空動弁を電気信号で開閉させるためには、圧縮エアと電磁弁が必要です。
空動弁を選定する際には電磁弁を付けるかどうかがオプションになっている場合がありますが、そもそもなぜ空動弁を動かすのに電磁弁が必要なのでしょうか?
今回は、空動弁の作動に電磁弁が必要な理由について解説してみたいと思います。
空動弁とは
空動弁はエア式自動弁とも呼ばれ、圧縮空気の圧力で弁を開閉するバルブです。
自動弁の中では電気の力でモーターを用いて開閉を行う電動弁が一般的ですが、防爆エリアなど電気を嫌う場所では空動弁が用いられます。
空動弁には圧縮空気が入ると閉弁するノーマルオープン、圧縮空気が入ると開弁するノーマルクローズがあり、比例制御弁の正動作、逆動作と同様に駆動源がなくなったときにどちらの状態にしておきたいかで選定します。
空動弁は、圧縮空気の圧力で開閉を行うため、応答性が非常に早く、作動速度を遅くしたい場合はスピードコントローラーが用いられます。
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空動弁に電磁弁が必要な理由
空動弁に電磁弁が必要な理由は、空気を送るかどうかを電磁弁によって操作するからです。
電磁弁の一次側に圧縮空気を送り、電圧をかけて電磁弁が開弁すると空気が供給され、導通がきれると電磁弁が閉弁して、エア抜きがされるという具合です。
つまり、電気信号を利用して空動弁を動かす場合は、空気を送るかどうかを判断させる別の自動弁が必要になるという事です。防爆エリアで利用する場合は防爆用の電磁弁が利用されます。
空気動弁を選定する際に、オプションで電磁弁付きを選ぶと圧縮空気と電気配線を接続するだけでバルブの開閉が出来るようになります。
電磁弁付きを選ばない場合は、別の場所に電磁弁を設置し、空気の入り切りを行う必要があります。
防爆のレベルなどによっては電磁弁は機械室などの比防爆エリアに設置し、エア配管のみを防爆エリアに持っていく場合もあります。
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空動弁を選ぶ理由
結局、電気で開閉させるなら空動弁を選ぶ理由がないように思うかもしれませんが、大型のバルブを動かすのに電動を利用すると、機器も大型になり防爆になるとさらに高価になります。
そもそも防爆タイプがないメーカーも多いです。
空動弁の場合は、小型の電磁弁さえ防爆を選べばいいため、そこまで価格が上がりません。このような理由から大型で防爆で利用するバルブは空動弁が選ばれることが多いです。
まとめ
- 空動弁は電磁弁で空気の供給を入切することで開閉させる
- 電磁弁付きにするかどうかは設計思想によるが、電磁弁自体は必ず必要
- 大型かつ防爆エリアで利用する場合は空動弁が選ばれる
空気を利用した自動弁には、比例制御弁もありますが、比例制御弁の場合は電磁弁ではなくポジショナーが用いられます。
ポジショナーも一般的には防爆タイプが用意されているので防爆エリアでも使用可能です。