エネルギー管理士に関する情報を発信します。

エネ管.com

【告知】毎週土曜日18:00~
環境やエネルギーをテーマにしたゆっくり解説動画を投稿していきます。
更新情報が届くので、ご興味ある方はチャンネル登録をお願いします!

電気

【電気】安全増防爆と耐圧防爆の違いは?

更新日:

 機器を新たに導入する際、「防爆の種類って何を選べばいいのだろう」となった経験のある方は多いはず。

工場内の他の機器を見て、同じ規格を選ぶというのも手ですが、今回は防爆規格についてわかりやすく解説したいと思います。

現場で使用されるポンプなどの電動機や計装機器に特に関係する、「安全増防爆」と「耐圧防爆」の違いについて解説します。

こちらは動画でも解説しているので、動画がいいという方はこちらもどうぞ。

防爆とは

防爆電気機器は工業分野の様々な現場で使われています。

こうした現場では可燃性ガスが存在する中で、火花が少なからず発生する機器を使用するため、着火して爆発しないように特殊な対策をしたものが使用されます。このような機器の構造を防爆と呼びます。

爆発とは可燃性ガス・酸素・着火源の3つが揃った時に起こるため、そのいずれかが遮断されれば爆発は起こりません。

実際の防爆構造としては、発火源を無くす、爆発に耐える容器で覆う、ガスや酸素濃度を下げる、発火温度に達しないようにするなど様々な対策が取られます。

各々の対策に対して名称(耐圧防爆や安全増防爆など)が付いているというわけです。

家庭用にはめったにみることはないですが、現場の機器で「d2G4」などの記号がついた機器を見たことがあるのではないでしょうか。

防爆も例に漏れず、規格があります。日本で見かけるものとしては「構造規格」と「国際規格」の2種が主だと言えます。

構造規格

日本国内において制定された「電気機械器具防爆構造規格」が正式名称で、危険場所では検定を受けた防爆機器の使用するように定められています。

「d2G4」というように4文字で表されます。

1桁目は防爆構造の種類(例えばdは耐圧防爆)、2桁目は爆発等級(1〜3)、3−4桁目は発火温度(G1〜G6)を表しています。

周囲に存在する爆発性ガスによって変わり、例えばアセトンなら「1 G1」という分類になります。

国際規格

IEC(国際電気標準会議)が定める国際規格に基づいて作られた防爆電気機器の規格です。

海外メーカー品を使うときによく見かけます。「Ex d IIB T5」のような書き方をします。

Exは防爆の意味、1桁目は防爆構造の種類(例えばdは耐圧防爆)、2桁目はガスの最大安全すきま(IIA〜IIC)、3桁目は温度等級(T1〜T6)を表します。

周囲に存在する爆発性ガスによって変わり、例えばアセトンなら「IIAT1」という分類になります。

両規格の表記の意味を詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

参照:株式会社ノーケン 防爆規格(外部リンク)

安全増防爆とは

「あんまし」という言葉に省略されてよく使われます。

その名の通り、通常の機器よりも安全度を増加させた構造をしています。正常な使用中には火花を発生させることがない電気機器に適用されます。

温度が上がりにくい金属材質、防爆構造のコネクタ(ケーブル接続口)、異物の侵入を防止する保護構造(パッキンなど)など、安全増防爆の規格を満たすための部品が使用されています。

先の規格での書き方としては、両規格共にeで表されます。

耐圧防爆とは

一方で耐圧防爆とは、電気機器内で爆発しても容器が爆発に耐えるので外に引火しない構造のものです。

耐圧防爆の電気機器の端子箱をイメージしてもらいたいのですが、あの頑丈な金属の箱内に万が一、可燃性ガスが流入してかつ端子付近で火花が散った時でも、爆発の圧力に耐えられるということです。

