電気

【電気】自己インダクタンスと相互インダクタンスの違いとは?

電気の分野には紛らわしい単語が多く出てきますね。

今回は間違えやすい「自己インダクタンス」と「相互インダクタンス」の違いを解説します。

こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。

自己インダクタンスとは

回路やコイルといった閉曲線に電流が流れるとその周囲には磁束が発生します。またファラデーの法則によって磁束が変化すると回路には誘導起電力が発生するので、回路に電流を流すと

  1. 回路に電流を流す。
  2. 流れた電流が回路の周辺に磁束を発生させる。
  3. 回路周辺の磁束が変化したのでその回路に起電力が生じる。

というようにその回路自身に起電力が生じます。このときある回路に電流を流した時にその回路自身にどれくらい起電力を発生させるかを「自己インダクタンス」といいます。

またこの起電力は、回路に流れる電流の変化とは逆向きの変化となるように発生します。

自己インダクタンスを詳しく見ると回路に電流が流れたときに生じる磁束は次のようになります。

$$Φ = LI (L>0)$$

これとファラデーの法則からから、起電力は次のように表すことが出来ます。

$$V=-\frac{dΦ}{dt}$$

$$V=-L\frac{dl}{dt}$$

となります。この比例定数Lのことを自己インダクタンスといいます。

相互インダクタンスとは

二つの回路やコイルが近くに存在していると、片方の回路に流れる電流が作り出した磁場はもう一方の回路にも影響を与えて起電力を発生させます。

順を追ってみると次のようになります。

  1. 片方の回路に電流を流す。
  2. 流れた電流が回路の周辺に磁束を発生させる。
  3. 近くで磁束が変化したのでもう一方回路にも起電力が生じる。

これを相互誘導といいますが、このとき初めに回路に流した電流がもう一方の回路にどれくらいの起電力を発生させるかを「相互インダクタンス」といいます

相互インダクタンスを詳しく見ると、ある回路1に電流I1が流れたときに回路1の周囲に生じる磁束変化はその回路の自己インダクタンスをL1とすると次のようになります。

$$Φ=L_1I_1$$

また近くにある回路2に生じる誘導起電力も回路1が生じさせる磁束に比例するのでこのΦを用いて表すと、次のようになります。

$$|V_2| = M |\frac{dl_1}{dt}|$$

この時のMを「相互インダクタンス」といいます。

まとめ

  • 回路自身に発生させる起電力の度合いを「自己インダクタンス」
  • 回路に流れる電流が他の回路に発生させる起電力の度合いを「相互インダクタンス」

「自己」と「相互」と言われている意味がよくわかりますね。それぞれ言葉が似ているので、間違えないように注意しましょう。

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エコおじい

プラントエンジニアです。工業技術をどこよりも分かりやすく解説するをテーマに2017年から情報発信をしています。最近、Youtubeも始めました。応援していただけるという方は更新情報などを発信するので、Twitterのフォローお願いします。

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