エネルギー管理士の資格を取ろうとしていたり、すでに資格を持っている方にとって、エネルギー管理士の資格が「転職に有利に働くのか!?」というのは気になるテーマかと思います。
せっかく貴重な時間を使って資格を取っても、将来あなたの役に立たなければ意味ないですよね。
そこで、この記事ではエネルギー管理士の転職事情について解説してみたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- エネルギー管理士の資格取得を目指している。
- 既に資格を持っていて転職を考えている。
- エネルギー管理士が転職で有利なのか知りたい。
- どんな業界や職種で使えるのか気になる。
- エネルギー管理士の年収相場が知りたい。
そもそも「エネルギー管理士ってどんな資格?」という方はこちらの記事をご覧ください。
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【エネルギー管理士】どんな資格?分かりやすく徹底解説します。
国家資格の1つであるエネルギー管理士は、省エネ意欲の高まりから今後も需要が伸びていくと考えられます。 ...
目次
エネルギー管理士は転職に有利?
まず「エネルギー管理士は転職に有利かどうか」についてですが、基本的には有利になることの方が多いです。
基本的に資格はないより合ったほうが良いものですが、エネルギー管理士が転職に有利になる理由は次の3つです。
国家資格の一つ
エネルギー管理士は、法律に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する「国家資格」の1つです。
そのため、エネルギー管理士を持っていると「エネルギーに関する知識や技術が一定水準以上に達していること」が国によって認定されます。
難易度は合格率が20%の中程度ですが、もちろんそれなりの勉強は必要なので、自己学習が出来る人材として見なされます。
国家資格を持っていることは転職には確実に有利に働きます。
エネルギー問題という社会性
エネルギーや環境問題は、人が生活するうえで密接に関わってきます。
また、日本はエネルギー自給率が約7%と諸外国に比べ非常に低く、震災も多いことからエネルギー問題は社会的にインパクトが大きく話題に上がることも多いです。
資源がなくエネルギー単価が高いことから、省エネ技術が進んでいるという事もあり、今後も技術の海外輸出が期待されています。
エネルギー管理士は社会的なトレンドもあり、今後も求められる人材として需要が高まっていくと予想されます。
⇒ 経済産業省「2019ー日本が抱えているエネルギー問題」(外部リンク)
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【省エネ法】世界のエネルギーと日本のエネルギー情勢について
日本で省エネを進めていこうという流れは、元をたどれば日本のエネルギー自給率の低さにあります。なので、 ...
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特定の工場では設置が法律で義務付けられている
省エネ法は年々厳しくなり、対象となる業種が広がっています。
エネルギー使用量が原油換算で1500kL以上になる事業者は特定事業者としてエネルギー管理士の設置が義務付けられています。
よってエネルギー管理士を保有していると、それだけで昇給手当てが得られる企業もあります。
そのような企業ではエネルギー管理士を募集要項に入れている場合もあり、転職には非常に有利に働きます。
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【省エネ法】制定された背景、義務、罰則はあるの?
省エネ法は「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の略で、経済産業省が管轄しています。 この法律の ...
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エネルギー管理士が転職で特に使える業種
エネルギー管理士は国家資格で、持っていて損はありませんが、その中でも特に有利に働く業種があります。
それは、大きく分けて次の4業種です。
- 製造業(化学、金属、紙、パルプ、機械、装置、ヘルスケア、医薬、食品など)
- 建設・設備業(ゼネコン、サブコン)
- インフラ(電気、ガス、石油など)
- ビル、商業施設、病院、ホテルなど
エネルギー管理士の資格が転職に有利に働く業種に関連していることは「エネルギーを多量に使う」か「エネルギーを多量に使う設備を作る」かという事です。
多くのエネルギーを使う事業では、エネルギーの使い方によってコストが大きく変わり、環境にも悪影響を及ぼすことからエネルギー管理士が求められています。
転職サイトなどで「エネルギー管理士」をキーワードに入れて検索すると、これらの業種がヒットすることが多いです。
実際に私の働いている業種はこの中に入りますが、転職希望者の採用面接の際に「エネルギー管理士」を持っている人はかなり優遇されています。
採用担当の人に話を聞いたことがありますが、実務内容が違っていたとしても「エネルギー管理士」を取得できる程の基礎的な学力と努力できる素養が評価の対象となるようです。
「資格自体はあまり意味がない」なんて言われることもありますが、採用する側にとっては少ない情報の中から評価しないといけないので資格は大きな要素となります。
エネルギー管理士が転職で有利に働く職種
4つの業種の中で「エネルギー管理士」が求められる職種は主に保全・設備管理、設計、営業の3つです。
これらの職種以外にも同業界であれば転職に有利に働きますが、特に「エネルギー管理士」を採用基準に含めていたりする職種はこの3つになります。
保全・設備管理
工場やプラント、ビルを安定操業するためには、熱や電気に関する知識は必須です。
設備自体は工場によって変わりますが、熱や電気を使用する以上、原理原則は同じです。
エネルギー管理士試験では熱や電気に関する基礎知識はすべてカバー出来るので、保全・設備管理の職種では「エネルギー管理士」の資格はかなり有利に働きます。
設計
プラントや工場設備の設計を行う場合もエネルギーに関する知識は必須です。
設備をトラブルなく立ち上げるためには、設計段階の図面の上で熱や電気などのユーティリティの流れに問題がないことが絶対条件になります。
そのため、建築やプラントエンジニアリングの企業では「エネルギー管理士」を持っていると設計関連の職種でかなり役に立ちます。
営業
一般的には「エネルギー管理士」はエンジニアが取得する資格とされていますが、営業職でも「エネルギー管理士」を持っていると転職の際にかなり有効に働きます。
特に客先が先ほど上げた4つの業種に当てはまる場合は、基礎的な知識を持っているか持っていないかで会話の質が全く変わります。
自分がお客になった場合も、上辺だけを話す営業マンよりも専門的な知識を持っている営業マンのほうが信頼できますよね?
意外と盲点ですが、技術的な話もお金の話も出来る営業というのは業界でかなり重宝されます。私の業界でもまれに両方の知識を持っている方がいますが、営業の中でも特に優秀とされている一流の人ばかりです。
営業職で「エネルギー管理士」を持っていると転職の際にかなり有利に働きます。
エネルギー管理士の年収相場
転職サイトで検索すると「エネルギー管理士」として転職した場合、提示されている金額は500~700万円程度が一般的です。
もちろん前職の年収や企業によって変わりますが、一般的な平均年収に比べ少し高い程度の金額だと言えます。ただ、サラリーマンの場合は職種というよりも管理職になるかどうかが給料を左右します。
エネルギー管理士のような資格を持っていれば、とりあえずある程度の給与をいただける企業には就職できるようです。
熱分野と電気分野はどっちが転職に有利?
エネルギー管理士には熱と電気の2つの分野があります。転職する際にどちらが有利かというのは特にありません。
試験の難易度としては電気のほうがやや難しいと言われていますが、普段従事している仕事の内容や学生時代の専攻によって感じ方が変わるので人それぞれかと思います。
良く比較される資格としてはボイラー技士や電験2種、3種などがあります。
ある程度の規模の工場やプラントでは、電気担当と熱担当が分かれている場合が多く、どちらの経験があるかで配属される部署が変わるというイメージです。
エネルギー管理士の転職体験談
とはいえ、実際のところはどうなのでしょうか?
気になる人も多いと思うので、実際に転職経験のある方にアンケート調査を実施してみました。
- エネルギー管理士の資格は転職の役に立ちましたか?
- 転職してよかったと思いますか?
結果としては、やはりエネルギー管理士は転職をする際に有利になることが多く、年収が上がったという人がほとんどです。
余談ですが、アンケートに回答していただけたのは全て男性の方でした。業界としてはまだまだ男性が多いという事ですね。

