プラントで良く利用される制御の1つにスプリット制御というものがあります。
今回はスプリット制御について解説していきたいと思います。
1. スプリット制御とは?
スプリット制御とは1つの制御信号で2つ以上の異なる要素を制御することを言います。具体的には、調節計1つで2つ以上のコントロールバルブ(制御弁)の動きを制御する方法になります。スプリット制御を行うための調節器のことをスプリット演算器などと呼びます。
スプリット制御の内容を表すために、下のような図が用いられます。
例えばこのような図の場合は、1つ目のコントロールバルブの開度が100%になると2つ目のコントロールバルブが開弁し始めるという意味になります。
2. スプリット制御はどんな時に使う?
では、スプリット制御はどのようなときに利用するのでしょうか?
次の図のように、2本の蒸気のラインが合流しており、それぞれ2つのコントロールバルブが2次側の圧力を調整していたとします。
この時、どちらかのラインを優先的に利用して、足りなくなった時のみ補助のラインを利用するようにしたい場合はスプリット制御が有効です。スプリット制御を利用することで、1つの調節計で2つのコントロールバルブを制御して圧力を一定に保つことが可能です。
この時の制御特性を平行特性といいます。
また、温水プールの温度を一定に保つために温水と冷水を混合する等といった制御にも有効です。この場合はプールが冷めると温水が供給され、外気温などで温度が上昇すると冷水が供給されるという制御になります。
この場合、制御特性は次の図のようになり、この特性をV字特性といいます。
3. スプリット制御の信号のやり取り
スプリット制御で調節計とコントロールバルブが電流信号でやり取りする場合、次のような信号のやり取りがあります。
- 入力信号:4~20mA
- 出力信号:4~20mA(2つのコントロールバルブ)
入力信号を横軸、出力信号を縦軸にとったものがこれまで出てきていた図になります。
4. まとめ
- スプリット制御は1つの信号で2つのコントロールバルブを動かす
- 平行特性とV字特性がある
- 横軸:入力信号、縦軸:出力信号の図で表す
スプリット制御に関して理解してただけたでしょうか?自動制御には様々な種類があり、その使い方によって区別する必要があります。
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