ボイラーを運転させるうえで装置を安全に稼働させることは非常に重要です。
今回はボイラーの制御について書いていきたいと思います。
ボイラーの制御で重要なことは?
ボイラーの制御を行う場合、大きく分けて次の3点を注意する必要があります。
- ボイラーの水位
- 燃料の燃焼状態
- 安全装置
それぞれについて見ていきましょう。
ボイラーの水位
ボイラー水位は、少なすぎると過熱になり燃焼管にダメージを与え、多すぎると蒸気と一緒に水分が運ばれるキャリーオーバーが発生します。
前者ではボイラーそのものの安全性を低下させ、後者では配管の腐食や穴あきを促進させてしまいます。
そのため、ボイラーの水位を保つために「水位がある点より低くなると給水を開始して、高くなると給水を停止させる」という二位置制御や水位を一定に保つための比例制御が行われます。
かつては水面計を見ながらボイラー技士が管理していましたが、今は自動化されることが一般的です。
【自動制御】オンオフ弁を用いた二位置制御とは?比例制御とは違う?
続きを見る
燃料の燃焼状態
燃料を完全に燃焼させるためには、空気比の管理が重要です。空気が過剰に入るとエネルギー損失になり、少なすぎると不完全燃焼になります。
空気比って何?という方はこちらの記事をご覧ください。
【ボイラー】空気比って何?計算や管理・制御方法について
続きを見る
空気比を変更する場合、ダンパー開度(またはファンの回転数)と燃料流量の設定比率を変更するという事になります。
燃料を空気と混ぜ合わせ、完全燃焼させる方法としては一般的に比率制御が利用されます。
【自動制御】比率制御って何?どんな時に使うの?
続きを見る
比率制御は供給する燃料の量が増えれば、一定の比率で供給する空気の量も増やすという制御です。この時、どの程度の比率で空気を供給するかを決めるのが空気比です。
空気比を管理するのは、空気比を変更しながら不完全燃焼による黒煙が発生せず、排ガスの熱損失が最小になるポイントを探るという事になります。
安全装置
ボイラーのトラブルは、重大な人身事故につながる危険性があるため、様々な安全装置がかけられています。
ボイラーを点火する場合、シーケンス制御が組まれますが、少しでも異常が検知されると次の動作にいかず、作動が停止するという回路が組まれています。
これをインターロック回路と言います。
【制御盤】インターロック回路とは。作り方や事例について解説します
例えば
- 点火して一定時間経過しても燃焼が確認できない。
- 給水を開始してもボイラーの水位が上がらない。
- バーナーが失火してしまった。
などが運転中に発生すれば、それらを解消するまでボイラーの起動がかけれなくなります。
まとめ
- ボイラーの制御で重要なポイントは水位、燃焼、安全装置。
- 水位は過加熱、キャリーオーバーの防止。
- 燃焼状態は環境汚染、エネルギーロスの防止。
- ボイラー回路には様々なインターロックがかけられている。
ボイラーの本を読んだので、自動制御に関する箇所を簡単にまとめてみました。
その他ボイラーに関する記事はこちらになります。
【ボイラー】ボイラーとは何か、詳しく徹底解説します
続きを見る