バルブの回転数からそこに流れている流量を知りたい!という事はありませんか?制御弁やバルブにはCv値という値が決められており、Cv値が分かれば前後の圧力差から流量を計算することができます。
今回はバルブのCv値と前後の圧力差から流量を計算する方法について書いてみたいと思います。
1. Cv値とは?
まずは、Cv値とはなんぞや?というところから見てみようと思います。
Cv値とは「バルブの入出の圧力差が1psiとして60℃の水を流した時の流量をUSガロン/minで表した流量計数」です。
日本ではあまり聞きなれない単位ですが、psiは重量ポンド平方インチという単位で1psiは約6.9kPaで表せます。またUSガロンは1ガロン約3.79Lを表します。ガロンやポンドはヤード・ポンド法と呼ばれる単位で主にアメリカを中心に使用されている単位系です。
$$1psi≒6.9kPa$$
$$1gal/min≒3.79L/min$$
つまり、Cv値が100の場合「差圧が約6.9kPaの時、60℃の水が約379L/min(22.7㎥/h)流せる」という意味になります。
2. Cv値と差圧から流量を計算する方法
Cv値と流量には次のような関係があります。
$$Cv=Q×\sqrt{\frac{G}{ΔP}}$$
$$Q=\frac{Cv}{\sqrt{\frac{G}{ΔP}}}$$
Q:流量[gal/min]
G:比重[kg/L]
ΔP:差圧[psi]
この式から、次のことが分かります。
- 差圧が大きくなると流量が増える
- Cv値が大きくなると流せる流量が増える
- 比重が大きいと流量が減る
考えてみると当たり前ですね。このような変換式からCv値と差圧が分かれば流量が計算できるという事になります。
3. 実際の微開状態のバルブのCv値は?
Cv値はバルブや制御弁が流せる最大の流量を表す数値なので、数回転開けただけのバルブのCv値は自分で探さないといけません。
バルブメーカーのカタログにはバルブの開度とCv値を表す値が記載されています。例えば制御弁の場合は次のようなものがネット上にありました。
⇒ Cv値表(サイジング&セレクション)
これは制御弁のものですが開度ごとのCv値が載っています。手動式のバルブであれば回転数ごとにCv値の変化が載っています。
実際に使っているバルブの型式と、そのCv値が分かれば後は前後の差圧を測定するだけで、そこを流れている流量の大体の値が分かります。
【制御弁】イコールパーセント特性とリニア特性の使い分けは?
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4. まとめ
- バルブのCv値は計算で決まっている。
- Cv値と差圧が分かれば流量が計算できる。
- 開度や回転数とCv値の関係はカタログで見ることが出来る。
Cv値が何を表しているか理解していただけたでしょうか?
実際に計算する際には手計算は面倒なので、技術的な計算が出来るサイトを利用するのがおすすめです。