ボイラー

【ボイラー】炉筒煙管ボイラーのメリット、デメリットとは?

ボイラーの代表的な種類の一つに「炉筒煙管ボイラー」があります。

最近では、新たに入れることの少なくなったものですが、今回は炉筒煙管ボイラーのメリットやデメリットについて解説してみたいと思います。

こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。

炉筒煙管ボイラーとは

炉筒煙管ボイラーとは、水を入れた円筒の中に煙管を複数通し、燃焼室のガスを通すことで蒸気を発生させるボイラーです。

丸ボイラの一種で熱源としては、重油やガスが一般的です。

最近では、大型工場以外では効率のいい貫流ボイラーが設置されることが多く、新規に炉筒煙管ボイラを入れることは少なくなりました。

炉筒煙管ボイラーの内部構造についてはこちらの動画が分かりやすいので載せておきます。

【ボイラー】小型貫流ボイラーの5つのメリットとは?

続きを見る

炉筒煙管ボイラーのメリット

炉筒煙管ボイラーのメリットは次のようになります。

  • 負荷変動に強い
  • 大容量でキャリーオーバーが発生しにくい
  • 保有水量が多いので水質管理が容易
  • 蒸気の乾き度が高い

炉筒煙管ボイラーの強みは、保有水量が多いので小型貫流ボイラーに比べると安定性が高いです。

また、数トン単位の大容量の蒸気を発生させることを前提にするため、長期に連続運転をする工場に納入されることが多いです。

キャリーオーバーはボイラーから水分が、蒸気と一緒に運ばれていくことを言います。キャリーオーバーが発生すると、蒸気の流速で水分が流れていくのでバルブや配管などの機器寿命を低下させる要因になります。

【ボイラー】ボイラー水の水処理とは?しないとどうなる?

続きを見る

炉筒煙管ボイラーのデメリット

一方、デメリットは次のようにないます。

  • 放熱が多い
  • 貫流ボイラーに比べ、ボイラー効率が悪い
  • 小型貫流に比べ起動時間が長い

メリットと関係するものが多いですが、保有水量が多いので安定性があるかわりにロスも多いです。

例えば、大量の飽和水をタンク内に貯湯しているため、貫流ボイラーに比べると放熱が大きくなります。

また、それにより燃料から蒸気にどれだけエネルギーが移ったかを示すボイラー効率も低くなる傾向があります。小型貫流ボイラーが96%程度をうたっているのに対し、炉筒煙管は85~95%程度になっています。

ボイラー効率をすこしでも上げるためには燃料をガス化し、エコノマイザを設置する必要があります。

【ボイラー】ボイラー効率って何?100%を超えるのはなぜ?

続きを見る

【ボイラー】エコノマイザとは何か。空気予熱器との違い、メリット計算方法は?

続きを見る

まとめ

  • 水を貯めた円筒の中に煙管が多くあるボイラー。
  • 炉筒煙管ボイラーは大容量で負荷変動に強い。
  • その分、起動に時間がかかり効率が悪くなる傾向がある。

以上、炉筒煙管ボイラのメリットデメリットについてでした。

その他ボイラーに関する記事はこちらになります。

【ボイラー】ボイラーとは何か、詳しく徹底解説します

続きを見る

  • この記事を書いた人

エコおじい

プラントエンジニア兼Webライターです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。ライティングなどのお仕事のご相談はXのDMからお願いします。

効率的に技術系資格取得を目指す方必見!当サイトおすすめの通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが最も重要です。

参考書だけでは分かりにくいという方には、全て解説動画で学べるSATの通信講座がおすすめです。日々の通勤時間など隙間時間を利用して無理なく効率的に学習を進めることが出来ます。

超シンプルで分かりやすいSAT『エネルギー管理士』

エネルギー管理士の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

他社と比較すると価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

熱分野レビュー 電気分野レビュー 他社との比較

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

最短で電験取得を目指すならSAT『電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

電験三種レビュー 他社との比較

技術系資格の最高峰SAT『技術士合格講座』

論文添削やZOOMマンツーマン指導が付いており、面接対策もWeb上で行うことが出来ます。また、テキストは毎年改定されているので常に最新の教材で勉強することが出来ます。

-ボイラー

エネ管.comをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

© 2024 エネ管.com Powered by AFFINGER5