資格を所持していることは昇進や昇格において有利になります。私の場合は実際に年収もアップしたので転職をして本当に良かったなと思いました。
(20代男性、転職エージェント、年収:転職前480万円 転職後520万円)

やはり学んだ専門知識を生かせるというのは非常に大きなやりがいを感じます。また転職後から責任ある立場を任せられました。収入的にも資格を保有している事により手当をもらえますし、昇進のスピードも早いと感じます。
(50代男性、転職サイト、年収:転職前400万円 転職後470万円 配管資材卸売業)

転職したおかげで前職よりも良い条件で働けたのでその点は良かったです。前よりも酷い条件で働いても意味がないですし、資格を活かして働けるというのでやる気が出て良かったです。
(20代男性、マイナビ転職リサーチ、年収:転職前240万円 転職後320万円)

お給料自体は、ボーナスの分だけ総額でみると減ることになりましたが、大学で学んできたことを転職前の会社より、転職後の会社の方が活かせており、モチベーションを保ちながら励めている点では転職は正解だったかなと思っています。
(20代男性、マイナビ転職、リクナビネクスト 年収:転職前380万円 転職後360万円 建設業)

転職したお蔭でお給料も上がりましたし、また知っている人からのすすめでしたので、働いていてもとても環境が良く幸せです。家族からも良かったねと言われています。これからもしっかり勉強したいと思っています。
(40代男性、職場からの紹介、年収:転職前400万円 転職後480万円 生産管理)

