【環境】発電所に尿素水があるのはなぜ?目的について解説
発電所では、エネルギーの安定供給と環境保護の両立が求められます。 その中で、排出ガスの管理は非常に重要な課題です。特に火力発電所では、燃焼によって窒素酸化物(NOx)が生成され、これは大気汚染の原因となります。 発電所に尿素水があるのは、このNOxを削減するためです。本記事では、尿素水の役割とその効果について詳しく説明します。 尿素水とは 尿素水は、尿素(CO(NH2)2)を水に溶かした液体です。 この液体は、SCR(選択触媒還元)装置で利用されることで知られています。SCR装置は、排ガス中のNOxを無害 ...
【計測】濁度の測定方法は?どの測定原理がいいの?
工場で使う飲料水や、製品の原料溶液、処理する工場排水など、産業分野において水質を正しく測定することは重要です。 指標の1つでもある濁度は、「単位が曖昧で、よくわからない」という方も多いのではないでしょうか。今回は、濁度の単位と測定原理の違いについて、解説していきたいと思います。 濁度とは 濁度とは字の通り「水の濁り」を表します。しかし、例えば導電率(S/m)のような明確な単位はなく、単に「度」と言われます。これは、濁度が基準の溶液に対してどの程度、試料が濁っているかを示す単位であるからです。 基準となる標 ...
【計測機器】光高温計の原理、メリット、放射温度計との違いは?
計測機器の原理について知ることは、生産・運転状況の正しい理解や、トラブル時の対応に生かされると思います。 今回は温度計の一種、光高温計の原理やメリット、デメリットについて解説します。光高温計は放射温度計に分類されますが、高温の被測定物にしか使われない特殊な温度計になります。 光高温計とは 光高温計とは、熱放射を測定することで温度に換算する放射温度計の一種です。 英語ではOptical pyrometerと呼ばれています。赤外線を利用するタイプの放射温度計(体温計としての利用で話題となり、品薄になりましたね ...
【計測機器】水晶温度計の原理、メリット・デメリットは?
温度の計測機器について、今回は水晶温度計をとりあげます。 水晶と聞くと宝石の一種というイメージですが一体どのような仕組みで温度を測定するのでしょうか? 水晶温度計の原理やメリット、デメリットについて解説したいと思います。 水晶温度計とは 水晶温度計とは、水晶振動子や水晶発振子と呼ばれる部品を使用した温度計です。クオーツ温度計とも呼ばれます。 測温センサの組み込まれたプローブと、周波数を測定し温度に変換する計測器によって構成されます。 水晶温度計の原理 原理を説明するために、段階を追って解説をしていきます。 ...
【計測機器】シリカって何?シリカ測定器の原理と注意点
ボイラー水管理において計測項目の一つにシリカがあります。水の硬度が高い地域でボイラーを使用する場合は、シリカは注意すべきポイントの一つになります。 今回はシリカ計測器の原理について解説します。 シリカとは シリカとは二酸化ケイ素やケイ酸とも呼ばれる物質のことで、自然界には石英という鉱物として多く存在します。また乾燥剤でお馴染みのシリカゲルは、文字通りシリカをゲル化したものです。 欧州の国々ではミネラル豊富な硬水であることが知られていますが、一方で日本の水は花崗岩や石英の影響でシリカが多く含まれています。 ...
【計測機器】溶存酸素って何?溶存酸素計の原理や注意点は?
ボイラーの水処理を考えるときに「溶存酸素」という言葉を聞いたことはありませんか? ものづくりの現場において、連続監視が必要とされるユーティリティや製品は、その計測器の仕組みについてもよく理解しておくほうが良いでしょう。 今回はボイラー水質基準の一つである溶存酸素について、測定器の原理と注意点を解説します。 溶存酸素とは 溶存酸素とは水に溶け込んでいる酸素のことで、単位はmg/Lで表されます。水中の動植物はこの溶存酸素を取り込んで生きています。 飽和溶存酸素量は、水の温度や気圧に影響されます。環境分野では、 ...
【計測機器】導電率とは?導電率計の原理や注意点について
ボイラーの水質管理をはじめ、産業分野でも水質はよく見られる指標の一つです。 今回は含まれる金属イオン濃度の指標としても使われる導電率やそれを測定する導電率計の原理と注意点について解説します。 導電率とは 導電率は、電気伝導度や伝導率などとも呼ばれる、溶液中の電気の流れやすさを表す度合いです。 単位はS/m(ジーメンス毎メートル)を使います、なおSは電気抵抗Ωの逆数です。 名称は19世紀のドイツ人電気工学者ヴェルナー・ジーメンスからです。彼は産業分野の自動化システムを提供するグローバル企業シーメンスの創業者 ...
