工事

【工事】先埋めアンカーと後打ちアンカーの違いと使い分け

工事現場では、構造物の固定や設備の設置のために「先埋めアンカー」や「後打ちアンカー」を使用するのが一般的です。

この記事では先埋めアンカーと後打ちアンカーの違いと使い分けについて解説します。

先埋めアンカーとは

先埋めアンカーは、コンクリートの打設前に設置されるアンカーのことで、基礎工事の段階であらかじめ計画され、型枠の中にセットされます。

コンクリートが打設されると同時にアンカーが固まり、コンクリートと付着することにより、非常に高い引張強度を持つことが特徴です。

先埋めアンカーのメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。

先埋めアンカーのメリット

  • コンクリートと一体化するため、高い引張強度が得られる。
  • 埋設されているため、腐食や劣化の影響を受けにくい。
  • 打設時に一体化するため、施工に関わらず安定した性能が期待できる。

先埋めアンカーのデメリット

  • コンクリート打設前に設置するため、後からの修正が難しい。
  • 設計段階での正確な位置決めが必要。

一般的に、荷重の大きい設備で施工時に微調整が不要な機器などは先埋めアンカーが用いられます。

後打ちアンカーとは

後打ちアンカーは、既存のコンクリート構造物に後から設置されるアンカーのことです。

ドリルで穴を開け、アンカーを挿入し、固定用の接着剤やモルタルで固めます。接着剤で固着させるアンカーは一般的にケミカルアンカーや樹脂アンカーと言われます。

この方法は、改修工事や追加工事、荷重の小さい機器などでよく使用されます。後打ちアンカーのメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。

後打ちアンカーのメリット

  • 既存の構造物に対して後から設置できるため、設計変更や追加工事に対応しやすい。
  • 新たにコンクリートを打設する必要がないため、迅速に設置できる。
  • 現場対応力:現場の状況に応じて柔軟に対応できる。

後打ちアンカーのデメリット

  • 先埋めアンカーに比べると、コンクリートとの一体化が難しいため、引張強度が劣る。
  • 露出部分が多いため、腐食や劣化のリスクがある。

後内アンカーは施工性が良いので、荷重の小さい設備や施工時に微調整が必要な機器の打設に利用されます。

まとめ

  • 先埋めアンカーはコンクリートの打設前に設置されるアンカー。
  • 後打ちアンカーは既存のコンクリート構造物に後から設置されるアンカー。
  • 設備の荷重や求められる施工性によって使い分ける。

先埋めアンカーと後打ちアンカーは、それぞれの特徴と利点を活かして適切に使い分けることが重要です。

設計段階でも、それぞれの特徴を理解して使い分けるようにしましょう。

工事

2024/7/29

【工事】裏ナット溶接とはなにか、メリットデメリットについて解説します

工事の施工性を向上させるために、架台などに裏ナット溶接を行うことがあります。 この記事では裏ナット溶接とは何かについて解説します。 裏ナット溶接とは 裏ナット溶接とは、ボルトが通る穴の裏側にナットを溶接する手法のことを指します。 この方法は、主に機械や構造物の組立て時に使用され、ボルトを取り付ける際にナットを裏側から支える役割を果たします。 通常、ナットを手で押さえながらボルトを締める作業は時間と労力を要しますが、裏ナット溶接を行うことで、この手間を省くことができます。 裏ナット溶接は、特に狭い場所や手が ...

ReadMore

工事

2024/7/5

【工事】先埋めアンカーと後打ちアンカーの違いと使い分け

工事現場では、構造物の固定や設備の設置のために「先埋めアンカー」や「後打ちアンカー」を使用するのが一般的です。 この記事では先埋めアンカーと後打ちアンカーの違いと使い分けについて解説します。 先埋めアンカーとは 先埋めアンカーは、コンクリートの打設前に設置されるアンカーのことで、基礎工事の段階であらかじめ計画され、型枠の中にセットされます。 コンクリートが打設されると同時にアンカーが固まり、コンクリートと付着することにより、非常に高い引張強度を持つことが特徴です。 先埋めアンカーのメリット、デメリットをま ...

ReadMore

工事

2023/6/25

【工事】ケミカルアンカーとは何か?目的は?

機器の据え付け方式には様々な種類がありますが、多く利用されているのがケミカルアンカーを使用した方法です。 非常にメジャーな方法ですが、そもそもケミカルアンカーって何?という方もいるかと思います。 そこで今回はケミカルアンカーを使用する目的やメリットについて解説したいと思います。 ケミカルアンカーとは (出展:Yahooショッピング「ケミカルアンカー」) ケミカルアンカーは化学反応によって樹脂を固め、寸切りボルトを固定するものです。 そもそもアンカーボルトは機器を据付ける際にコンクリート基礎に機器を固定させ ...

ReadMore

工事

2022/3/20

【工事】タッププレートとは何か?目的、機器の据付に必要な理由は?

機器の据付について記載のある仕様書などに「タッププレート、ボルト、ナットを付属する」などという文言を見たことはないでしょうか? 普段あまり目にすることのない言葉なので、初めて見る人にとっては何に使用するのか分かりにくいかと思います。そこで今回は、機器の据付になぜタッププレートが必要なのかについて解説したいと思います。 タッププレートとは (出典:Yahooショッピング「リテーニングプレート タップタイプ」) タッププレートは一般的にタップ(ねじ穴)加工された金属のプレートの事を言います。工事の現場では主に ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

エコおじい

プラントエンジニア兼Webライターです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。ライティングなどのお仕事のご相談はXのDMからお願いします。

効率的に技術系資格取得を目指す方必見!当サイトおすすめの通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが最も重要です。

参考書だけでは分かりにくいという方には、全て解説動画で学べるSATの通信講座がおすすめです。日々の通勤時間など隙間時間を利用して無理なく効率的に学習を進めることが出来ます。

超シンプルで分かりやすいSAT『エネルギー管理士』

エネルギー管理士の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

他社と比較すると価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

熱分野レビュー 電気分野レビュー 他社との比較

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

最短で電験取得を目指すならSAT『電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

電験三種レビュー 他社との比較

技術系資格の最高峰SAT『技術士合格講座』

論文添削やZOOMマンツーマン指導が付いており、面接対策もWeb上で行うことが出来ます。また、テキストは毎年改定されているので常に最新の教材で勉強することが出来ます。

-工事

エネ管.comをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

© 2024 エネ管.com Powered by AFFINGER5