配管

【配管】「静流水」「脈動水」の定義について解説

配管に用いられるバルブの選定時に時折見かける「脈動水」「静流水」と呼ばれる用語があります。この記事ではこれらの用語がどのような状態の水を指しているか解説します。

清流水とは

清流水の定義は次のようになります。

  • 静流水(steady flow)
  • 定義:周期的な変動、脈動のない水流。温度、圧力、速度などが一定を示す状態の水を指します。(バルブ用語(JIS B 0100))

実際の清流水のイメージを以下の図を使って解説します。

図で配管中を流れている水は、各ポイント(点A-C)によって流速が異なります。

しかし、各ポイントでの初期状態(0s)での流速は30秒、1分と経過した後でも変化はありません。このように、各ポイントで水の速度は違いますが、時間変化によってその速度に変わりがない状態が「清流水」に相当します。

このイメージ図で取り上げたのは速度ですが、温度、圧力などが変化しない場合も同様に「清流水」に相当します。

脈動水とは

  • 脈動水(pulsating flow もしくは unsteady flow)
  • 定義:周期的に状態が変動する水流。温度、圧力、速度などが一定ではない状態の水を指します。(バルブ用語(JIS B 0100))

一方で脈動水の場合、各ポイントで時間変化に応じて水の速度が変化しています。先程と同様に脈動水のイメージを以下の図を使って解説します。

各ポイント(点A-C)によって流速が異なります。

さらに各ポイントでの初期状態(0s)での流速は時間経過によって変化していることがわかります。このようにある点での状態が変化する水を「脈動水」と呼びます。先ほどの「清流水」と同様に温度、圧力などが変化する場合も「脈動水」に相当します。

まとめ

  • 静流水は速度や温度などの状態が時間によっての変化しない水。
  • 脈動水は速度や温度などの状態が時間によっての変化する水。
  • 「静流水」「脈動水」ともに、流れていく水の状態変遷ではなく、ある固定ポイントに流れ込んでくる水の状態変化を指す。

バルブなどの機器は使用条件により選定が変わる場合がありますが、状態を表す言葉の定義を十分に理解して選定しましょう。

配管

2024/7/7

【配管】ラプチャーディスクを設置する目的、安全弁との違いは?

産業施設やプラントの運用において、安全性を保つための圧力管理は非常に重要です。 過剰な圧力が発生すると、設備の損傷や事故の原因となり得るため、適切な圧力解放装置が必要です。 ラプチャーディスクと安全弁はその代表的な例ですが、それぞれの特徴や設置目的には明確な違いがあります。本記事では、ラプチャーディスクの設置目的と安全弁との違いについて解説します。 ラプチャーディスクとは ラプチャーディスクは、過圧保護を目的とした安全装置の一種です。主にプロセス産業や化学工場など、高圧の流体を取り扱う場所で使用されます。 ...

ReadMore

配管

2024/7/5

【配管】ストレーナに差圧計をつけるのはなぜ。設置するメリットは?

ストレーナは、流体システムにおいて異物や不純物を取り除くために使用される重要な機器です。 その中で、ストレーナに差圧計が設置されているのを見たことがある方もいるのではないでしょうか。本記事では、ストレーナに差圧計をつける理由について解説します。 ストレーナとは ストレーナは、流体(液体や気体)の中に含まれる固形物や異物を捕捉するための装置です。 流体がストレーナを通過する際に、フィルターが異物を取り除き、クリーンな流体だけが下流に送られます。これにより、ポンプやバルブ、熱交換器などの重要な機器が異物による ...

ReadMore

配管

2022/7/31

【配管】フランジ規格FFとRFの違い、使い分けは?

バルブや配管を接続するフランジにはJIS10Kなどの後ろにFFやRFという種別が記載されています。 低圧ではFFとRFでどちらを使っても問題ない場面が多いので使い分けが良く分からないという方も多いのではないでしょうか? この記事では、フランジの座面形状を表すFFとRFの違いについて解説します。 FFとRFの違い FF FFはFlat Face(フラットフェイス)の略で上の図のようにガスケットの座面を全面に仕上げたものを言います。主にJIS10K、JIS20K、JPI150、JPI300などの低圧で使用され ...

ReadMore

配管

2022/7/31

【配管】バッファータンクの役割とは?設置するメリットは

給排水系統や空気系統では負荷変動を抑えるためにバッファータンクが良く用いられます。 この記事では排水系統などで良く利用されるバッファータンクについて解説します。 バッファータンクとは バッファータンクとは気体や液体を一時的に貯留させるためのタンクです。レシーバータンクとも呼ばれ、給排水系統や空気系統などに設置されます。 バッファータンクを設けることで、設備のイニシャルコスト低減や工場の安定性を向上させることが出来、大きければ大きいほど変動許容率が上がります。 バッファータンクの役割 バッファータンクの役割 ...

ReadMore

配管

2022/7/31

【配管】バケットストレーナーとは何か、メリットデメリットを解説

ポンプや制御弁など重要な機器を保護するためにはストレーナーは必須です。 この記事では大口径の配管に良く採用されているバケットストレーナーとは何か、また、メリットデメリットについて解説します。 バケットストレーナーとは バケットストレーナーはバケット状のメッシュにて流体内の異物を取り除くための機器です。小口径で良く利用されるY型ストレーナに比べると大口径で利用されることが多い機器です。 内部のバケットは上部のカバーを取り外すことで取り出すことができ、定期的に洗浄を行うことで目詰まりなどを防止します。上部のカ ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

エコおじい

プラントエンジニア兼Webライターです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。ライティングなどのお仕事のご相談はXのDMからお願いします。

効率的に技術系資格取得を目指す方必見!当サイトおすすめの通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが最も重要です。

参考書だけでは分かりにくいという方には、全て解説動画で学べるSATの通信講座がおすすめです。日々の通勤時間など隙間時間を利用して無理なく効率的に学習を進めることが出来ます。

超シンプルで分かりやすいSAT『エネルギー管理士』

エネルギー管理士の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

他社と比較すると価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

熱分野レビュー 電気分野レビュー 他社との比較

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

最短で電験取得を目指すならSAT『電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

電験三種レビュー 他社との比較

技術系資格の最高峰SAT『技術士合格講座』

論文添削やZOOMマンツーマン指導が付いており、面接対策もWeb上で行うことが出来ます。また、テキストは毎年改定されているので常に最新の教材で勉強することが出来ます。

-配管

エネ管.comをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

© 2024 エネ管.com Powered by AFFINGER5