自動制御

【自動制御】プログラム制御って何?どんな時に使う?

更新日:

製品の温度を制御する仕組みの一つに「プログラム制御」というものがあります。

フィードバック制御やフィードフォワード制御に比べ、少し複雑なイメージがありますが、実際には非常によく使われる制御方式の1つです。

ここでは、プログラム制御とは何か?どんな時に利用されるかについて解説していきたいと思います。

1. プログラム制御とは?

プログラム制御はコトバンクによると「時間的に変化する量に対して、コンピューターにあらかじめ記憶させたプログラムに従って制御を行う方式。」となっています。

例えば、20℃の物質を90℃まで昇温させてから25℃まで冷却するという場合、プログラム制御では次のように細かく時間を設定することができます。

 

上図の制御では

  1. 20℃の物質を5分で50℃に昇温させる。
  2. 50℃で5分間維持する。
  3. 2分で90℃に昇温させる。
  4. 90℃で8分間維持する。
  5. 2分で60℃に冷却する。
  6. 5分間60℃を維持する。
  7. 3分間で30℃に冷却する。

という複雑な流れになり、昇温速度や冷却速度を細かく設定することができます。

実際に制御をかけた場合、多少のオーバーシュートやアンダーシュートが発生するため、上の図の赤字の様な制御になります。

設定値が徐々に変化していく事で、昇温スピードや冷却スピードが制御できているということが分かります。

これを、プログラム制御を用いなかった場合は次のような制御になります。

  1. 90℃に設定して成り行きで昇温させる。
  2. 20分後に設定温度を30℃に手動で変更して成り行きで冷却する。

この場合も一度90℃に昇温させてから、30℃に冷却させるという流れは同じですが、それまでの温度の上がり方が全く違うということが分かります。

このように、設定値と時間を入力しながら制御を行うことをプログラム制御といいます。

2. プログラム制御を使う理由

プログラム制御をする場合は、少し価格の高い高機能な調節計やシーケンサなどの機器が必要であったり、そもそものプログラムを組む時間もかかります。

それでもプログラム制御を利用する理由は、温度を制御したい対象が、急激に温度を上げると内部の性質が変わってしまったり、昇温速度に反応速度が追いつかず上手く反応が進まなかったりすることがあるからです。

実際の工程では、高付加価値な製品であればあるほど、プログラム制御が用いられることが多いです。

3. まとめ

  • プログラム制御は設定値を時間と共に変化させながら行う制御。
  • プログラム制御は昇温速度や冷却速度を微細にコントロールできる。
  • 化学反応などが発生する生産物で利用されることが多い。

プログラム制御と聞くと、複雑なものを思い浮かべるかもしれませんが、実際には設定値と時間が任意に決められる制御というだけです。

非常に良く利用される制御方式なので、是非通常の制御との違いを理解しておきましょう。

2020/3/1

【自動制御】今さら聞けない!インバータって何?インバータ制御とは?

製造業の世界では、「インバータ制御で省エネ」なんて言葉をよく聞くのではないでしょうか。ところが電気分野が専門の方以外は、省エネどころか「インバータって何?」と思われる方も多いと思います。 今回は実際の導入検討も考慮してインバーターとは何か?について解説したいと思います。 動画でも解説しているので、動画のほうがいいという方はこちらもどうぞ。 チャンネル登録はこちら 目次インバータとはインバータ制御のメリット・デメリットインバータのメリットインバータのデメリットまとめ インバータとは インバータとは、元の交流 ...

ReadMore

2020/2/29

【自動制御】HART通信って何?メリットデメリットを詳しく解説してみた

制御機器などを現場で扱っているとは「ハート通信」という言葉に出会うことがないでしょうか。 センサーと制御システムをつなげるネットワークの一つなのですが、扱わないと馴染みがない言葉です。今回はHART通信のメリットについて説明します。 目次HART通信はフィールドバスのひとつHART通信とはHART通信のメリットHART通信のデメリットまとめ HART通信はフィールドバスのひとつ 産業分野において現場と制御システムをつなぐものをフィールドバスと言います。 バスは乗り物のbusから来ています。複数の機器データ ...

ReadMore

2020/2/29

【自動制御】現場の自動制御の基本!DCSのメリットとは?

製造業に身を置いている方は「DCS」という言葉に聞き馴染みがあるのではないでしょうか。 なんとなく「パソコンみたいなものでしょう」「大きな画面で見るやつね」と思っている方のために、今回はDCSとは何のために使われているのか解説したいと思います。 目次DCSとはDCSのメリット視覚的にわかりやすい切り替え、修正など操作が用意大規模なシステムを構築できるDCSのデメリット初期費用、メンテナンス費が高いプログラム修正が難しい場合があるまとめ DCSとは 検索エンジンでDCSと調べると、「Distributed ...

ReadMore

2020/2/29

【自動制御】オンオフ弁を用いた二位置制御とは?比例制御とは違う?

オンオフ弁により、目的の値になるよう制御するオンオフ制御では二位置制御を利用する場合が一般的です。 この記事では二位置制御とは何かについて解説しています。 目次二位置制御とは二位置制御の使用例タンクのレベル制御コンプレッサーの圧力制御空調の温度制御まとめ 二位置制御とは 二位置制御とは、オンオフ制御で用いられる制御方式です。例えば、二位置制御で温度を50℃に制御し、しきい値を2℃で設けた場合、加熱源の供給は次のように行われます。 48℃で加熱源の供給開始 50℃で加熱源の供給停止 このように50℃という設 ...

ReadMore

2020/2/29

【自動制御】プログラム制御って何?どんな時に使う?

製品の温度を制御する仕組みの一つに「プログラム制御」というものがあります。 フィードバック制御やフィードフォワード制御に比べ、少し複雑なイメージがありますが、実際には非常によく使われる制御方式の1つです。 ここでは、プログラム制御とは何か?どんな時に利用されるかについて解説していきたいと思います。 目次1. プログラム制御とは?2. プログラム制御を使う理由3. まとめ 1. プログラム制御とは? プログラム制御はコトバンクによると「時間的に変化する量に対して、コンピューターにあらかじめ記憶させたプログラ ...

ReadMore



おすすめ通信講座

エネルギー管理士熱分野講座

・効率よく短期間で確実に合格したい
・スマホを使ってすき間時間に勉強したい
・独学だけでは分かりにくい

そんな方にお勧めの通信講座です。

現場技術の資格を取るなら!おすすめ通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが重要です。現場技術系の資格取得をサポートするおすすめの通信講座を紹介します。

SAT『エネルギー管理士講座 熱分野』

現場技術系専門の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

現場系通信講座の老舗「JTEX」

40年の実績がある現場系通信講座の老舗です。動画はなく、レポート提出形式の通信講座になります。価格もお手頃でテキストが分かりやすいと評判です。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

エコおじい

プラント系エンジニアです。「エネ管.com」というブログで工業系の技術に関する情報を発信しています。最近、Youtubeも始めました。応援よろしくお願いします。

おすすめ記事!

1

あなたエネルギー管理士の資格を最短で取得したい。でも、熱力学や流体工学を学んだことがないので、独学だ ...

2

これからエネルギー管理士試験を受けるあなたのために、最短時間でエネルギー管理士に合格する方法を紹介し ...

3

エネルギー管理士の資格を取ろうとしていたり、すでに資格を持っている方にとって、エネルギー管理士の資格 ...

-自動制御

Copyright© エネ管.com , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.