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【ボイラー】連続ブローはなぜ必要?缶底ブローとは何が違う?

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ボイラーの運転動作の一つに連続ブローというものがあります。普段、ボイラーを扱う方にとっては当たり前のことですが、初めて見た方は何のために連続ブローをしているのか分からないこともあるかと思います。

今回は、ボイラーの連続ブローとは何か、また缶底ブローとの違いについて解説したいと思います。

連続ブローとは

連続ブローとは、ボイラー缶水で不純物が濃縮するのを防止するために缶水の一部を連続的に外部に排出することを言います。一般的には電磁弁や電動弁などの自動弁を一定周期ごとに開閉させることでブロー量を制御しています。

ボイラーでは水を蒸発させて蒸気を作り出すため、ブローをしなければシリカ(SiO2)などの不純物が濃縮していきます。濃縮した不純物はボイラーの伝熱面などにスケールとして堆積し、伝熱効率の低下や過加熱による焼損を発生させるリスクが上がります。これを防止するために連続ブローを実施します(↓ シリカのイメージ)。

ボイラーと同圧の飽和水を排出するため、熱量が大きく、ブロー水の熱回収がボイラー周りの省エネルギー対策として話題に上がることも多いです。

また、連続ブローが不十分だとフォーミングなどにより缶水が蒸気配管に持ち出されるキャリーオーバー発生リスクも増加します。

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連続ブローの必要量

どの程度連続ブローを実施するかは、ボイラー缶水の導電率とpHによって決められます。どの程度に抑えればいいかはJISにて基準が決められています。

丸ボイラの給水及びボイラ水の水質(PDF)

上の資料によると次のような値となっています。

  • 導電率(mS/m):1MPa:400以下(条件による)1~2MPa:350以下
  • pH:11.0~11.8(25℃における)

pHは基準値以内に収めることで配管の溶出などを防ぎ、導電率は基準値より低く抑え不純物の濃縮を防止することが重要です。

適正なブロー量はボイラー給水の水処理条件や保有水量によって変わり、大体蒸発量に対し1~5%程度が一般的とされています。保有水量が多く、供給される水が純水に近いほど必要なブロー量は低くなります。

$$ブロー率=\frac{ブロー量[kg/h]}{蒸発量[kg/h]}$$

メーカーごとにボイラーの型式によって大体の適正なブロー率が決められていることが多いです。

また、連続ブローの水質測定はユニットの「連続ブロー装置」として設置することが多いです。センサー耐温の関係でブロー水の一部を取り出し、熱交換器で冷却した後にセンシングする機構になっているものが多いです。複数のメーカーが出しているので、気になる方は調べてみてください。

センサーによる導電率やpHの測定原理についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。

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連続ブローと缶底ブローの違い

ボイラーのブローには連続ブローのほかに缶底ブローというものがあります。この2つの違いは次のようになります。

  • 連続ブロー:運転中に常時排出するもの。
  • 缶底ブロー:ボイラー停止時などに缶底にたまったスケールを取り除くもの。

缶底ブローは、連続ブローでは排出できない缶底にたまった汚れを取り除く作業です。

連続的に行われるわけではありませんが、一回に排出する量が多いので缶底ブローを行うとボイラー室周辺に多量の湯気が上がります。

まとめ

  • 連続ブローはボイラー水の濃縮を防ぐための操作。
  • 必要量は導電率とpHにより決まる。
  • 缶底ブローは缶底にたまったスケールを排出する操作。

「高温のまま缶水を排出」と聞くと、とても無駄なことをしているように感じますが、適正なブローをしなければ弊害が多く、補修するコストもかかるので適正な連続ブローは必須です。

是非、ボイラー周りに行くことがあれば、どれが連続ブローの配管なのか確かめてみてはいかがでしょうか?

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エコおじい

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