生産ラインの自動化には欠かすことの出来ない制御弁。今も多くの工場で、温度や圧力を一定にするために動いています。
工場の自動化が進む昨今では、手動でバルブを切り替えていたものに制御弁を導入して自動化するという事も多いのではないでしょうか?
今回は、制御弁がどのようにして動くのか。制御弁の仕組みについて解説してみたいと思います。
制御弁とは?
制御弁は空気や電気の力でバルブの弁開度を調整することが出来る自動弁です。電動バルブを利用したオンオフ制御とは違い、微妙な開度調整を行うことができます。
温度センサー、圧力センサー、流量計と組み合わせて、それらを設定値通りに制御することができます。ほとんどの場合は、調整するスピードをP、I、Dの3つのパラメータで調整するPID制御が行われます。
空動式、電動式のそれぞれが動く仕組みについてみてみましょう。
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空動式の制御弁が動く仕組み
空動式はコンプレッサーで作り出した圧縮空気の力を借りて動かします。空気が入ると開き始めるものを逆動作、閉まるものを正動作と呼びます。
空動式の制御弁の頭には、ダイアフラムと呼ばれる金属の薄い板が入っており、ダイアフラムが圧縮空気によって湾曲する事で弁の位置を調整します。
供給する圧縮空気の量は、調節計から送られてくる電流信号によって調整します。この時、電流によって空気量を調整する機器をポジショナーといいます。
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電動式の制御弁が動く仕組み
電動式の場合は、電気の力を利用してモーターを回転させることで弁の位置を調整します。この時、どの程度まで開けるかというのは空動式と同様に調節計からの電流値によって決まります。
電気の力を回転トルクに変えて弁を動かす箇所をアクチュエータと言います。空動式が圧縮空気の力で上下に動くのに対し、電動式は回転して上下に動かすため、電動式の方が動きが緩慢になるという特徴があります。
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まとめ
- 空動式は圧縮空気の力でうごく
- 電動式は電気とモーターでうごく
- どちらも調節計からの電流信号で位置を決める
全てがこのような動きになるわけではありませんが、代表的な2種類の制御弁が動く仕組みについて解説しました。
皆さんも機会があれば、どんな原理で動いているのかじっくり見てみてはいかがでしょうか?