器の器内をどれだけ高真空にできるかによって発電所全体の効率が大きく変わ ...

制御盤

【制御盤】現場制御盤とは何か、設置する目的は?

機器を動かす制御盤の1つに「現場操作盤」があります。 この記事では現場操作盤と制御盤の違いやメリット、デメリットについて解説します。 現場操作盤とは 現場操作盤とは機器を操作するための簡易な盤のことを言います。制御盤の場合は、機器の一連の動きがPLCやリレー、調節計等によって制御を行いますが、現場操作盤の場合は「運転、停止」などのような簡易な動きをさせるのが一般的です。 DCSでの中央制御室からの命令と現場操作盤を用いた現場での操作命令の両方を受ける場合は次のような図になります。 現場操作盤には「現場、中 ...

流量計

【流量計】瞬時流量と積算流量の違い、使い分けは?

流量計には様々な型式がありますが、その中でも大きく分けて瞬時流量を示すものと積算流量を示すものの2通りがあります。 この記事では流量計の瞬時流量と積算流量の違いについて解説します。 瞬時流量とは 瞬時流量とはその瞬間に流れている流体の量を表す指標で単位はkg/h、ton/h、L/hなどで表されます。流量計からの信号の種類は4-20mAなどの電流信号とする場合が多いです。 主に工場やプラントで流量を監視したり、制御する場合は瞬時流量が用いられることがほとんどです。制御盤と接続する場合はセンサー電源を共用させ ...

制御弁

【制御弁】タービンバイパス弁とは何か、役割、作動する状況とは

プラントの安定稼働を実現させる弁の1つにタービンバイパス弁があります。 この記事ではタービンバイパス弁とは何か、その役割や作動する状況について解説します。 タービンバイパス弁とは タービンバイパス弁とは主蒸気から蒸気タービンをバイパスさせて直接復水器へ接続するラインに設置する制御弁のことを言います。タービンバイパス弁から主蒸気をバイパスさせ、復水器へ送ることを「蒸気を復水器へダンプする」といいます。 一般的にはタービンが何らかの事情によりトリップした場合に開弁させ、主蒸気配管の急激な圧力変動を抑えることを ...

制御弁

【制御弁】放蒸弁とは何か、役割、作動する状況とは

プラントを安定的に稼働させるために設置される制御弁の1つとして放蒸弁があります。 この記事では放蒸弁とは何か、その役割や作動する状況について解説します。 放蒸弁とは 放蒸弁とは蒸気を放出することで一次側配管の蒸気圧力を下げるために設置される制御弁です。 放蒸弁の一次側に圧力センサーを設置し、設定圧力以上になると放蒸弁が開度を調整しながら放出させる蒸気量を制御し、圧力を一定に保ちます。 放出される蒸気の量によっては流速が100m/s程度と速くなり、騒音が発生するので放蒸弁二次側には騒音低減用のサイレンサが設 ...

ボイラー

【ボイラー】主灰と飛灰の違いとは?

ボイラーや焼却炉などで投入物が燃えた後に出てくる灰は、大きく分けて主灰(しゅばい)と飛灰(ひばい)があります。 この記事では主灰と飛灰の違いについて解説します。 主灰と飛灰の違い 主灰:焼却炉の炉底に落下した灰でボトムアッシュ(bottom ash)とも呼ばれる。 飛灰:風に飛ばされて集塵機などで採取される灰でフライアッシュ(fly ash)とも呼ばれる。 主灰と飛灰の違いを図で表すと次のようになります。 ごみ焼却施設のボイラーを例にとると、主灰はゴミが燃え切った後に最後に底から出てくる灰で、ごみ中に含ま ...

制御盤

【制御盤】ジャンクションボックス(JB)とは何か、役割は?

複数の機器が一体となったユニットでは電気配線をシンプルにするために「ジャンクションボックス(JB)」が用いられます。 この記事では電気配線におけるジャンクションボックス(JB)とは何か、その役割について解説します。 ジャンクションボックス(JB)とは ジャンクションボックス(JB)とは、電気工事において電線同士を接続させるための箱のことを言います。 複数の機器を配線する際に配線ルートをシンプルにするために用いられ、ジョイントボックスと呼ばれることもあります。 ジャンクションボックスを用いることで、電気配線 ...

配管

【配管】フランジ規格FFとRFの違い、使い分けは?

