配管

【配管】バケットストレーナーとは何か、メリットデメリットを解説

ポンプや制御弁など重要な機器を保護するためにはストレーナーは必須です。

この記事では大口径の配管に良く採用されているバケットストレーナーとは何か、また、メリットデメリットについて解説します。

バケットストレーナーとは

バケットストレーナーはバケット状のメッシュにて流体内の異物を取り除くための機器です。小口径で良く利用されるY型ストレーナに比べると大口径で利用されることが多い機器です。

内部のバケットは上部のカバーを取り外すことで取り出すことができ、定期的に洗浄を行うことで目詰まりなどを防止します。上部のカバーはボルト止めが一般的ですが、メーカーによってはメンテナンス性などを考慮し、ワンタッチ式などのオプションを設けている場合もあります。

上部のカバーをワンタッチで取り外して内部のバケットを取り出す動画が分かりやすいので載せておきます。

配管の取合いや設置スペースなどにより、横置きや同芯、偏芯などを選択することになります。

ストレーナーのメッシュ数についてはこちらの記事をご覧ください。

【配管】ストレーナの選び方は?メッシュ数と使い分けについて

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バケットストレーナーのメリット

バケットストレーナーのメリットをまとめると次のようになります。

  • ろ過面積が大きく圧力損失が小さい。
  • 清掃が容易でメンテナンス性が高い。
  • Y型ストレーナーに比べ設置スペースが小さい。
  • 自動洗浄などのオプションがある。

ろ過面積が大きく圧力損失が小さい

バケットストレーナーはY型ストレーナーに比べろ過面積が大きくなるため、流体の圧力損失を小さくすることが出来ます。

ポンプの吸込配管などにストレーナーを設ける場合は、圧力損失によりNPSHaが小さくなりキャビテーションの要因となるため、圧力損失の低減は非常に重要です。

【ポンプ】NPSHとは何か。考え方、計算方法について解説します

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清掃が容易でメンテナンス性が高い

メンテナンスは上部のフタを取り外し、中のバケットを洗浄するだけなのでメンテナンス性の高い機器になります。但し、大口径の場合は上部のフタの重量が大きいため、吊りフックなどを別途設ける必要がある場合もあります。

Y型ストレーナーに比べ設置スペースが小さい

大口径の場合、Y型ストレーナに比べると、平面的な設置スペースを小さく抑えることが出来ます。高さ方向は大きくなりますが、建屋内など設置スペースが限られる場合にはバケットストレーナーが採用される場合が多いです。

自動洗浄などのオプションがある

アクチュエーターなどを設置し、自動化システムを構築することで自動洗浄を行う場合もあります。コストはかかりますが、重要機器の保護やメンテナンス頻度の高い機器に導入することでプラントの安定稼働につながりますs。

バケットストレーナーのデメリット

バケットストレーナーのデメリットは次の2つです。

  • コストが高い。
  • 小口径の場合はY型ストレーナーに比べ設置スペースが大きい。

コストが高い

Y型ストレーナーと比べるとバケットを格納するためのボディが大きくなるため、コストが高くなります。

また、メンテナンス性を高めるためのオプションなども豊富にある分、利便性を取ればコストは上がります。

Y型ストレーナーに比べ設置スペースが大きい

小口径の場合はY型ストレーナーに比べ、若干設置スペースが大きくなります。そのため、メッシュの取り出し部分をレンチで容易に取り外すことが容易な口径(15A~50A程度)であればY型ストレーナーを採用する場合が多いです。

まとめ

  • バケットストレーナーはバケット状のメッシュで異物を取り除くための機器。
  • 圧力損失が小さく、メンテナンス性が高いがコストが高い。
  • 大口径の場合に良く採用される。

バケットストレーナーは非常に構造がシンプルでメンテナンス性の高い機器です。

是非、Y型ストレーナーとのコストなども考慮しながら採用を検討してみてはいかがでしょうか。

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エコおじい

プラントエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。現在、5つのブログを運営中。毎月収益レポートを公開しています。是非、Twitterのフォローお願いします。



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