配管などに温度計を設置する際、ほとんどの場合で保護管が必要です。
この記事では、温度計に保護管の設置が必要になる条件についてまとめてみたいと思います。
※ こちらの記事は動画でも解説しています。
保護管(サーモウェル)とは?
保護管とは、温度センサーや温度計、サーミスタなどの感温部を圧力、腐食、流速による損傷から保護するものです。溶接チューブから成るものを保護管、金属棒材を加工したものをサーモウェルと呼びます。
保護管を使用することで、センサーの長寿命化やプロセスを中断することなく交換が出来るので、不純物の混入リスクを低減することができます。
保護管の材質は銅とステンレスが代表的ですが、腐食性のある流体を使用する場合はステンレスを使用します。
保護管を使用すると、感温部に熱が伝わるまでの測定遅れの原因になるため、シビアな制御の場合は保護管内に液体を封入するなどの対策が必要です。
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保護管が必要になる条件
保護管の設置が必要になるのは次のような条件です。
保護管が必要になる条件
- 被測定物が外に漏れだすと危険な場合
- 被測定物が感温部を腐食させる場合
- 感温部に圧力がかかる場合
- 被測定物が流速2m/s以上の場合
- 食品、医薬品などサニタリー分野
並べてみると、ほとんどの使用状況で保護管が必要になるということが分かります。
温度センサーを使用する場合は、基本的には保護管が必要と考えていて良さそうです。
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保護管の選定
保護管の選定には、次のような条件が必要です。
- 材質
- 長さ
- 接続仕様
保護管の長さについては、長すぎると折損の原因となり、短すぎると測定誤差の原因になります。
理想的な長さは感温部の突き出しが50~100mm程度になるところです。
詳しくはこちらの資料を参照してください。
⇒ 【PDF】金属温度計用保護管(サーモウェル)
まとめ
- 保護管は温度センサーの長寿命化、故障リスク低減のために設置する。
- 温度センサーを使用するほとんどの場合に保護管が必要。
- 測定遅れを防止するために液体を封入する場合もある。
圧力センサーの場合は保護管を付けると圧力が検知できなくなりますが、温度センサーは保護管がないと故障リスクが上がります。
勘違いをしないように注意しましょう。