内部での爆発を前提に設計された丈夫な外箱、火炎が外に出るまでに十分温度が下がるような長さの接合部、耐圧防爆規格を満たしたコネクタなどが使用されます。

先の規格での書き方としては、両規格共にdで表されます。

安全増防爆と耐圧防爆の使い分け

両者の構造上の違いがわかったところで、使い分けはどうするのでしょうか。

危険な可燃性ガスが存在する現場は、3つに区分けされます。構造規格と国際規格で多少変わりますが、大まかな説明をします。

0種場所(ゾーン0)

爆発性雰囲気が長時間存在する、と説明されますがガソリンタンクの中などが当てはまります。常に燃えるもので満たされた空間ということです。

1種場所(ゾーン1)

爆発性のガスが通常使用時にも存在する可能性がある場所です。ガスのダクト付近や、タンクなどの開閉部付近が当てはまります。

2種場所(ゾーン2)

装置が故障するなどイレギュラーの事態に爆発性雰囲気になる可能性がある場所をさします。

例えばガスボンベ設置箇所(運搬時に倒すリスク)、ガス用の換気扇(故障・異常時のリスク)、1種場所につながる扉(開閉時のリスク)の付近がこれに当てはまります。

 

3つの区分を説明しましたが、現場によって建屋ごと部屋ごとに分けられていたり、同じ空間の中でも複数が共存したり場合があります。

例えば可燃性ガスを出す製品タンクの開閉口付近は1種で、その他の部分は2種など。(街中のガソリンスタンドでは0、1、2種のエリアが敷地内に指定されそれぞれに適した機器が施工されています。)

使い分けですが、実はこの3種の場所ごとに使用可能規格が分けられています。

  • 0種場所→本質安全防爆*
  • 1種場所→耐圧防爆以上
  • 2種場所→本質安全防爆以上

というふうに覚えておいてください。(*先に触れませんでしたが、発火源を作らない回路構造・低電流低電圧にしたもので理論上発火しません)

ただし、安全増防爆はかつては1種場所では使えませんでしたが、技術向上により1種場所でも使えるようになっています。ポンプなどはコスト面からも安全増防爆が選ばれることが多いように思います。

防爆の安全性レベルと同様、コスト面でも本質安全>耐圧>安全増という順番であることが多いです。

まとめ

  • 安全増防爆と耐圧防爆の違いは内部の構造による。

  • 現場で扱うガスによって危険場所の分類が変わる。

  • 機器の防爆規格を選ぶ時は設置場所の分類を調べる。

今回は「防爆とは」から始まり現場でよく見る2種類の防爆規格について説明しました。紹介した2つの他にも防爆規格はあるので調べてみてください。

2021/1/11

【電気】電気加熱の正味電力、正味電力量ってなに?

電気加熱について勉強していると「正味電力」とか「正味電力量」という言葉が出てきますよね。 正味電力と聞くと皮相電力のように何かしら定義があるように感じるかもしれませんが、実は言葉の定義はもっと単純なものでした。あまり調べても出てこないようなのでこの記事で解説したいと思います。 電気加熱についてはこちらの記事をご覧ください。 目次正味電力とは必要な熱量を計算するkWに変換するkWhに変換するまとめ 正味電力とは 正味電力とは実際に使用される正味の電力の事です。 例えば次の様な問題を考えてみます。 120kg ...

ReadMore

2020/12/16

【電気】初心者向け!テスター電流測定の仕組み、測定方法、注意点について解説!

普段テスターを使わない人向けの記事、第二弾です。 以前の記事では、電圧と抵抗の測定方法を紹介しましたが、今回はテスターを使用した電流測定とその注意点について解説します。 チャンネル登録はこちら 目次電流測定の仕組み電流測定方法電流測定の危険性まとめ 電流測定の仕組み テスターは電圧や抵抗を変換して直流電圧測定部で測定すると、以前のテスターの説明で説明しました。 直流電流測定の場合は、テスター内部の標準抵抗器を介して変換した電圧値を計測しています。交流電流を測定できる機種の場合は、電圧変換後に、交流/直流変 ...

ReadMore

2020/11/21

【電気】初心者向け!テスターの電圧・抵抗測定の仕組み、測定方法について解説!