バルブや配管を接続するフランジにはJIS10Kなどの後ろにFFやRFという種別が記載されています。 低圧ではFFとRFでどちらを使っても問題ない場面が多いので使い分けが良く分からないという方も多いのではないでしょうか? この記事では、フランジの座面形状を表すFFとRFの違いについて解説します。 FFとRFの違い FF FFはFlat Face(フラットフェイス)の略で上の図のようにガスケットの座面を全面に仕上げたものを言います。主にJIS10K、JIS20K、JPI150、JPI300などの低圧で使用され ...

配管

【配管】バッファータンクの役割とは?設置するメリットは

給排水系統や空気系統では負荷変動を抑えるためにバッファータンクが良く用いられます。 この記事では排水系統などで良く利用されるバッファータンクについて解説します。 バッファータンクとは バッファータンクとは気体や液体を一時的に貯留させるためのタンクです。レシーバータンクとも呼ばれ、給排水系統や空気系統などに設置されます。 バッファータンクを設けることで、設備のイニシャルコスト低減や工場の安定性を向上させることが出来、大きければ大きいほど変動許容率が上がります。 バッファータンクの役割 バッファータンクの役割 ...

配管

【配管】バケットストレーナーとは何か、メリットデメリットを解説

ポンプや制御弁など重要な機器を保護するためにはストレーナーは必須です。 この記事では大口径の配管に良く採用されているバケットストレーナーとは何か、また、メリットデメリットについて解説します。 バケットストレーナーとは バケットストレーナーはバケット状のメッシュにて流体内の異物を取り除くための機器です。小口径で良く利用されるY型ストレーナに比べると大口径で利用されることが多い機器です。 内部のバケットは上部のカバーを取り外すことで取り出すことができ、定期的に洗浄を行うことで目詰まりなどを防止します。上部のカ ...

熱交換器

【熱交換器】給水加熱器とは。設置するメリット、デメリットについて

現在、多くの火力発電所ではランキンサイクルの中でも再生サイクルが用いられています。 この記事では再生サイクルで必ず用いられる給水加熱器とは何かについて解説します。 給水加熱器とは 給水加熱器とは、蒸気タービンの抽気蒸気を利用してボイラー給水を加熱するための熱交換器です。給水加熱器を設置した熱サイクルを再生サイクルと呼び、発電所で良く利用されるランキンサイクルをより高効率にするものとされています。 一般的に復水器から脱気器までの間に設置するものを給水の圧力から低圧給水加熱器、脱気器からボイラーまでの間に設置 ...

配管

【配管】「静流水」「脈動水」の定義について解説

配管に用いられるバルブの選定時に時折見かける「脈動水」「静流水」と呼ばれる用語があります。この記事ではこれらの用語がどのような状態の水を指しているか解説します。 清流水とは 清流水の定義は次のようになります。 静流水(steady flow) 定義:周期的な変動、脈動のない水流。温度、圧力、速度などが一定を示す状態の水を指します。(バルブ用語(JIS B 0100)) 実際の清流水のイメージを以下の図を使って解説します。 図で配管中を流れている水は、各ポイント(点A-C)によって流速が異なります。 しかし ...

ポンプ

【ポンプ】NPSHとは何か。考え方、計算方法について解説します

ポンプを選定する際に重要な指標としてNPSHがあります。 NPSHの考え方を間違えて、ワンポイントでポンプを選定すると非定常な運転時に異常が発生しポンプが故障するなどの事故につながります。この記事ではポンプのNPSHについて、考え方や計算方法を解説します。 NPSHとは NPSHはNet Positive Suction Headの略でポンプを選定する際に、どの程度の流入水頭を確保できるかを示す指標で単位はm(メートル)で表されます。 NPSHにはNPSH available(有効吸込ヘッド)とNPSH ...

ポンプ

【ポンプ】ポンプの台数制御とは、仕組み、メリット、デメリットについて解説

液体の輸送に必要な機器であるポンプは工場の稼働状況や時間帯によっても、必要な液量が変わる現場が多いです。 そんな場合はポンプの台数制御を行うという考え方があります。 この記事ではポンプの台数制御とは何か、そのメリットやデメリットについて解説します。 ポンプの台数制御とは ポンプは24時間稼働させることが多く、流体を吐出するには大きなエネルギーが必要です。一方、使用先の必要量(ここでは負荷と呼びます)はいつも最大とは限りません。 そこで無駄なエネルギーを削減するための方法の一つとして「複数台のポンプを設置し ...

