水、油、蒸気、ガスなど装置内、配管内の圧力を制御したい時に使用するのが圧力センサーです。
今回は圧力センサーの測定原理について書いてみたいと思います。
センサーを使用する場合は、アナログで測定したものを最終的には電気信号に変換して調節計で制御する必要があります。圧力センサーも圧力というアナログな値を、電気信号に変換するという機構になっています。
こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。
1. 圧力センサーの原理とは
圧力センサーは大きく分けると、電子式と機械式があります。一般的に圧力センサーと聞いてイメージするのは電子式だと思いますが、ここではどちらも紹介したいと思います。
1-1. 電子式圧力センサー
圧力センサーの圧力⇒電気信号への経緯は以下のようになります。
- ダイアフラム(※1)が圧力を受けて歪む
- 感圧素子(※2)の電気抵抗が歪みに応じて変化
- 電圧をかけると電気抵抗値によって流れる電流が変化
- 電流(4~20mA)の信号を調節計に送信
この4つの流れによって、圧力というアナログな値を電流信号に変換します。
※1ダイアフラム
ゴム、合成樹脂、金属などの隔膜及び音、振動における振動板です。ここでは金属の薄い膜のようなものをイメージしていただければと思います。
※2感圧素子
圧電素子やピエゾ素子ともいわれ、力が加わると電圧が変化する、または電圧を力に変換する素子のことを言います。セラミックや水晶を使用しており、身近なところではスピーカーやマイクなどに使用されています。
圧力を電流信号に変換できれば、後は調節計が測定値と設定値の偏差を計算し、制御機器(制御弁)に命令信号を送ります。
圧力センサーには、絶対圧基準、ゲージ圧基準、任意の圧力基準(差圧)のものがあります。使用方法によって使い分けが必要です。
1-2. 機械式圧力センサー
こちらは機械式圧力スイッチとも呼ばれます。
ブルドン管(※3)やベローズ(※4)などといった、金属を利用し圧力を変位に変換します。その変位で機械式のスイッチをオンオフさせ、接点信号を送ります。
電子式のように電気を供給する必要はありません。
機械式であれば、電子式ほど高精度な制御はできませんが、安価なため、それほど高精度な制御が必要ない場合に使用します。
※3 ブルドン管
円弧上、渦巻き状になった弾力性のある金属の管です。中の圧が増すと、真っ直ぐに伸びようとすることから、その変位によって圧力を測定することができます。
※4 ベローズ
金属が蛇腹状になっており伸縮することが可能な管のことです。
3. まとめ
圧力を測定するセンサーには大きく電子式と機械式があります。
高精度な制御に用いたい場合は、電子式を使用して圧力⇒電流に変換させて測定します。
高精度な制御は必要なく、オンオフ信号のみが欲しい場合は機械式の圧力スイッチを用います。