気体燃料を燃焼させるバーナーは、大きく予混合燃焼方式と拡散燃焼方式の2つに分けることができます。今回は気体燃料を燃焼させるバーナーについてそれぞれの特徴や使い分けについて解説してみたいと思います。
気体燃料の種類や特徴については次の記事を参考にしてください。
1. 気体燃料の燃焼方式
気体燃料を燃焼させて熱エネルギーを取り出すためには、空気中の酸素と混合させなければいけません。空気と混合させる方式として、あらかじめ燃料と空気と混合させてから燃焼させる方法と別々のノズルから噴霧して混合させながら燃焼させる方法の2種類があります。
この2種類のうち前者を予混合燃焼バーナー、後者を拡散燃焼バーナーと呼びます。
それぞれの特徴についてみてみましょう。
1-1. 予混合燃焼バーナー
予混合燃焼バーナーは、燃料と空気をあらかじめ混合させてから燃焼させる方式です。燃料と空気の一部(30~80%程度)を混合させて二次空気で調整する部分予混合バーナーとすべて混合させてから燃焼させる完全混合バーナーの2種類に分かれます。
予混合燃焼バーナーの特徴は次のようになります。
- 燃焼の反応速度が大きい
- すすが発生しにくい
- 逆火(バックファイア)や吹飛びなどを考慮する必要がある
予混合燃焼バーナーは、空気があらかじめ混合させていることにより安定した火炎を作れますが、円筒の長さや燃焼速度により逆火や消炎のリスクがあります。
用途として家庭用ガスコンロから工業用のボイラーなど幅広く利用されていますが、大容量の炎が必要な用途には不向きとされています。
逆火(ぎゃっか)とは、ガス火炎を使用中に火炎が火口からガスの供給側へ戻る現象。機器類を破裂させることがある。(Wikipedia)
1-2. 拡散燃焼バーナー
拡散燃焼バーナーは、燃料と空気を別のノズルから噴霧させて燃焼させる方式です。
拡散燃焼バーナーの特徴は次のようになります。
- 逆火(バックファイア)が起きにくい
- 輝炎(明るい黄色)になりやすい
- 予熱空気を利用できる
- 燃焼量を広範囲に調整できる
- すすが発生しやすい
拡散燃焼バーナーは燃焼量を広範囲に調整できて、予熱空気を利用できることから工業用バーナーとして最も多く用いられている。大容量に向いている燃焼方式でノズル型とポート型に分けることができます。
ろうそくの炎などは拡散燃焼バーナーと同じ方式で、炎が明るいことが特徴です。ガスバーナーの使い方を見ると、完全燃焼した際の青い炎とすすが発生する輝炎の違いがよくわかります。
2. まとめ
- 気体燃料のバーナーには拡散燃焼と予混合の2種類がある
- 予混合は炎が安定するが逆火のリスクがある
- 完全燃焼は調整幅が広く大容量に向いている
気体燃料の燃焼方式については、誤っているものを選ぶなどの形式で出題されることが多いのでしっかり押さえておきましょう。
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