タービン

【タービン】抽気復水タービンとは、メリット、制御方法について解説

火力発電プラントで良く利用されているタービンに抽気復水タービンがあります。 この記事では、抽気復水タービンとは何か、メリットや制御方法について解説します。 抽気復水タービンとは 抽気復水タービンとは蒸気タービンの中段から低圧の抽気蒸気を取り出すことができるタービンです。最終段の排気は復水器により復水に戻ります。 主蒸気を全量復水器に送る復水タービンと比べると電力として取り出せる仕事は減りますが、抽気蒸気を加熱源として給水の加熱やプロセス等に利用することでプラント全体のエネルギー効率を向上させることが出来ま ...

発電機

【発電機】ドループ制御とアイソクロナス制御の違い、使い分け

発電機やタービンの制御として代表的なものにドループ制御とアイソクロナス制御があります。 この記事では、ドループ制御とアイソクロナス制御の違いについて解説します。 ドループ制御とは ドループ特性とは速度垂下特性とも呼ばれ「発電機の周波数が低下すると負荷率が増加し、周波数変化を抑制するように働く特性」のことを言います。 同期発電機の周波数が変動した時に、どの程度の負荷変動があるかは発電機特性の速度調定率によって決まります。例えば次の図のように速度調定率が4%の同期発電機が50Hz、負荷率50%で運転している場 ...

タービン

【タービン】蒸気タービンの制御方法まとめ

蒸気タービンの制御は用途によって様々ですが、大きく分けるといくつかのパターンに分類することが出来ます。 この記事では、蒸気タービンの制御方法についてまとめています。 蒸気タービンの制御方法 蒸気タービンの制御方法は大きく分けると次の4パターンに分かれます。 発電電力制御 発電用の蒸気タービンで最も多く利用されているのが発電電力制御です。発電機の出力が設定値になるように、ガバナ(制御弁)を開閉させ、蒸気タービンに供給する蒸気量を調整します。 主に売電を目的とした発電プラントで用いられます。発電機の出力を一定 ...

ポンプ

【ポンプ】軸動力を計算する方法は?

ポンプを選定するときに、どのぐらいの大きさのモーターが必要になるのか計算で求めたいことってありますよね。今回はポンプの流量や差圧から軸動力を求める方法について解説したいと思います。 ポンプの軸動力を計算する方法 ポンプの軸動力は次の手順で求めることが出来ます。 ポンプの流量を求める ポンプの必要差圧を求める 流量と差圧をかける ポンプ効率で割る 実際に例を交えて解説します。 ポンプの流量を求める まず、ポンプの必要流量を求めます。 特に計算式があるわけではなく、使用先でどれだけの流量が必要かをリストにして ...

配管

【配管】SWとBWの違い、使い分けは?

バルブや配管の接続方式について考えるとき、同じ溶接接続方式でもSW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)のどちらが良いのか迷うことってありますよね。 今回は、SW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)の使い分けについて解説したいと思います。 SW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)の使い分け まず、SW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)の違いは次のようになります。 SW(ソケットウェルド):差込み溶接式 BW(バッドウェルド):突合せ溶接式 SW(ソケットウェルド)は差込み溶 ...

工事

【工事】ケミカルアンカーとは何か?目的は?

機器の据え付け方式には様々な種類がありますが、多く利用されているのがケミカルアンカーを使用した方法です。 非常にメジャーな方法ですが、そもそもケミカルアンカーって何?という方もいるかと思います。 そこで今回はケミカルアンカーを使用する目的やメリットについて解説したいと思います。 ケミカルアンカーとは (出展:Yahooショッピング「ケミカルアンカー」) ケミカルアンカーは化学反応によって樹脂を固め、寸切りボルトを固定するものです。 そもそもアンカーボルトは機器を据付ける際にコンクリート基礎に機器を固定させ ...

工事

【工事】タッププレートとは何か?目的、機器の据付に必要な理由は?

機器の据付について記載のある仕様書などに「タッププレート、ボルト、ナットを付属する」などという文言を見たことはないでしょうか? 普段あまり目にすることのない言葉なので、初めて見る人にとっては何に使用するのか分かりにくいかと思います。そこで今回は、機器の据付になぜタッププレートが必要なのかについて解説したいと思います。 タッププレートとは (出典:Yahooショッピング「リテーニングプレート タップタイプ」) タッププレートは一般的にタップ(ねじ穴)加工された金属のプレートの事を言います。工事の現場では主に ...

配管

【配管】相フランジとは何か。組フランジとの違いは?