年収そのものは以前の事務職と比べてそこまでアップしていませんが、せっかく身に着けた専門的な知識が役に立っているので仕事にやりがいを感じるようになっています。現在働いている工場ではエネルギー管理士の資格そのものの重要性が高いので会社の方でも重要なポストも任されるようになりました。
(20代男性、転職サイト、年収:転職前320万円 転職後340万円 工場勤務)
転職して後悔しているという方はいませんでした。年収も上がっている人が多くポジティブな転職が多い印象です。
エネルギー管理士におすすめの転職サービス
これまでのことを考慮すると、もしあなたがエネルギー管理士を取ろうかどうか迷っている場合は、転職時にも有利になるので勉強しておいて損はなさそうです。
エネルギー管理士試験の勉強方法については、こちらの記事にまとめているので参考にしていただければと思います。
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すでにエネルギー管理士を持っていて転職を考えている場合、よほどのコネクションがない限りは転職サービスを利用することになります。
転職サービスには大きく分けて転職サイトと転職エージェントがあり、それぞれの特徴が違います。
数多くの掲載企業の中から自分で選び、応募することが出来ます。たくさんの企業を受けることが出来ますが、面接と口コミサイトでの情報しか取れず、報酬などの交渉も自分次第になります。
あなたに担当者が付き、実際の要望に合った企業を探し出してくれます。事前に希望を伝える面接を行うので、転職後にイメージと違ったということが少なくなります。
報酬などの交渉エージェントは斡旋料として企業から報酬を受け取るのであなたがお金を払うことはありません。エージェントには年収の数十%が支払われるので給与の交渉も頑張ってくれます。
どちらがいいかは人にもよりますが、エネルギー管理士のように専門的な資格を持っている場合はミスマッチをなくすように転職エージェントサービスを利用するのがおすすめです。
転職エージェントは人を企業に紹介しても、すぐに辞められてしまうと報酬を受け取れないため、転職者と企業のミスマッチが起きないようにしっかりと希望条件などをヒアリングしてくれます。
また、企業から仲介料をもらうビジネスなので転職者は無料でサービスを受けることができます。
企業にとっては採用コストを減らせる、転職者にとってはミスマッチがなくなるというWinWinの関係で成り立っている業界なので転職者にとっては利用しない理由はないです。
ここからはエネルギー管理士におすすめの転職エージェントを紹介していきます。
最大手のリクルートエージェント
リクルートエージェント
- 土日祝日、平日20時以降も転職相談可
- 非公開求人数:約20万件
- 登録者数:64万人
業界最大手のリクルートが運営するサービスです。求人数、登録者数ともに圧倒的に多いので希望に沿った企業が見つかる可能性が高いです。
リクルートエージェントを利用するなら、転職サイトのリクナビNEXTとも連携できるので両方登録しておいたほうが良いです。
土日祝日や20時以降も利用可能なので、在職中で転職活動に時間が取れない方には特におすすめです。
若手に強みのマイナビエージェント
マイナビエージェント
- 20代、30代の転職に強み
- 非公開求人:約8割
- 登録者数:6万人
リクルートエージェントと同様に大手のマイナビが運営するサービスです。
エージェントを利用すると、担当者の得意な分野や相性が関係してくるので複数のサービスを利用して比べるのが一般的なやり方です。
マイナビエージェントを利用する場合は、提携しているマイナビジョブ20'sも登録しておくのがおすすめです。
ハイクラス転職ならビズリーチ
ビズリーチ
- 1/3が年収1000万円以上の求人
- 登録者数:100万人
- ヘッドハンター数:2000人以上
- 年収600万円以上に支持
ビズリーチは管理職などの高年収の求人を専門に扱うエージェントです。
既に管理職についており、高年収を狙うなら特におすすめです。また、キャリアアップを狙う場合もおすすめです。
年収500万円以上がターゲットなので、すでに500万円以上の収入があるという方は登録しておいて損はないです。
中国・四国エリアへの転職なら
中国・四国エリア
- 地域特化型の転職エージェント
- 中国・四国エリアに強い
- UIターン専門
もしあなたが、中国・四国エリアでの転職を考えている場合は地域特化型のエージェントがおすすめです。
地域特化型のエージェントなら「地元に帰りたかったから転職したのに、勤務地が全然違っていた」なんてことがありません。
是非、あなたの希望に合った転職を実現してください。
まとめ
- エネルギー管理士は今後も需要が伸び続ける国家資格
- エネルギー管理士は製造業、建設・設備業、インフラ、ビル関係などの転職で有利。
- 職種は保全・設備管理、設計、営業などで特に優遇される。
- 転職サイトで提示される年収は500~700万円程度が多い。
- 専門職なので転職エージェントを利用するのがおすすめ。
エネルギー管理士は特定の業種に対して転職に有利とされます。
転職の際に実際に役に立ったという人も多く、取得しておいて損はない資格と言えます。
エネルギー管理士を既に持っているという方で転職を考えている場合は是非エージェントを使い倒して後悔のないようにしてください!
~最後に~
転職サービスを調べているとインテリジェンス社が提供するミイダスという面白いサービスを見つけました。簡単な質問に答えるだけであなたに来る転職オファーの平均年収が分かるというものです。
今の年収よりかなり多めに出ているので「本当に!?」という感じですが、面白いので是非一度やってみてください(笑)
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