熱機関

【電池】岩石が電池に?岩石を使って蓄電をする技術とは

更新日:

日経新聞にこんな記事が出ていました。

岩石蓄電22年にも商用化 シーメンス、10社以上と覚書 コスト、リチウムイオン電池の10分の1(外部リンク)

え?岩石を使って電気を取り出す?と不思議に思う方も多いと思います。今回は、岩石を使って蓄電をするとはどういう事かについて解説したいと思います。

こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。

岩石蓄電とは?

岩石蓄電の原理はとてもシンプルです。

余った電気で岩石を温めて、足りない時に水に熱を奪わせて蒸気にした後、タービンを回すという感じです。記事によると、このような流れのようです。

電気が余った時

  1. 余剰電気を使って熱風ヒーターを稼働させる。
  2. 岩石を600~700℃程度に熱する。
  3. 保温によって外部との熱を遮断する。

電気が足りない時

  1. 岩石の熱で高圧蒸気を作り出す。
  2. 高圧蒸気で蒸気タービンを回す。
  3. 電気を取り出すことが可能。

つまり、熱容量の大きい岩石を利用して電気エネルギーと熱エネルギーを変換させることで巨大な蓄電池になるという事です。

記事によると、岩石から取り出せるエネルギーは熱としては98%、電気としては40%程度のことです。

熱は断熱材を徹底すれば損失は防げるけど、電気は蒸気タービンの効率的に限界があるという感じですね。

電気エネルギーを化学エネルギーにするリチウム電池に比べると、電気効率は悪く見えますが、そもそもの原理が全く違うので比べてもあまり意味はないかなという印象です。

岩石蓄電は、外部環境によって発電量の変動が大きい再生可能エネルギーに使用されるようです。

なぜ岩石なのか?

岩石が使用される理由は、おそらくリチウムなどのレアメタルと比べ、地球上に大量にあり、熱容量が大きいからだと思われます。

熱容量は物体の温度を1℃上げるのに必要な熱量です。

【伝熱工学】熱容量って何?大きいものと小さいものの違いは?

ある物体の温度を1℃(K)上げるのに必要なエネルギーを熱容量といいます。単位はkJ/Kで表されます。 ...

続きを見る

岩石の比熱を他の物体と比べてみましょう。

  • 水・・・4.2kJ/kgK
  • 花崗岩・・・0.8~0.84kJ/kgK
  • 鉄・・・0.46kJ/kgK
  • ガラス・・・0.67kJ/kgK

※一般的な温度の場合です

こうしてみると水の比熱がかなり大きいということがわかります。

ただ、水に比べると岩石は1000℃程度まで温度を上げても溶けないという特徴があるので、蓄熱として利用されているわけですね。大量に取れる物体の中では熱容量が大きい事が伺えます。

岩石蓄電は広がるか?

岩石蓄電を行うためには、大量の再生可能エネルギー、岩石を溜めておく巨大な施設、蒸気タービン、ボイラー設備など大型の設備が必要になります。

恐らくまずは再生可能エネルギーを推進する自治体やCO2排出量削減を目指す大企業などに導入されそうです。

まとめ

  • 岩石蓄電は電気エネルギーを熱エネルギーに変換する仕組み
  • 発電量の変動が大きい再生可能エネルギーで利用する。
  • 大型の設備のため、自治体などでの利用が考えられる。

原理的には非常にシンプルですが、実際に稼働させるとなると不確定要因が多いので難しそうですね。

ただ、技術的には非常に面白いので、興味のある方は調べて見てはいかがでしょうか?

お勧め専門誌

   

   

SNSアカウント

エネ管.com

更新情報が届いたりチャット機能が利用出来ます。
是非、登録をお願いします!

Youtubeチャンネル登録

Twitterでフォロー

LINEで登録



おすすめ通信講座

エネルギー管理士熱分野講座

・効率よく短期間で確実に合格したい
・スマホを使ってすき間時間に勉強したい
・独学だけでは分かりにくい

そんな方にお勧めの通信講座です。

現場技術の資格を取るなら!おすすめ通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが重要です。現場技術系の資格取得をサポートするおすすめの通信講座を紹介します。

シンプルで分かりやすいテキスト『SAT』

現場技術系専門の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

現場系通信講座の老舗『JTEX』

40年の実績がある現場系通信講座の老舗です。動画はなく、レポート提出形式の通信講座になります。価格もお手頃でテキストが分かりやすいと評判です。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

エコおじい

プラント系エンジニアです。2017年から工業技術に関する情報をまとめて発信しています。最近、Youtubeも始めました。応援していただけるという方は更新情報などを発信するので、Twitterのフォローお願いします。

おすすめ記事

1

あなたエネルギー管理士の資格を最短で取得したい。でも、熱力学や流体工学を学んだことがないので、独学だ ...

2

これからエネルギー管理士試験を受けるあなたのために、最短時間でエネルギー管理士に合格する方法を紹介し ...

-熱機関

Copyright© エネ管.com , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.