購買仕様書などの取合点でよく「相フランジ」という言葉を見ます。 汎用的な機器を扱う場合はあまり聞きなれない言葉ですが、認識を間違っていると工事の際に部品が足りないなどのトラブルにつながります。 今回は、相フランジとは何かについて解説したいと思います。 相フランジとは 相フランジとは特殊なフランジ規格の場合、機器と接続するために用意する相手側のフランジのことを言います。 まず、一般的なフランジ接続の場合、機器側と配管側で次のように接続されます。 フランジの間にパッキンを挟み、ボルト、ナット(BNP)で固定し ...

計測機器

【計測】濁度の測定方法は?どの測定原理がいいの?

工場で使う飲料水や、製品の原料溶液、処理する工場排水など、産業分野において水質を正しく測定することは重要です。 指標の1つでもある濁度は、「単位が曖昧で、よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。今回は、濁度の単位と測定原理の違いについて、解説していきたいと思います。 濁度とは 濁度とは字の通り「水の濁り」を表します。しかし、例えば導電率(S/m)のような明確な単位はなく、単に「度」と言われます。これは、濁度が基準の溶液に対してどの程度、試料が濁っているかを示す単位であるからです。 基準となる標 ...

ボイラー

【ボイラー】空気予熱器とは。目的や方式について解説

ボイラー効率を向上させる機器の一つに空気予熱器があります。 今回は空気予熱器とは何かについて解説したいと思います。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらも合わせてご覧ください。 空気予熱器とは 空気予熱器はボイラーに送る燃焼用の空気を加熱する熱交換器のことを言います。 似たような役割をする機器にエコノマイザがありますが、エコノマイザはボイラー給水と排ガスを熱交換させるのに対して、空気予熱器は燃焼用の空気との熱交換を行います。 熱源はエコノマイザと同様に排ガスの事もあれば、プ ...

制御弁

【制御弁】並列に設置する理由は?

大型の生産ラインなどを見ていると、制御弁が並列に数台設置されているのを見たことがないでしょうか? 制御弁は流量を自動で制御してくれるので、大きいものを1台つけておけば問題なさそうですが、あえて並列設置をしているのには理由があります。 今回は制御弁を並列設置する理由について解説します。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 制御弁を並列設置する目的 制御弁を並列に設置するのは次のような理由からです。 制御性を上げる 立ち上げ速度を緩やかにする 制御弁を並列に設置する ...

タービン

【タービン】内部抽気圧力制御と外部抽気圧力制御の違いとは?

抽気タービンには抽気蒸気の圧力を制御する方法として内部抽気圧力制御と外部抽気圧力制御があります。 今回はそれぞれの違いについて解説します。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 内部抽気圧力制御とは 内部抽気圧力制御は蒸気タービンのユニット内に圧力制御弁を組み込み、抽気圧力を一定にする制御方式です。図に表すと次のようになります。 内部抽気圧力制御の場合、抽気圧力を一定にするようにユニット内部の制御弁が動くので、タービン中段から取り出す抽気圧力が一定になります。一方 ...

熱交換器

【熱交換器】オイルヒーターの電気代は高い?実際に計算してみた

巷で話題のオイルヒーターですが、電気代が高いという評判もあるため、実際のところどうなのかを計算してみました。 この記事では、オイルヒーターの電気代を計算する方法やエアコン、灯油ヒーターと比較してどうなるのかを熱計算の観点から解説しています。こちらの動画で会話形式でも解説しています。 オイルヒーターの原理 まず、オイルヒーターで部屋を暖めるのは次のようになります。 電気ヒーターでオイルを温める。 オイルが循環してパネルが温まる。 パネルからの放熱で部屋が温まる。 オイルヒーターという名前ですが、オイルまあく ...

タービン

【タービン】グランドコンデンサって何?設置する目的は?

蒸気タービンを設置する場合には、セットでグランドコンデンサーを設置するのが一般的です。 今回は、グランドコンデンサーをなぜ使用するのか良く分からないという方に向けて、グランドコンデンサーを設置する目的を解説したいと思います。 グランドコンデンサとは グランドコンデンサーとはタービンの軸封部から発生する漏れ蒸気や空気の吸い込みを防止するシール蒸気を凝縮させるための機器です。 発電機にせよポンプにせよ、蒸気でタービンを回し仕事を得る場合は必ず車室を貫通するローターが存在します。このローターは常に回転するため、 ...

