配管に用いられるバルブの選定時に時折見かける「脈動水」「静流水」と呼ばれる用語があります。この記事ではこれらの用語がどのような状態の水を指しているか解説します。
清流水とは
清流水の定義は次のようになります。
- 静流水(steady flow)
- 定義:周期的な変動、脈動のない水流。温度、圧力、速度などが一定を示す状態の水を指します。(バルブ用語(JIS B 0100))
実際の清流水のイメージを以下の図を使って解説します。
図で配管中を流れている水は、各ポイント(点A-C)によって流速が異なります。
しかし、各ポイントでの初期状態(0s)での流速は30秒、1分と経過した後でも変化はありません。このように、各ポイントで水の速度は違いますが、時間変化によってその速度に変わりがない状態が「清流水」に相当します。
このイメージ図で取り上げたのは速度ですが、温度、圧力などが変化しない場合も同様に「清流水」に相当します。
脈動水とは
- 脈動水(pulsating flow もしくは unsteady flow)
- 定義:周期的に状態が変動する水流。温度、圧力、速度などが一定ではない状態の水を指します。(バルブ用語(JIS B 0100))
一方で脈動水の場合、各ポイントで時間変化に応じて水の速度が変化しています。先程と同様に脈動水のイメージを以下の図を使って解説します。
各ポイント(点A-C)によって流速が異なります。
さらに各ポイントでの初期状態(0s)での流速は時間経過によって変化していることがわかります。このようにある点での状態が変化する水を「脈動水」と呼びます。先ほどの「清流水」と同様に温度、圧力などが変化する場合も「脈動水」に相当します。
まとめ
- 静流水は速度や温度などの状態が時間によっての変化しない水。
- 脈動水は速度や温度などの状態が時間によっての変化する水。
- 「静流水」「脈動水」ともに、流れていく水の状態変遷ではなく、ある固定ポイントに流れ込んでくる水の状態変化を指す。
バルブなどの機器は使用条件により選定が変わる場合がありますが、状態を表す言葉の定義を十分に理解して選定しましょう。
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