【計測機器】pH計の原理、注意点について詳しく解説!
水質管理のために使用されるpHセンサー。 産業分野の現場でも、ラボスケールの研究所でも使用されますよね。ありふれた機器だからこそ原理をしっかりと理解しておきましょう。 今回はpH計の原理や注意点について解説したいと思います。 pHとは pHは日本語だと水素イオン指数と呼ばれ、水素イオンH+が溶液1Lに対し何モル存在しているかを表しています。 pH0から14まで分類され、7より小さい数字が酸性、7より大きい数字はアルカリ性を意味します。数字は10の累乗の数字を表していて、例えばpH7ならば水素イオン濃度は1 ...
【温度センサー】ダブルエレメントとは?メリットデメリットについて
温度センサーを選ぼうとするときに「ダブルエレメント」という言葉を聞いたことがありますか? ダブルエレメントタイプはセンサーから取得した値を複数の信号として入出力する場合には非常に便利です。 今回はダブルエレメントの特徴とメリットについて解説します。 ダブルエレメントとは エレメントとは光学素子のことを意味しますが、温度センサーにおいては感温部の部品を指します。 通常のセンサーは1機器で1箇所の温度を測定します(シングルエレメントと呼ばれます)が、ダブルエレメント型はその名の通り2箇所の測定ができます。 リ ...
【温度計測】放射温度計の原理、メリットデメリットは?
「製品の温度を測りたい」というときに温度センサーを検討しますが、「非接触なら放射温度計」となんとなく思っていませんか? 今回はどんな時に放射温度計を選ぶと良いのか、メリットデメリットをわかりやすく解説してみたいと思います。 放射温度計とは 温度を測る計測器にはいくつか種類があり、それぞれ原理が異なることは先の記事でもご紹介しました。 その中でも放射温度計は物体から出る赤外線を検知します。赤外線という言葉は日常でもよく耳にしますが、目に見えない波長の電磁波の一種です。 太陽光など、何もない空間である宇宙 ...
【温度センサー】測温抵抗体、2線式と3線式の使い分けは?
配管の中のユーティリティや、タンクの中の製品温度を知りたいとき、温度計が用いられます。 その中でも温度変化をリアルタイムに検知し電気信号に変えて出力するものが温度センサーです。 新たにセンサー設置を考えた時、温度精度から抵抗温度計を選ぶ方も多いかと思います。 それでも型式によって配線する数が違うと迷ってしまうのではないでしょうか。今回は、測温抵抗体の2線式と3線式の違いを解説します。 測温抵抗体とは 測温抵抗体とは、抵抗温度計の測温部のこと、もしくはセンサーそのものを指して言う言葉です。 金属の電気抵抗が ...
【温度センサー】サーモウェルは必要?保護管が必要な条件とは?
配管などに温度計を設置する際、ほとんどの場合で保護管が必要です。 この記事では、温度計に保護管の設置が必要になる条件についてまとめてみたいと思います。 ※ こちらの記事は動画でも解説しています。 保護管(サーモウェル)とは? 保護管とは、温度センサーや温度計、サーミスタなどの感温部を圧力、腐食、流速による損傷から保護するものです。溶接チューブから成るものを保護管、金属棒材を加工したものをサーモウェルと呼びます。 保護管を使用することで、センサーの長寿命化やプロセスを中断することなく交換が出来るので、不純物 ...
【圧力計】サイフォン管は何のためについている?
蒸気などの高温の流体の圧力を測定する場合、圧力計や圧力センサーにはサイフォン管が必須です。 今回は、サイフォン管の役割や原理について記事を書きたいと思います。 1. サイフォン管の役割 サイフォン管の役割は蒸気など高温流体の圧力を計測する際に、センサーや圧力計に耐温以上の熱がかからないようにすることです。 圧力センサーは一般的に何度を超えると故障するという温度があり、その温度は100℃以下の場合が多いです。そのため、蒸気配管にそのままセンサーを設置するとセンサーが故障してしまいます。 サイフォン管を用いた ...
【温度センサー】接点付き温度計を利用するメリットと注意点は?
現場支持型の温度計の中には、接点付き温度計というものがあります。 接点付きとは、設定温度より高いか低いかによって接点が入る(回路が繋がったり切れたりするもの)温度計のことです。 今回は接点付き温度計の使い方や特徴について記載していきたいと思います。 1. 接点付き温度計とは 接点付き温度計は、設定温度によって接点が入ったり切れたりする温度計です 設定温度は現場で支持針をまわすことによって調整することができます。 接点付き温度計の利点は、制御回路をシンプルにできる点です。 例えば、ある設定温度を超えると自 ...
