自動制御の一連の流れを理解するにはシーケンス図を読み解く必要があります。
今回は、その中でも比較的よく使われるリレーシーケンスの流れをアニメーションで解説したいと思います。シーケンス図の見方は何となくわかったけど、感覚的につかみづらいという方は、アニメーションを見ることで理解が一気に進むと思います。
シーケンス図の記号の読み方やシーケンス図とは何かという点については他のサイトで詳しく解説されているのでそちらを参照してください。
a接点、b接点
まずは最もシンプルなa接点、b接点についてです。a接点は電磁リレーに電気が通るとON、b接点は電気が通るとOFFです。
- BS(ボタンスイッチ)がONするとR-a(a接点)がONしてL-2が点灯。
- BS(ボタンスイッチ)がOFFするとR-m(b接点)がONしてL-1が点灯。
リレーシーケンスの動きは、基本的にこの動作を組み合わせることで、連続的な決められた制御を行います。
AND回路
続いてはAND回路です。こちらもよく見る回路で両方の信号がONになると初めて導通するという回路です。回路図で考えるとわかりにくいですが、動きをみるとシンプルです。
- BS1がONするとX1がON
- BS2がONするとX2がON
- BS1とBS2がONするとX1 X2 X3がONしてLが点灯
両方がONにならないと目的の動作を達成させることが出来ません。インターロックなどで良く利用される回路です。
【制御盤】インターロック回路とは。作り方や事例について解説します
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OR回路
次にOR回路です。こちらも警報信号を出す際などによく使われる回路です。
- BS1がONするとX1がON、X3がONしてLが点灯。
- BS2がONするとX2がON、X3がONしてLが点灯。
どちらの信号でも目的の動きを達成させることが出来ます。
NOT回路
NOT回路です。こちらもインターロックなどによく使用されます。
- BSがOFFだとX1がOFF、X2がONによりLが点灯。
- BSがONするとX1がON、X2がOFFしてLが消灯。
動きとしてはシンプルですが、異常な動作が入ったときに機械の運転を止めるなどの思想の際に使用します。
NAND回路
AND回路とNOT回路を組み合わせたNAND回路です。
- BS1がONするとX1がON、X3はONしているのでLは点灯。
- BS2がONするとX2がON、X3はONしてるのでLは点灯。
- BS1とBS2がONするとX1 X2がONしてX3がOFFになるのでLが消灯。
両方の動作が入ったときは、機械を停止させます。
NOR回路
最後にNOT回路とOR回路を組み合わせたNOR回路です。
- BS1がONするとX1がON、X3がOFFしてLが消灯。
- BS2がONするとX2がON、X3がOFFしてLが消灯。
- BS1とBS2がOFFとき、X3がONしてLが点灯。
どれか一つでも異常が発生したら機械を停止させるなどの動きをさせる際に使用します。
まとめ
いかがだったでしょうか?
図と文字で理解するのは難しいですが、アニメーションで見るととても単純な動きに見えます。回路ごとに色々な名前がついていたりしますが、基本的には上記のような単純動作の組み合わせになります。
是非、シーケンス制御の理解を深める際の参考にしてもらえればと思います。上で作成したアニメーションは自由に使用していただいて構いません(できればリンクを張っていただけると嬉しいです)。
シーケンス制御についてはこちらの書籍を参考に作成していますので、興味のある方はどうぞ。