冷凍機やヒートポンプの能力を表す指標に成績係数COPという考え方があります。
COPは一般的に熱量を仕事で割った値で表されます。
$$COP=\frac{Q}{W}$$
Q:熱量 W:仕事
これが加熱用途であれば加熱できる熱量、冷却用とであれば冷却できる熱量が分子に来ます。
ヒートポンプでは供給電力に対して、空気から熱を奪う分だけ多く加熱できるのでCOPは3を超えるようなものもあります。
ターボ式冷凍機の場合も同様に、COPが大きくなるのはわかります。
ここで一つ疑問に思ったのです。
吸収式冷凍機のCOPってどうやって計算するんだろう?
と。
なぜなら吸収式冷凍機の場合は、電力はポンプで冷媒を循環させる程度にしか使用せず、圧縮機がないからです。
動力としては、電力による圧縮を使わず、熱源として薄まった液を蒸気やガスで加熱して再生するからです。
そこで、少し調べてみると・・・
結論としては、吸収式冷凍機の場合は、分母が蒸気(ガス)の供給熱量に変わるようです。
吸収式冷凍機の場合は次のような式になります。
$$COP=\frac{Q(冷却能力)}{Q(再生熱源)}$$
吸収式冷凍機の場合はCOPは性能のいいもので1.5程度でターボ冷凍機よりは悪くなるようです。
ちなみに、どちらも大型タイプから小型タイプまでラインナップがあります。
ここでふと疑問に思いました。
じゃあ吸収式冷凍機いらない?
ターボ式冷凍機は電力と冷媒を使って冷却します。大型から小型まであります。
吸収式冷凍機は蒸気やガスなどの熱源を使って冷却します。大型から小型まであります。
ターボ式冷凍機のほうがCOPは高いです。
やっぱり吸収式冷凍機いらない??
少し調べてみると、どうやらそういうわけでもないようです。
例えば吸収式冷凍機では熱源を使用して、冷却できるのでプラントに大量の廃熱がある場合は、それを利用して冷却ができます。
つまり、使いようのない熱を冷却に利用できるという利点があります。
また、ターボ式冷凍機では、使いようのない熱で高温になった冷媒を冷やす必要があります。
大きく分けるとこの違いのようです。
単体で見るとターボ式冷凍機のほうが優秀ですが、使い方によっては吸収式冷凍機が有効な場合もあるということです。
【冷凍機】吸収式冷凍機になぜ蒸気が使われるの?
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ヒートポンプの動画を載せておきますので、もしよろしければどうぞ。