工場の保全の仕事をしていると、ある場所に圧力センサーを設置して1ヵ月のトレンドグラフを作りたい何てことがありますよね。
原因不明のトラブルでもデータを取得してトレンドグラフにすれば、原因を解明できることが多いです。
そこで、今回は次のような条件で圧力センサーの信号をデータロガーに取り込む方法について記載したいと思います。
- 圧力センサーのレンジは0~1000kPaG
- 必要な電源はDC24V
- 出力信号は4-20mA
- 入力信号は1-5V
- 近くにAC100V電源がある
少し限定された条件ですが、同様の場合は多いのではないでしょうか?
1. 圧力センサーの4-20mA信号を1-5Vで入力する方法
このような条件で圧力センサーから取得するためには次のような条件を満たすことが必要です。
- データロガーに電源をつなぐ
- AC100V電源をDC24Vに変換する
- 出力信号をシャント抵抗で1-5Vに変換する
この時、回路は次のようになります。
AC100V電源は延長ケーブルで制御盤やコンセントから引っ張ってきます。
AC100VからDC24Vに変換するためには変圧器パワーサプライが必要になります。
【制御盤】パワーサプライとは?原理や方式、使用例は?
圧力センサーは圧力によって抵抗が変化する素子なので、電流を出力できるように電源を接続してやります。
抵抗値が変化することで4-20mAが出力される仕組みはオームの法則を考えると分かります。
オームの法則
$$V=RI$$
V:電圧、R:抵抗、I:電流
【圧力センサー】圧力センサーの測定原理とは?
圧力センサーからは測定できるレンジによって4-20mAの電流が出力されます。
今回の場合は0-1000kPaGなので4mA:0kPaG、20mA:1000kPaGになります。
データロガーでは、レンジを設定して圧力表示をしてくれる高精度なものもあれば、1-5V電圧に変換させないといけない簡易なものもあります。
1-5Vに変換させる場合は250Ωのシャント抵抗を入れてやれば4mAを1V、20mAを5Vに変換することができます。
接続が終われば、データロガーの操作方法に従って測定スパンを設定して、記録をスタートさせればデータ入力が開始されます。
今回の場合では1-5Vの電圧入力なので1Vが0kPaG、5Vが1000kPaGになります。
【制御盤】制御機器に4-20mAを使うのはなぜ?1-5Vとの違いは?
2. まとめ
4-20mA信号を出力する圧力センサーの信号を取るためには
- 電源
- 変圧器
- 250Ωシャント抵抗
などが必要になります。
現場でデータログを行う場合に参考にして頂ければ幸いです。
データロガーなら少し高価ですが記録点数の多いグラフテックのGLシリーズがおすすめです。