流量計について調べたときに、歯車が2つ回る構造のものを見たことがありませんか?
今回はいくつかある流量計の型式の中の一つ、容積式流量計について詳しく解説します。
容積式流量計とは?
容積式流量計には、流量検出部に楕円状の歯車が2つ設置されています。
図で言うと、左から右に流体が流れることで歯車が回り、歯車上部分と下部分を流体が交互に流れていきます。
なぜ容積式と呼ぶかですが、升(ます)がよく例えに用いられます。水やお米を図るイメージをしていただきたいのですが、升で何リットル、何合と計りますよね。容積式流量計も、歯車上下のスペースが決まっていて、歯車の回転数をカウントすればいくらの体積分の流体が流れたか計測できるという測定原理をしています。
歯車の回転数は通常、パルス信号として出力されカウントされます。
他の差圧式流量計や超音波式流量計などを思い出していただきたいのですが、これらは流体が流れる時に発生する物理現象を利用・換算して、流量値を出していました。
一方で、容積式流量計は升で直接測っているのと同じなので、体積を直接測っている唯一の型式と言えます。
液体の計測が得意で、高粘度の流体計測に威力を発揮します。また少ないですが、ガス用の容積式流量計もあります。
似た構造のものに羽根車式流量計やタービン式流量計というものがありますが、こちらは回転する部品が一つだけです。回転数が流れる流体の体積流量に比例することから流量を計算します。皆さんのご家庭の水道メーターにはこのタイプが多く用いられています。
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容積式流量計のメリット
容積式流量計は一般に以下のようなメリットがあるとされます。
- 容積を直接計測するため高精度。指示値に対して0.5%の精度、高いものでは0.2%のものもある。
- 省電力なため電池でも動く、電源が必要ない。
- 高粘度の流体計測に強い(高粘度の方が精度が上がる)。
- 流体分布が測定に関係ないので、流量計前後の直管長を気にしなくてよい。
原理的にも分かりやすいので、故障を検知するのも簡単そうですね。
容積式流量計のデメリット
一方、容積式流量計には以下のようなデメリットもあります。
- 異物に弱いため、ストレーナなどでゴミが歯車に噛み込むのを防ぐ必要がある。
- 回転部の摩耗があるため、定期的な検査・交換が必要。
- 大容量を計測したい場合、大型化する。
- 低粘度流体では精度が落ちる(ガス用で精度が指示値1%)
体積流量を機械的に測定するため、機械的に不良が発生しないように対策してやる必要があります。
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まとめ
- 容積式流量計は流体の容積そのものを計測するタイプ
- 高い精度が求められる液体計測用に用いられる
容積そのものを測るということで、流量計の中でも歴史の長い部類に入るようです。高精度測定が必要な場面では検討をしてみてください。
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