配管

【配管】電縫管とシームレス管の違い、使い分けは?

配管の選定をしていると、サイズだけではなく材質や強度、接続方式、保温、塗装など考えないといけないものがたくさんあって迷いますよね。 今回は、その中でも迷いやすい「電縫管とシームレス管の違い」について解説したいと思います。 電縫管(溶接管)とは 電縫管は板状の鋼を円形に成形し、接続部を電気抵抗溶接によって接合したものです。炭素鋼鋼管、ステンレス鋼管。低合金鋼管など様々な材質の配管が製造できます。 8A程度の小径から650A程度の大口径まで幅広く対応でき、連続的に生産できるのでコストも安く抑えることが出来ます ...

タービン

【タービン】背圧タービンとは?メリットや制御方法について解説

燃料のエネルギーを電気と熱として有効に利用する方法の一つに背圧タービンがあります。 今回は蒸気タービンの一つ、背圧タービンについて解説したいと思います。 背圧タービンとは 背圧タービンは蒸気タービンの一種で排気圧力が大気圧以上のタービンです。 排気をプロセス加熱として利用することで、全体の熱効率を大幅に向上させることが出来ます。コージェネレーションシステムやコンバインドサイクルなどで良く利用されているタービンです。 また、大型のプラントでは発電目的以外でも電動ポンプと同じ用途で並列に設置し、停電時のバック ...

冷却塔

【冷却塔】濃縮倍数って何?計算方法は?

冷却塔(クーリングタワー)では循環水を気化させることで温度を下げるため、補給水中の不純物は何もしなければどんどん濃縮していくことになります。 これを防ぐために一定量をブローして補給水と入れ替える必要がありますが、どの程度ブローしないといけないかは濃縮倍数によって決まります。 プラントを設計する場合には冷却塔での濃縮倍数は使用する水量に大きく影響を与えるので注意が必要です。今回は、冷却塔の濃縮倍数について解説したいと思います。 濃縮倍数とは 濃縮倍数とは、冷却塔に補給する水に対し、どれだけ濃縮させることを想 ...

ボイラー

【ボイラー】連続ブローはなぜ必要?缶底ブローとは何が違う?

ボイラーの運転動作の一つに連続ブローというものがあります。普段、ボイラーを扱う方にとっては当たり前のことですが、初めて見た方は何のために連続ブローを行っているのか分からないこともあるかと思います。 今回は、ボイラーの連続ブローとは何か、また缶底ブローとの違いについて解説したいと思います。 連続ブローとは 連続ブローとは、ボイラー缶水で不純物が濃縮するのを防止するために缶水の一部を連続的に外部に排出することを言います。一般的には電磁弁や電動弁などの自動弁を一定周期ごとに開閉させることでブロー量を制御していま ...

タービン

【タービン】抽気タービンの出力計算方法は?

発電所や大型プラントなどで良く利用されているタービンに抽気タービンがあります。 復水タービンの場合は、全ての蒸気が復水器に入るので出力の計算も分かりやすいですが、抽気タービンになるとどうやって出力を決めればいいのかわからないという方もいるかと思います。 そこで、今回は抽気タービンを使用した場合の出力計算方法について解説したいと思います。 抽気タービンとは 抽気タービンは、駆動蒸気の全てを復水器に回さずにタービン後段で一部取り出すように作られたタービンです。 取り出した低圧の蒸気はプロセスの加熱用に利用した ...

ボイラー

【ボイラー】脱気器とは何か?原理や設置上の注意点について

高圧の蒸気を発生させるボイラーを使用する場合、必ずと言っていいほど脱気器がついています。 今回は、脱気器とは何か?について解説したいと思います。 脱気器とは 脱気器はデアレーター(Dearator)とも呼ばれ、給水中に存在する酸素や二酸化炭素などの気体を除去するための装置です。 薬品を添加して脱気を行う機器も脱気器と呼びますが、大型の場合は蒸気で加熱することで脱気を行う場合が多いです。脱気を行わずにボイラーに給水を行うと、水中の溶存酸素によりボイラー本体や配管の腐食が進み、機器の寿命を著しく縮めてしまいま ...

計測機器

【計測機器】光高温計の原理、メリット、放射温度計との違いは?