テスターを現場で使う、というのはありふれた作業ですが、普段使わない人にとっては緊張しますよね。 今回は、テスターの仕組みと、電圧・抵抗測定をする方法について解説したいと思います。 チャンネル登録はこちら 目次テスターの構成部品テスターの仕組み電圧測定抵抗測定テスターの測定方法電圧測定方法抵抗測定方法 まとめ テスターの構成部品 テスターはハンディータイプ、ペンシルタイプなどいくつかありますが、構成部品の例を紹介します。 テスターには直流電圧、交流電圧、抵抗、電流など測定する機能がありますが、全て直流電圧測 ...

ReadMore

2020/8/15

【電気】電界と磁界の違いとは?電磁界は何を表す言葉?

電磁気というと、皆さんのお仕事ではどんなところで関わるでしょうか? 一般的には電子機器の記録装置や制御機器への配線に電磁シールドケーブルを使用するときや、職場の安全衛生を検討するときに関わるのではないかと思います。 今回は、それらの基礎である、電界と磁界の違い、そして電磁界についてまとめてみました。 チャンネル登録はこちら 目次電界とは磁界とは電磁界とはまとめ 電界とは 電界とは、電気のある空間を指した言葉で、英語ではelectric fieldと言います。 電気をよく通すものに電圧がかかったときや、絶縁 ...

ReadMore

2020/6/23

【電気】赤外加熱とレーザー加熱の違いは?

以前、電気加熱について、種類ごとに原理と特徴をまとめました。 今回は電気をエネルギー源にして、対象物に熱を伝える方法のうち、赤外加熱とレーザー加熱の違いについて解説したいと思います。以前の、全般についてまとめた記事はこちらです。 この動画の内容は、画像とテキストでも解説しています。 チャンネル登録はこちら 目次赤外加熱とはレーザー加熱とは赤外加熱とレーザー加熱の使い分けは?まとめ 赤外加熱とは 赤外加熱とは、その名の通り赤外線によって伝えられる熱エネルギーで加熱をする方法です。 目に見える光は可視光と呼ば ...

ReadMore



質問サービス

【告知】質問サポートサービス始めました
資格試験・仕事・副業について個別に相談したいという方はこちら ↓

ご意見ご感想はこちらから↓

サービス一覧

  • Twitter:日常で感じたことや更新情報をつぶやきます。
  • Youtubeチャンネル:環境やエネルギーをテーマに動画を投稿しています。
  • LINE公式アカウント:Youtubeの更新情報などを発信します。
  • Facebook:製造業ブロガーのクローズドコミュニティやってます。
  • 楽天ROOM:勉強になったおすすめの書籍を紹介しています。
  • note:思ったことを好き勝手に書いています。
  • ココナラ:計算エクセル、広告枠などを販売しています。

技術系資格取得を目指す方必見!おすすめ通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが重要です。モチベーションを維持しながら最短で資格取得を目指すなら通信講座を利用するのもおすすめです。

シンプルで分かりやすいテキストSAT『エネルギー管理士熱分野』

現場技術系専門の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

電験取得を目指すならSAT『第三種電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

その他の講座一覧はこちら

製造業向け通信講座の老舗 JTEX『エネルギー管理士講座』

テキストとレポート形式の通信講座で、最も実績の多い会社です。エネルギー管理士の電気分野を受けるならおすすめの通信講座です。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

エコおじい

プラントエンジニアです。工業技術をどこよりも分かりやすく解説するをテーマに2017年から情報発信をしています。最近、Youtubeも始めました。応援していただけるという方は更新情報などを発信するので、Twitterのフォローお願いします。

おすすめ記事

1

これからエネルギー管理士試験を受けるあなたのために、最短時間でエネルギー管理士に合格する方法を紹介し ...

2

あなたエネルギー管理士の資格を最短で取得したい。でも、熱力学や流体工学を学んだことがないので、独学だ ...

3

電験三種は合格率が10%未満の大変難しい資格です。また、範囲が非常に広いので普段の業務で電気を扱わな ...

-電気

Copyright© エネ管.com , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.