ポンプをワンパスで使用する場合には、締め切り運転にならないようにミニマムフロー配管を設けてやる場合があります。
ミニマムフロー配管は配管図面だけを見ていると、ついつい忘れがちですがミニマムフロー配管がないと、一時的にポンプが締め切り運転になりポンプの寿命を縮めてしまいます。
今回は、ポンプのミニマムフローの必要性について解説してみたいと思います。
1. ミニマムフローとは?
ミニマムフローとは、ポンプの過熱、騒音、振動などを生じることなく連続運転できる最小の吐出し量のことです。
また、ミニマムフローを維持するために、流体を二次側から一次側に戻す配管を引くことを「ミニマムフロー配管」を設けるといいます。
ミニマムフローを設けることで、ポンプの空回り、発停、過熱などを防止出来、ポンプの寿命を延ばすことができます。
特に、LNGなどの比熱の小さい(熱容量の小さい)液体に使用するときは、短時間で内部の温度が上昇するため特に注意が必要です。
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2. ミニマムフローがないとどうなる?
ミニマムフローがある場合とない場合の配管を見比べてみます。
ミニマムフローがある場合、ポンプ吐出側での使用量が仮に0になったとしても一部がポンプの一次側に流れ込むのでポンプの最低吐出量は保たれます。
ミニマムフロー配管に流れる量は、流量調整バルブで調整します。
ミニマムフローがなく、ワンパスでポンプを使用する場合、使用先でバルブが閉まると一時的に締め切り運転になります。
締め切り運転になると、運動エネルギーが熱エネルギーに変わり、ポンプ内部の温度が上昇していきます。これが、ポンプの過加熱やキャビテーションに繋がり、ポンプの突発故障につながるリスクが上がります。
送風機でも、風量が少なすぎるとサージングによる振動が発生するので、ミニマムフローが必要になります。
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3. ミニマムフローの配管サイズは?
ミニマムフローの配管サイズは最低吐出量の流速に合わせて設計します。
まずは、選んだポンプのミニマムフローがいくらかを確認し、その量に最適な配管サイズを選定します。
一般的にはメイン配管よりも数サイズ小さい配管が設けられることが多いです。
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【配管】配管流速の計算方法
4. まとめ
- ミニマムフローはポンプの最低吐出量を確保するために設ける。
- ポンプ二次側と一次側を繋いで流量調整バルブを設ける。
- ミニマムフローがないとポンプの突発故障のリスクが上がる。
ミニマムフローは、細い配管が多いですが忘れると高価なポンプを故障させる危険性があります。
是非ミニマムフローの意味を理解して忘れないようにしましょう。
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