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【ボイラー】小型貫流ボイラーの5つのメリットとは?

最近では、多くの工場で保有水量の多い炉筒煙管ではなく、小型貫流ボイラーが採用されています。

その理由は小型貫流ボイラーには多くのメリットがあるからです。今回は小型貫流ボイラーの5つのメリットについて解説していきたいと思います。

こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。

1. 小型貫流ボイラーとは?

小型貫流ボイラーは水管ボイラーの一種で、管の一方から水を送り込み、もう一方から蒸気を取り出す構造になっているものです。

大体、0.5~2.5t/h程度の蒸気を発生させるものを小型貫流ボイラーと呼んでいます。近年では、自動制御技術の進歩と共に非常に多くの工場で採用が進んでいます。

定価は公表されていませんが、一般的には1基2000万円程度で、メンテナンス契約と合わせて販売されていることが多いです。

小型貫流ボイラーについてプレゼン動画があったので載せておきます。

2. 小型貫流ボイラーのメリット

小型貫流ボイラーのメリットは次の5つです。

2-1. エネルギー効率がいい

小型貫流ボイラーは保有水量が少なくコンパクトなため、エネルギー効率が高いです。

最近では給水と排ガスを熱交換させるエコノマイザ(節炭器)がユニットとして設置されていることも多くエネルギー効率は97%程度です。

また、燃料をガスにすれば酸露点を気にせず水蒸気の凝縮潜熱も回収できるためボイラー効率が100%をこえることもあります。

【ボイラー】排ガスの熱回収をするときに考慮するべき酸露点とは?
【ボイラー】ボイラー効率って何?100%を超えるのはなぜ?

2-2. 負荷に合わせて台数制御が出来る

小型貫流ボイラーは1ユニットが小型なため、複数台を組み合わせることで負荷に合わせた運転を行うことが出来ます。

ボイラーに限らずですが、機器には最もエネルギー効率がよい状態で運転できるポイントが決まっています。

そのため、大は小を兼ねるという考えで機器を選定するとエネルギー効率が低下してしまいます。

小型貫流ボイラーの場合、負荷が小さい時は少ない台数で運転、負荷が大きい時は複数台で運転というように負荷に合わせた制御を行うことが出来ます。

かつて、自動制御技術が進んでいなかった時代は最大負荷に合わせた大型ボイラーを設置するというのが一般的でしたが、近年の制御技術の向上に伴い小型貫流ボイラーの代数制御が一般的になっています。

2-3. 保有水量が少なく起動が短時間

ボイラーを立ち上げるためには、蒸気を発生させるために内部の保有水を加熱しなければいけません。

炉筒煙管ボイラーの場合は、保有水量が何百Lもあり、それを加熱するのに時間がかかるため立ち上げ時間が長くなります。

小型貫流ボイラーの場合、パイプを通りながら液相から気相に変化するという構造なので保有水量が比較的少なくなります。

これにより、スイッチを入れてから蒸気が発生し始めるまでの立ち上げ時間を抑えることが出来ます。

イメージで言うと、大きな鍋で水を沸かすのと小さな鍋で水を沸かすのはどっちが早いかという違いです。

2-4. 取り扱うのに資格が不要

一般的にボイラーを扱うのはボイラー技士の資格が必要ですが、蒸発圧力1MPaG以下の小型貫流ボイラーの場合は資格が不要になります。

工場としては、常にボイラー技士を確保する必要がなくなり、人件費を削減することが出来ます。

資格が不要というのも、小さな工場で小型貫流ボイラーが普及している大きな要因です。

2-5. 設置スペースがコンパクト

小型貫流ボイラーは炉筒煙管ボイラーなどに比べ、設置スペースがコンパクトになります。

ボイラー室には給水タンク、給水ポンプ、軟水装置、脱酸素装置、蒸気ヘッダーなど様々な機器を設置する必要がある為、設置スペースの問題は重要です。

特に都市部の工場の場合、設置スペースにシビアなことが多いため小型貫流ボイラーが良く採用されています。

3. まとめ

小型貫流ボイラーの5つのメリットは

  • エネルギー効率がいい
  • 負荷に合わせて台数制御が出来る
  • 保有水量が少なく起動が短時間
  • 取り扱うのに資格が不要
  • 設置スペースがコンパクト

小型貫流ボイラーは非常に普及が進んでいますが、何十トンもの蒸気を連続的に発生させたい場合は大型のボイラーが採用されます。

それぞれ利点がありますが、一定規模までの工場では、小型貫流ボイラーを選んでおけば間違いないと言えるかもしれません。

その他ボイラーに関する記事はこちらになります。

【ボイラー】ボイラーとは何か、詳しく徹底解説します

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  • この記事を書いた人

エコおじい

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