工場の生産設備を自動化する際に用いるシーケンス制御の代表的なものに「自己保持回路」というものがあります。
今回は自己保持回路についての記事を書いていきたいと思います。
動画でも解説しているので、動画が良ければこちらもどうぞ。
1. 自己保持回路とは?
自己保持回路は、一度信号が入るとその状態を維持するような回路の事を言います。
例えば次のような2つの回路を見てみましょう。
まず、こちらはボタンを押すとランプが点灯するという回路です。
この場合は、ボタンを押している場合はランプが光りますが、ボタンから手を離すとランプは消えてしまいます。
一方で自己保持回路を設けた場合は、次のような回路になります。
この場合は、ボタンを一度押すとランプは光り続けます。
ランプを消す場合は、停止スイッチを押せばb接点が切れるのでランプは消灯します。
これが自己保持回路です。
シーケンス図の中には自然な形で自己保持回路が多く組み込まれており、普段の生活の中にも自己保持回路は隠れています。
2. 自己保持回路の使い方
これまでに私自身が見てきた自己保持回路を使った制御例の中で分かりやすいものをいくつか挙げてみたいと思います。
2-1. 警報のブザー
制御機器には、異常があった時のために警報回路が組まれていることがあります。
例えば、水位を見るレベルセンサー等の場合は、正常運転では上がることのない水位まで上昇すると警報ブザーが鳴ります。
この場合、一瞬でも異常があると例え異常信号がなくなっても「ブザー停止」を押すまではブザーが鳴り続けることが多いです。
2-2. ポンプの発停
ポンプの発停を押ボタンスイッチで行う場合にも自己保持回路が用いられています。
ポンプの場合は、一度「運転」ボタンを押すと動きだし、運転状態を維持させ「停止」ボタンを押すとポンプが運転をやめます。
運転ボタンを押し続けないとポンプが停止してしまうようでは困るので自己保持回路が用いられます。
3. まとめ
- 自己保持回路は一度信号が入るとその状態を維持する回路
- 自己保持を解除するためにはb接点を利用する
- ポンプの運転や警報のブザーなどあらゆるところで用いられている
いかがでしょうか?
日常生活で利用する洗濯機や電子レンジなどの中にも自己保持回路は組み込まれています。
是非、工場のなかでどんなところで自己保持回路が用いられているか考えてみてはいかがでしょうか?
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