電気機器を扱っていると「ヒューズが飛んだ!」なんてことを聞いたことがあるのではないでしょうか?
最近ではヒューズを使うことはほとんどありませんが、いまだに古い工場や家屋ではブレーカーではなくヒューズが使われていることもあるようです。今回は「ヒューズが飛ぶ!」とはどういうことかについて詳しく解説してみたいと思います。
こちらの記事は動画でも解説しているので、動画の方がいいという方はこちらもどうぞ。
1. ヒューズが飛ぶとは?
「ヒューズが飛ぶ」とは、ヒューズに容量以上の電流が流れることで内蔵している合金部品が溶けて切れてしまった状態のことを言います。
ヒューズはブレーカーと同じ目的で、装置を過電流から保護する役割があります。ヒューズが飛ぶことによって、過電流による機器の発火や焼損などを防いでいます。
ヒューズに使われる合金としては、いわゆるはんだ付けに利用するような鉛、スズ、ビスマス、アンチモン、インジウム、カドミウムなどを混ぜたものが一般的です。ヒューズに一定以上の電流が流れることでジュール熱が発生し、金属部分が溶けて回路が切れます。
こちらの動画でヒューズが飛ぶ瞬間を見ることができます。
2. ヒューズが飛ぶ原因
ヒューズが飛ぶ原因としては次の3つが考えられます。
- ショート
- 機器の過負荷
- 漏電
複数の電線が束ねられて、被覆が剥がれてしまったりするとそこで回路が形成されてショートします。抵抗がほとんどないため、大量の電流が流れます。
また、電動機であればゴミ噛みが発生して過負荷状態になったり、回路のどこかから漏電が発生すると過電流が流れることになりヒューズが飛んでしまいます。
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3. ヒューズが使われなくなった理由
最近ではヒューズはほとんど利用されていません。
ヒューズは価格も安く交換も容易ですが、一度切れたら交換する必要が出てきます。それに比べブレーカーは、同じように過電流で回路を遮断できる上にスイッチを上げれば元通りに復帰することができます。
わざわざヒューズを利用するぐらいならブレーカーや漏電遮断器を利用したほうが便利という訳ですね。
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4. まとめ
- ヒューズが飛ぶとは過電流で合金が溶けて切れること
- ヒューズが飛ぶ原因はショート、過負荷、漏電等
- ヒューズは使われずブレーカーが使われている
スイッチ操作を行う配線用遮断器のことを、三菱電機の呼称で「ノーヒューズブレーカー」なんて呼びますが、これはヒューズの入っていないブレーカーという意味です。
「ヒューズが飛ぶ」という言葉を聞くことはこれから少なくなっていきそうですね。
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