DCSや制御盤の設計を行う際に、別の機器との信号やり取りを表す言葉としてDI/DO、AI/AO、PI/POというものがあります。
本記事ではDI/DO、AI/AO、PI/POとは何かについて解説します。
DI/DO、AI/AO、PI/POの違い
DI/DO、AI/AO、PI/POは他の機器とやり取りする信号の種類と方向を表す言葉です。DI信号であればDが信号の種類、Iが入出力の方向を表しています。
それぞれの信号のIとOはInputとOutputの略ですが、上の図のようにどちらから見るのかによってIとOの表記が変わるので、間違えないように注意しましょう。
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DI/DO
DIはDigital Input、DOはDigital Outputの略でON/OFF信号のやり取りを表しています。
主に機器などの操作信号、状態信号、故障信号などのやり取りに利用されます。電源としては一般的に計装用のDC24VやDC100Vなどが利用され、どちらに電圧を持たせるかは設計思想により変わります。
DI/DOの例
- センサー信号の受信(近接センサー、フォトセンサー、リミットスイッチ)
- 押しボタンスイッチの状態検出(ON/OFF)
- ドアやカバーの開閉検知(安全インターロック)
- 設備の稼働・停止状態の取り込み
- 電磁弁の開閉制御
- 機器のスタート/ストップ信号
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AI/AO
AIはAnalog Input、AOはAnalog Outputの略で4-20mA電流などアナログ信号のやり取りを表しています。
主に温度、圧力、流量などセンサーの測定値や制御弁などのアクチュエーターの操作信号に利用されます。アナログ信号では瞬時的な値を知ることが出来ますが、測定値を積算するには不向きです。
AI/AOの例
- 温度センサーの信号受信
- 圧力トランスミッターの出力取り込み
- 流量計のアナログ出力監視(4–20mAなど)
- 液位センサーの測定信号入力
- pH計・導電率計のアナログ出力読み取り
- モーターの電流・電圧モニタリング
- インバータへの速度指令出力
- 比例制御バルブへの開度指令
- アナログ計器への指示出力
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PI/PO
PIはPulse Input、POはPulse Outputの略でパルス信号のやり取りを表しています。
主に積算流量、積算電力量などを監視する際に使用されます。パルス信号で流量を管理する場合は1パルスにどの程度の重みをもたせるかを送信側と受信側で設定し、受信側はパルス信号が送られてきた際にその値を足していくことで積算流量を算出します。
PI/POの例
- 流量計からのパルス出力受信(パルス数=流量)
- エンコーダのパルス入力(位置・回転数検出)
- 電力量計(積算電力量パルス)の監視
- 搬送ラインの製品カウント(フォトセンサ連動)
- ステッピングモーターへの回転指令パルス出力
- 外部カウンタやPLCへのパルス信号通知
まとめ
- DI/DO、AI/AO、PI/POは他の機器とやり取りする信号の種類と方向を表す言葉。
- DI/DOはON/OFF信号のやり取りを表す。
- AI/AOは4-20mA電流などアナログ信号のやり取りを表す。
- PI/POはパルス信号のやり取りを表す。
他の機器とやり取りを行う場合はこれらの信号リストが必須になります。
リストを作成する際は入出力信号がどの種類でどの方向に出るのかをよく考え、間違えないように注意しましょう。