プラントの圧縮空気には大きく分けて計装空気と雑用空気の二つがあります。
プラントを設計する場合はこの2つを分けて考えることが多いのですが、普段利用している方はどういう違いがあるのか分からないという方もいるのではないでしょうか?
今回は計装空気とは何か、雑用空気との違いについて解説したいと思います。
計装空気とは
計装空気は制御弁の駆動や流量計などの計装機器に使用される圧縮空気の事です。計装空気には次の3つが求められます。
- 圧力が一定で変動がないこと
- オイル、水分、ダストなどが混じらないこと
- 非常時も止めてはいけないこと
計装空気は様々な機器を制御するために非常に重要なものなので、圧力が常に一定で不純物のないクリーンエアであることが求められます。
よって、ランニングコストの高いオイルフリー式のコンプレッサーを使用したり、コンプレッサーとは別に圧力を一定にするためのレシーバタンク、水分を取るための脱湿器、ほこりなどを取るためのフィルターを設ける必要があります。
また、停電などの非常時にプラントが止まるのを防止するために非常用発電機などを設け計装空気用のコンプレッサーは駆動を続けられるようにする場合もあります。
計装空気で制御弁が動く仕組みについてはこちらの記事をご覧ください。
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雑用空気とは
一方、雑用空気は攪拌、冷却、掃除などに使用される計装空気以外の圧縮空気のことを言います。
こちらも圧力を一定にするための制御はありますが、計装空気ほどの精度は求められないので、設備も計装空気に比べ簡易なことが多いです。
レシーバタンク、脱湿装置等はあった方が良いですが、雑用空気に求められる質や導入コストによって検討されるのが一般的です。プラントの各所に設置されており、バルブを開くだけで使用できるような圧縮空気は全て雑用空気に分類されます。
計装空気と雑用空気の使い分け
計装空気と雑用空気の違いを表にすると次のようになります。
計装空気は雑用空気よりもコストが高いのは設備の導入コストとコンプレッサーの方式によるランニングコストの違いです。
計装空気を雑用空気として利用することはできますが、コストの考え方により両者を分けて考えて設計するのが一般的です。
まとめ
- 計装空気は制御弁の駆動や流量計などの計装機器に使用される圧縮空気
- 雑用空気は攪拌、冷却、掃除などに使用される計装空気以外の圧縮空気
- ランニングコストの違いにより使い分ける
両方、目には見えないので違いが分かりにくいですが、長く使うと細かな不純物によって計器の誤作動や機器の故障につながってきます。
是非、混同させないように注意しましょう。