計測機器の原理について知ることは、生産・運転状況の正しい理解や、トラブル時の対応に生かされると思います。 今回は温度計の一種、光高温計の原理やメリット、デメリットについて解説します。光高温計は放射温度計に分類されますが、高温の被測定物にしか使われない特殊な温度計になります。 光高温計とは 光高温計とは、熱放射を測定することで温度に換算する放射温度計の一種です。 英語ではOptical pyrometerと呼ばれています。赤外線を利用するタイプの放射温度計(体温計としての利用で話題となり、品薄になりましたね ...

計測機器

【計測機器】水晶温度計の原理、メリット・デメリットは?

温度の計測機器について、今回は水晶温度計をとりあげます。 水晶と聞くと宝石の一種というイメージですが一体どのような仕組みで温度を測定するのでしょうか? 水晶温度計の原理やメリット、デメリットについて解説したいと思います。 水晶温度計とは 水晶温度計とは、水晶振動子や水晶発振子と呼ばれる部品を使用した温度計です。クオーツ温度計とも呼ばれます。 測温センサの組み込まれたプローブと、周波数を測定し温度に変換する計測器によって構成されます。 水晶温度計の原理 原理を説明するために、段階を追って解説をしていきます。 ...

配管

【配管】配管接続の区別は?ねじ込み、フランジ、溶接の違い・使い分け

配管設計の際に、接続はどれを選べばいいのか迷うことはないでしょうか? 実は、配管接続をどの方式で行うかによって施工しやすさ、コスト、メンテナンス性に大きく影響が出てきてしまいます。 今回は、それぞれの違いが分からないという方向けに、ねじ込み・フランジ・溶接の用途や使い分けについて解説したいと思います。 ねじ込み接続とは ねじ込み接続は配管末端におねじ、もしくはめねじの切り込みのあるものを使用し、片方を回して接続する方式です。 めねじ側はチーズやエルボという配管継手が使われることが多く、配管を直線方向につな ...

ポンプ

【ポンプ】真空ポンプの原理とは?タイプ別に紹介!

以前の記事で、真空ポンプの種類について解説しましたが、「どうやったら真空が生み出されるのか」という原理的な面での解説が足りていなかったように思います。 今回は、真空ポンプの種類別に、真空状態を作り出す原理を詳しく解説していきたいと思います。 真空のはじまり 真空ポンプ、ではありませんが、真空の作り方として最も初期の活用例をご紹介します。 産業分野で最も初期の蒸気機関として知られる、ニューコメン機関をご存知でしょうか? トーマス・ニューコメンは産業革命の中心的存在であった、ジェームス・ワットよりも前に蒸気機 ...

配管

【配管】伸縮継手とフレキシブルチューブの違い、使い分けは?

配管の設計を行う際、配管膨張について検討するかと思います。 フレキシブルチューブと伸縮継手って似た用途だけどどう使い分けるの?という疑問をお持ちの方も多いと思いますので、今回は伸縮継手とフレキシブルチューブの使い分けについて解説してきたいと思います。 フレキシブルチューブとは フレキシブルチューブとは、その名の通り柔軟性のある配管のことで、各種のステンレスで製作されているものが多いです。 配管部分はベローズ(蛇腹)構造になっており、配管誤差の調整、振動の吸収に用いられる他、製品によっては直角に曲げたりU字 ...

ポンプ

【ポンプ】粘度とポンプの関係、使い分けは?

数多くあるポンプの型式ですが、液体の粘度によって向き不向きがあることはご存知ですか? 今回は、高粘度の液体を輸送するためのポンプについて解説します。 粘度とは 粘度とは、流体のねばりの度合いを数値化したもので、µ(ミュー)が記号として用いられます。 単位はPa・s(パスカル秒)が一般的に用いられます。µは、液体の中で板が動くときに、板の移動方向とは逆方向に働く力である剪断応力(物体の断面に発生する力)を測定したときの比例定数です。 粘度に対し、流体の動きにくさを表したものを動粘度と呼びます。配管の圧力損失 ...

配管

【配管】ねじの規格、Rc(PT)とNPTの違いは?

プロセスやユーティリティ用の配管部材を選ぶ際、ねじの規格を目にしますよね。 職種によってはあまり気にしてこなかった方もいるかと思いますので、今回は改めて、配管に用いられるテーパねじの2種類の規格について解説します。 Rc(PT)とは Rc(PT)とは、管用(くだよう)テーパねじと呼ばれる日本で使用される製品によく用いられているISO規格です。 テーパ(taper)とは、先細りになる・徐々に減るという意味で、足元に向かって細くなるシルエットのテーパードパンツにも使われている言葉です。テーパねじは、ねじ部が先 ...

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