【圧力センサー】4-20mA信号を1-5Vで入力する方法
工場の保全の仕事をしていると、ある場所に圧力センサーを設置して1ヵ月のトレンドグラフを作りたい何てことがありますよね。 原因不明のトラブルでもデータを取得してトレンドグラフにすれば、原因を解明できることが多いです。 そこで、今回は次のような条件で圧力センサーの信号をデータロガーに取り込む方法について記載したいと思います。 圧力センサーのレンジは0~1000kPaG 必要な電源はDC24V 出力信号は4-20mA 入力信号は1-5V 近くにAC100V電源がある 少し限定された条件ですが、同様の場合は多いの ...
【温度センサー】原理は同じ!サーミスタと白金測温抵抗体Pt100の違い、使い分けは?
温度によって抵抗が変化する素子を用いて温度を測定する機器を抵抗温度計と言います。 今回はその中でも良く利用されるサーミスタと白金測温抵抗体(pt100)との違いについて書いてみたいと思います。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. サーミスタとは サーミスタはマンガンMn、コバルトCo、ニッケルNi、鉄Fe、銅Cuなどの金属酸化物を組み合わせた素子です。 JISの定義では「金属の酸化物からなり、抵抗の温度係数が負である抵抗素子で表面をガラスで被覆したもの」 ...
【圧力計】グリセリンを入れるのはなぜ?どんなところに使うの?
お客さんポンプにつける圧力計は良く壊れるのでグリセリン封入型にしてください。 あなたグリセリン・・・?なんで圧力計にアルコールを入れるんだろう・・・。 ポンプなどの回転機に圧力計を設置する場合は、圧力計の故障を防止するためにグリセリン封入型を利用する場合があります。この記事では圧力計にグリセリンを封入する理由について書いてみたいと思います。 1. 圧力計にグリセリンを入れる理由 圧力計にグリセリンを入れる理由は、振動により圧力計が故障するのを防止するためです。通常の圧力計をポンプやコンプレッサーに設置して ...
【温度センサー】温度計の種類、測定原理、誤差を比較してみた
工場などで配管などによく取り付けられている温度計や温度センサー。 普段あまり気にしませんが、温度計や温度センサーが示している値って本当に正しいか疑問に感じることはありませんか? 今回は、よく見る温度計や温度センサーの測定原理や誤差について種類別に比較してみたいと思います。 1. 温度とは? 温度とは、物質の熱さ冷たさを示す指標です。一般的には、接触により熱が流出する側の温度が高く、熱が流入する側の温度が低いように定められます。 工業的には、標準大気圧のもとで水が凍る温度0℃と、水が沸騰する温度100℃との ...
【圧力センサー】圧力センサーの測定原理とは?
水、油、蒸気、ガスなど装置内、配管内の圧力を制御したい時に使用するのが圧力センサーです。 今回は圧力センサーの測定原理について書いてみたいと思います。 センサーを使用する場合は、アナログで測定したものを最終的には電気信号に変換して調節計で制御する必要があります。圧力センサーも圧力というアナログな値を、電気信号に変換するという機構になっています。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 1. 圧力センサーの原理とは 圧力センサーは大きく分けると、電子式と機械式があり ...
【圧力計】連成計って何?圧力計との違い、使い分けについて
配管や機器内の圧力を機械的に測定する計測器には圧力計、連成計、真空計という3つの種類があります。この3つはそれぞれ圧力を測定できる範囲が違います。 今回は、日頃感じる小さな疑問、連成計とは何か、圧力計や真空計との違いや使い分けについて解説します。 こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。 連成計とは 連成計とは大気圧と真空域の両方を測定することが出来る現場指示型の計器です。 上の写真では大気圧を0として赤い表記が真空域、黒い表記が正圧域(大気圧以上)を示しています。 ...
【圧力計】原理に秘密あり!なぜマノメーターで圧力が分かるのか?
接続した2点の圧力差を測定する装置にマノメーターというものがあります。 実際に現場で使われているマノメーターはデジタル式のものが多いですが、エネルギー管理士などの資格試験ではU字管マノメーターの問題も出題されるので、原理はしっかり理解しておきましょう。 この記事では、マノメーターで圧力差を測定する原理や、種類、用途について解説していきます。 1. マノメーターとは? マノメーターは圧力計の一つで、気体や液体の圧力を測定する装置です。測定域としては、ダクトやクリーンルームなど大気圧付近の圧力測定に使用される ...