普段テスターを使わない人向けの記事、第二弾です。
以前の記事では、電圧と抵抗の測定方法を紹介しましたが、今回はテスターを使用した電流測定とその注意点について解説します。
電流測定の仕組み
テスターは電圧や抵抗を変換して直流電圧測定部で測定すると、以前のテスターの説明で説明しました。
直流電流測定の場合は、テスター内部の標準抵抗器を介して変換した電圧値を計測しています。交流電流を測定できる機種の場合は、電圧変換後に、交流/直流変換が行われて、変換後の電圧が計測されます。
【電気】初心者向け!テスターの電圧・抵抗測定の仕組み、測定方法について解説!
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電流測定方法
直流回路の電流を測定する場合には、電流計を直列に繋ぎます。
電圧測定は並列接続ですので、つなぎ方に注意してください。テスターの赤色が電池の+側、黒色を-側に接続します。
記事用に使った豆電球は2.5V、0.5Aでした。電池+→豆電球→テスター赤→テスター黒→電池−の順番で直列に接続しています。
筆者の個人用アナログテスターは、250mAまでしか測定できない(豆電球は結構大きな電流が流れます)ので、振り切れてしまい、かつわずかな光しか出ていません。
なお、数A以上の電流測定や、交流電流の測定にはクランプメーターがよく用いられます。こちらは通電した導線に発生する磁界を測定する仕組みで、回路を切断する必要がありません。またクランプ付きテスターというものもあります。
電流測定の危険性
電流測定モードのまま、通電した回路に並列で接続する(電圧測定と間違える)ことをしてはいけません。
電流測定は、テスター内部の小さな抵抗を利用して電圧を測定し、電流に変換して出力しています。並列に接続すると、抵抗の小さいテスター側に過電流が流れ、テスターのヒューズが壊れる可能性があります。
次に注意が必要なのは測定レンジです。電圧測定でも言えますが、先に大きなレンジから始めて、徐々にレンジを下げていくという測定が基本です。レンジよりも大きな電流が流れると、メーターが振り切れて、テスターが故障することもあります(上記の電池の測定はダメな例です…)。
またアナログテスターの場合は、+と−を間違えると、メーターがマイナス側に振り切れるのでこちらも注意が必要です。
まとめ
- 直流電流を測る場合は、回路を切断し、テスターを直列につなげる
- 電流測定モードのまま並列に繋ぐと、ショートする
電流測定時には仕組みを理解した上で、充分注意して作業を実施してください。
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