今回のテーマはポンプの騒音についてです。小型ポンプでも結構音がしますし、大型の装置になれば、より騒音が大きくなります。
管理面を考えた時に、法律上の基準や正しい測定方法を知っておいた方がいいです。今回はポンプの騒音と測定方法について解説したいと思います。
騒音値とは
ポンプをはじめとする産業機器は、稼働する過程で動作部から音が発生します。騒音を定量化するために用いられるのが、音の強さを示す単位dB(デシベル)です(物理量としてのデシベルは少々複雑なため、説明は割愛します)。
ポンプにおいては、軸受けの振動、流体の流れによる振動など正常時にも騒音が起こりますし、キャビテーションや部品破損など異常時に起こる騒音もあります。
近い値に振動値がありますが、振動の結果起こるのが騒音なので異なる規格として扱われています。
軸動力kWの常用対数を用いて計算することができますが、特定条件での値です。また実際には隣接している配管や壁などの構造物に伝播することでも騒音が発生します。
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騒音値の適正な値は?
機械的に適正な値は、装置の大きさや型式などに依存しており、特に基準はありません。しかし、人にとっての適正値は基準が決まっています。
30dB程度が小さなささやき声程度、50dBが走行中の自動車程度、80dBがパチンコ屋店内などと例えられています。人に聴覚障害を起こすとされている基準値が85dBで、この環境下で長期間働くと難聴となる危険性があります。
そのため防音カバーなど機械的な対策のほか、騒音区域では耳栓やイヤーマフをつけて作業するという決まりがあります。
騒音値の測定方法は?
メーカーから出されるポンプの騒音基準値は、ポンプの側面1mから測定した音を記載しています。設備新設時に、騒音区域基準にかかるかどうか、また事業所・工場基準を満たしているかは、この値を見るのが良いでしょう。
一方で、すでにある作業環境での騒音計測には決まった方法が2つあります。
1つ目のA測定は、作業場を6mの縦・横の線で区切り、それぞれの場所で高さ1.3〜1.5mから騒音を測定します。2つ目のB測定は、音源に近い作業場で測定します。Aの80dB以上の平均値と、Bの結果から現場の作業環境の管理区分を決めます。
詳しくは以下のURLをご覧ください。
参考:騒音障害防止のためのガイドライン 厚生労働省(外部リンク)
参考:騒音障害防止のためのガイドライン 厚生労働省2(外部リンク)
まとめ
- ポンプの騒音は正常時でも必ず発生する。
- ポンプなどの騒音が85dBを超えると騒音対策が必要となる。
- 騒音値の測定方法はA測定とB測定の2通りがある。
今回はポンプの騒音と、作業環境の騒音基準について、簡単にまとめてみました。実際に作業場の管理をされる場合には、詳細情報や対策例をよくご覧ください。
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