タービン

【タービン】軸流タービンとは何か、メリットデメリットを解説

発電所などで一般的に利用されている復水タービンよりも効率の良いとされているタービンとして軸流タービンがあります。

本記事では、軸流タービンの基本構造と仕組み、そのメリットとデメリットについて解説します。

軸流タービンとは

軸流タービンは、流体が軸に沿って直線的に流れるタイプのタービンです。

流体(通常はガスや蒸気)は、タービンのブレードを通過しながら、そのエネルギーを回転運動し、発電や機械の駆動を行います。

軸流タービンは、流体の運動エネルギーを直接回転運動に変える効率的な設計が特徴で、主に火力発電所などの高速回転が求められる場面で使用されます。

軸流タービンのメリット

復水タービンと比較した場合の軸流タービンの特徴は次のようになります。

  • 高効率
  • コンパクト設計
  • 高出力
  • メンテナンス性
  • 耐久性

軸流タービンの最大のメリットは、その効率の高さにあります。流体の運動エネルギーを直接機械的エネルギーに変換する設計により、エネルギーロスを最小限に抑えることができます。

また、コンパクト設計も大きな利点であり、復水器をタービンと同じフロアに設置できるため、復水タービンと比較すると建屋が小さくなります。

シンプルな構造により、メンテナンスが容易であり、運転コストの削減にもつながります。高品質な材料を使用することで、長期間にわたり安定した運転が可能であり、耐久性も高いです。

軸流タービンのデメリット

一方で軸流タービンのデメリットは次のようになります。

  • 初期コスト
  • 設計の複雑さ
  • ノイズ
  • 振動
  • 燃料の制約

軸流タービンにはデメリットも存在します。

まず、高効率を実現するための設計と材料が高価であるため、復水タービンと比較すると初期コストが高くなることが一般的です。また、高速回転による運転中のノイズが大きく、騒音対策が必要です。

同様に、高回転による振動が発生し、これを抑えるための対策も重要です。

まとめ

  • 軸流タービンはエネルギー変換効率が高い。
  • 復水タービンと比較するとコンパクト設計ができる。

軸流タービンは、その高効率とコンパクトな設計により、多くの産業で重要な役割を果たしています。

一方で、初期コストや設計の複雑さなどの課題も存在します。用途に応じて、適切なタービンを選択することが重要です。

タービン

2024/7/8

【タービン】軸流タービンとは何か、メリットデメリットを解説

発電所などで一般的に利用されている復水タービンよりも効率の良いとされているタービンとして軸流タービンがあります。 本記事では、軸流タービンの基本構造と仕組み、そのメリットとデメリットについて解説します。 軸流タービンとは 軸流タービンは、流体が軸に沿って直線的に流れるタイプのタービンです。 流体(通常はガスや蒸気)は、タービンのブレードを通過しながら、そのエネルギーを回転運動し、発電や機械の駆動を行います。 軸流タービンは、流体の運動エネルギーを直接回転運動に変える効率的な設計が特徴で、主に火力発電所など ...

ReadMore

タービン

2023/12/31

【タービン】復水器とは何か、種類や役割について解説

火力発電所などに設置される非常に重要な熱交換器の一つに復水器があります。 この記事では、復水器とは何か、その役割や種類について解説します。 復水器とは 復水器とはタービンで仕事を終えた蒸気を冷却し、凝縮させるための大型の熱交換器です。 ランキンサイクルで発電を行う場合に利用されます。一般的には冷却水を循環させて蒸気の持つ凝縮潜熱を冷却塔で排熱するのがほとんどですが、水源が確保できないなどの理由から空気冷却などを行う場合もあります。 復水器の器内をどれだけ高真空にできるかによって発電所全体の効率が大きく変わ ...

ReadMore

タービン

2022/4/10

【タービン】抽気復水タービンとは、メリット、制御方法について解説

火力発電プラントで良く利用されているタービンに抽気復水タービンがあります。 この記事では、抽気復水タービンとは何か、メリットや制御方法について解説します。 抽気復水タービンとは 抽気復水タービンとは蒸気タービンの中段から低圧の抽気蒸気を取り出すことができるタービンです。最終段の排気は復水器により復水に戻ります。 主蒸気を全量復水器に送る復水タービンと比べると電力として取り出せる仕事は減りますが、抽気蒸気を加熱源として給水の加熱やプロセス等に利用することでプラント全体のエネルギー効率を向上させることが出来ま ...

ReadMore

タービン

2022/2/28

【タービン】蒸気タービンの制御方法まとめ

蒸気タービンの制御は用途によって様々ですが、大きく分けるといくつかのパターンに分類することが出来ます。 この記事では、蒸気タービンの制御方法についてまとめています。 蒸気タービンの制御方法 蒸気タービンの制御方法は大きく分けると次の4パターンに分かれます。 発電電力制御 発電用の蒸気タービンで最も多く利用されているのが発電電力制御です。発電機の出力が設定値になるように、ガバナ(制御弁)を開閉させ、蒸気タービンに供給する蒸気量を調整します。 主に売電を目的とした発電プラントで用いられます。発電機の出力を一定 ...

ReadMore

タービン

2022/8/27

【タービン】内部抽気圧力制御と外部抽気圧力制御の違いとは?

抽気タービンには抽気蒸気の圧力を制御する方法として内部抽気圧力制御と外部抽気圧力制御があります。 今回はそれぞれの違いについて解説します。こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 内部抽気圧力制御とは 内部抽気圧力制御は蒸気タービンのユニット内に圧力制御弁を組み込み、抽気圧力を一定にする制御方式です。図に表すと次のようになります。 内部抽気圧力制御の場合、抽気圧力を一定にするようにユニット内部の制御弁が動くので、タービン中段から取り出す抽気圧力が一定になります。一方 ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

エコおじい

プラント業界一筋のエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。保有資格はエネルギー管理士と電験三種です。

効率的に技術系資格取得を目指す方必見!当サイトおすすめの通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが最も重要です。

参考書だけでは分かりにくいという方には、全て解説動画で学べるSATの通信講座がおすすめです。日々の通勤時間など隙間時間を利用して無理なく効率的に学習を進めることが出来ます。

超シンプルで分かりやすいSAT『エネルギー管理士』

エネルギー管理士の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

他社と比較すると価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

熱分野レビュー 電気分野レビュー 他社との比較

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

最短で電験取得を目指すならSAT『電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

電験三種レビュー 他社との比較

技術系資格の最高峰SAT『技術士合格講座』

論文添削やZOOMマンツーマン指導が付いており、面接対策もWeb上で行うことが出来ます。また、テキストは毎年改定されているので常に最新の教材で勉強することが出来ます。

-タービン

© 2024 エネ管.com Powered by AFFINGER5

エネ管.comをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む