流量計の選定をする際にいくつか型式を見かけますよね。今回はシンプルな構造で、実は奥深い、面積式流量計について解説します。
※ こちらの記事は動画でも解説しています。
面積式流量計とは?
面積式流量計は、差圧式流量計と並んで最も古いタイプの流量計とされています。縦型のガラス管の中にフロートが浮いているのが特徴です。詳しく解説します。
ガラス管は真っ直ぐな円筒方ではなく、テーパー管と呼ばれる下側が細く上部が太い円錐型をしています。配管中の流体の一部、もしくは全てがこのガラス管の下から上へ向けて流れます。
フロートとしてはボールや独楽のような形をしたものが用いられ、下からの噴流の持ち上がる力と、重力による下向きの力が釣り合うところで止まります。
流量があらかじめ決まった状態で、止まった場所に目盛をつけておけば、流量を外から見ることができるというわけです。
このガラス管を上から見たときに、ガラス管の内径とフロートの外径の間の隙間面積が増えたり減ったりすることから、面積式と呼ばれます。
面積式流量計は液体にも気体にも用いることができる型式です。
構造をイメージしていただくと、お分かりになると思いますが、どんな条件でもきれいに定量できるわけではありません。
流体の密度、圧力、温度によって影響を受けるので補正が必要です。流量の範囲を踏まえた適切な容量を選定するだけでなく、正確な測定の際には、メーカーの仕様書を見ながら補正をかけてください。
面積式流量計のメリットは?
上記のような特徴から、一般に以下のような利点が挙げられます。
- 面積式流量計は適応範囲が広い。
- 気体・液体に用いることも可能で高温流体にも使える。
- 安価で、電源も必要ないので導入がしやすい。
- シンプルな構造のため、清掃が容易。
- フロートが浮き上がれば、流路が広がるので、異物にも強い。
面積式流量計はほかの流量計に比べ、シンプルで安価なため、導入しやすいというのが一番の特徴です。
面積式流量計のデメリットは?
一方で欠点としては、以下の点がよく挙げられています。
- 垂直に取り付ける必要があるため、場所によってはスペースの確保が難しいことがある。
- 狭い場所の水平配管だと取り付けることができない時がある。
- ガラス管が汚れてしまうと目盛が見られなくなる。
- ※ガラス管のため高温高圧には弱い。
- 固体を含む流体には不向きです。
- 他の片式と比べると精度が高くなく、センサーでの外部検出が難しい。
※ 蒸気など高温用は金属管が用いられます。磁石のついたフロートで流量を読み込むタイプもあります
デメリットを見てわかるように、簡易的な流量測定は得意ですが、精度が高く耐久性が求められるような場所では不向きな流量計です。
しっかりと流量を管理していきたい場合は、別のタイプの流量計を利用した方がいいといえます。
まとめ
- 下からの噴流の持ち上がる力と、重力による下向きの力が釣り合いで流量を測定する。
- 面積式流量計はシンプルな構造で、汎用性が高く、導入しやすい。
- 構造上、精度は高くなく、センシングもできない。
電気を使わないシンプルな構造。見ていて楽しく感じる人もいるのではないでしょうか。
面積式流量計について、皆様の理解が深まれば嬉しいです。他の型式については以下の記事でもまとめていますので、ぜひご覧ください。
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