ボイラーについて調べていると、「電気ボイラー」なるものが出てきます。
「これ燃料使わないの?」とびっくりされるかもしれませんね。今回は国内でもいくつか取り扱いのある、電気ボイラーについて解説したいと思います。
こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。
電気ボイラーとは
電気ボイラーとは、燃料を使わず電気による加熱を行います。構造は、調べた限りは、貫流ボイラーがほとんどのようです。一般に、
- 小型貫流ボイラーよりも小型
- 0.2~0.5MPaG程度の低圧
- 150kg/h以下の低蒸発量
ということが多いようです。研究室用に純水を利用した、クリーン蒸気製造用途としても活用されています。一方、大型タイプのもので最大蒸気圧力2MPaG、蒸発量50t/hというものもありました。
いずれにしても比較的新しい製品が多いようです。
電気ボイラーのメリット
電気ボイラーのメリットについてまとめてみました。
コンパクト
バーナー加熱のスペースがないため、コンパクトになり、省スペースです。容量にもよりますが、洗濯機サイズ、卓上にもおけるサイズの電気ボイラーもあります。
低燃費
燃料ボイラーと異なり、燃焼後に出てくるガスを排気する必要がないため、排気熱のロスがありません。
低騒音
燃料の燃焼がない分、音が小さく、夜間の運転でも周辺環境に音が漏れにくいです。
工事費削減
燃料を用いないため、重油やガス用の配管工事が不要です。燃料配管は工場内にどこでも設置できるわけではないので、工場の端の方などで蒸気を使いたい場合には効果的です。また排煙ダクトや煙突の工事をする必要もありません。
電気ボイラーのデメリット
電気ボイラーのデメリットについてまとめてみました。この辺りは、燃料ボイラーとの使い分けポイントでもあるかと思います。
容量が小さい
蒸発量の大きなモデルがほぼないです。燃料ボイラーと比べて蒸気発生までの加熱時間がかかる、大きな電気容量が必要、などが要因だと思われます。
電気代が高い
一般に、電気は燃料から発電していますので、燃料そのものの方が安いです。事業所では夜間だと電気代が安くなること(電気事業者との契約によります)がありますが、日中に動いていることが多いでしょうから、電気代が高価になります。
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まとめ
- 電気ボイラーは電熱を利用した小型貫流ボイラー(であることが多い)。
- 小型でクリーンだが、蒸気代は高くなる。
導入検討には、イニシャルコストの検討も必要です。コストダウンにつながるかどうか、本体代だけでなく、建屋の工事なども丁寧に計算する必要があるかと思います。
ボイラーメーカーへの問い合わせもできますし、電気事業者が省エネアイデアとして提案しているケースもありますので、相談されてみるのがよいかと思います。
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