プラント業界で働いている自分が転職するとしたらどんな転職先があるのか気になることはないでしょうか。
この記事では、プラント業界で働く人やプラント業界に転職したい人に向けて実際に長年働いている転職経験者の私がプラント業界の転職事情を徹底解説しています。
こんな方におすすめ
- プラント業界の転職事情が知りたい。
- プラント業界に就職、転職したい。
- プラント業界に転職すべきかどうか悩んでいる。
- プラント業界で働いているけど、どんな転職先があるのか知りたい。
そもそも、プラント業界って何?という方はこちらの記事に詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
【業界研究】プラント業界とは?詳しく徹底解説します
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プラント業界での転職パターン
まず、プラント業界の企業を次のように分けて、それぞれで働いている場合の転職先について記載します。
- EPC
- サブコン
- 工事
- 商社
- メーカー
EPCからの転職
EPCからの転職先はEPCの同業他社やメーカーが多いです。
メーカーの中でも特に大手化学メーカーや石油精製など自社プラントを運営しているプラントオーナー企業では、必ず設備保全や生産技術などでは設備の知識が必須なためEPCの経験を十分に活かしながら働くことが出来ます。
また、様々な顧客を相手にするEPCは部署によって出張が多い場合がありますが、プラントオーナー企業の場合は自社設備の保全が主なので出張も少なく、勤務地を限定出来ます。
逆に同じメーカーでも、機器メーカーの場合は設備に関する知識より自社製品に関する知識が多く求められるため、活かせる経験は限定されます。ただ、業界内であれば顧客となる企業での業務経験は必ず活かせるので転職先としては十分に検討出来ます。
同業他社以外でも生産工場やプラント建設を手掛ける大手ゼネコンやハウスメーカーであれば、EPCの経験を活かしながら転職出来ます。
EPCからの転職先
- EPC同業他社
- 化学、食品、石油精製などのプラントオーナー
- ゼネコン、サブコン、大手ハウスメーカー
- 発電所や水処理場などのインフラ
- プラント機器メーカーの技術部門
- メーカーの生産技術、設備保全
サブコンからの転職
サブコンからの転職もEPC同様に同業他社やメーカーへの転職が多いです。転職理由としては、勤務地や勤務時間が不規則で生活が不安定なので、それらを解消するために転職するというものが多いです。
サブコンではEPCと同様に生産設備に関する知識や工程管理など建設工事全体が把握できるという強みがあるので、それらを活かせば同職種転職は容易です。
ただ、サブコンは勤務体系が不規則な分、出張や残業手当も多く転職により年収が下がったという話をよく聞きます。転職する場合は年収が下がる場合が多いことも考慮しておく必要があります。
転職先としてにEPCと同じようなイメージです。
サブコンからの転職先
- EPC、ゼネコン、サブコン等の同業他社
- 化学、食品、石油精製などのプラントオーナー
- ビル、病院、大型商業施設などの設備保全
- プラント機器メーカーの技術部門
- メーカーの生産技術、設備保全
工事からの転職
工事を専門に行う部署や企業で働いている場合は、工事部門がある企業であればどこでも同職種転職が出来ます。メーカーでも大型機器を販売している企業であれば工事部がある場合が多いです。
施工管理などをやっていて、現場常駐を避けて生活を安定させたいという場合はメーカーの技術職などの別職種で転職活動をすることになりますが、その場合は年齢がネックになってくる場合があるので、出来るだけ早めに活動されることをお勧めします。
施工管理であれば、募集している企業も多く業界内で引く手あまたな印象です。また、内勤がほとんどの設計職としても適正があれば、工事が分かる人材ということで活躍できる可能性が高いです。
工事会社からの転職先
- EPC、ゼネコン、サブコン等の同業他社
- メーカーの設備保全
- 工事部門があるメーカー
- 施工管理全般
商社からの転職
商社からの転職は営業職になる場合が多いので、適正次第でどの企業にも転職することが出来ます。
商社からメーカーに転職する場合は扱う製品の数が減る分、技術的な対応が求められる機会も増えるので相応の勉強は必要ですが、基本的な仕事内容は変わりません。ただ、商社の営業職から設計などの技術職に転職している方は私の周りでは見たことがありません。
一方、同じ営業職でもEPCやゼネコンの営業は機器単体を売るわけではなく、法律の知識などが求められるため、業務内容は結構変わります。
商社からの転職先
- 同業他社
- メーカー等の営業職全般
メーカーからの転職
メーカー技術職の場合は、自社で扱っている製品に関する知識が多く業務領域が狭く深い場合が多いです。よって業務領域がどの程度転職希望先と被るかによって経験が活かせるかどうかが変わります。
同じプラント業界でもメーカー技術職とEPCでは製造業と建設業という違いから業務範囲が大きく異なるので、年齢が高くなればなるほどEPCなど異職種への転職は難しくなります。
逆にプラントオーナーであるメーカーで設備に関する仕事をしている場合は業務が似ているためEPCやゼネコンへの転職は良く聞きます。営業職の場合は同業界の商社や他メーカー営業職として転職することもできます。
同じメーカーでも働いている企業によって、求められる能力が大きく変わるのが特徴です。
メーカーからの転職先
- 同業他社
- メーカーの生産技術、設備保全
- EPC、ゼネコン
- 同業界の商社
プラント業界での転職適正年齢
次にプラント業界で転職する場合の適正年齢について考えてみます。転職の適正年齢に明確に決められた基準はありませんが、周りを見ている同じ業界でも別の職種へ転職したい場合は年齢による採用ハードルがかなり高くなると感じます。
同業界同職種
同業界同職種であれば業務領域が特殊すぎるというわけでなければ転職適正年齢は関係ありません。
転職年齢の限界が35歳なんて言われますが、40歳を超えて転職をしている人も多くいるので全く気にしなくて問題ありません。特に2回目、3回目の転職であれば転職先とのギャップを感じることも少ないのでより転職しやすくなります。
何歳以上であればマネージメント経験が求められるという話もありますが、プラント業界の場合はマネージメント層が高齢化していることも多く30代であれば特にそんなこともないように思います。
転職を考える場合は、当然ですが同業会同職種転職が一番容易です。
同業界異職種
同業界異職種の場合、個人的には同じ業界であっても30代前半を過ぎるとかなり転職が厳しくなるのではないかと思います。
プラント業界は比較的年功序列色の強い業界なので、転職者は新卒入社組で同年代の人たちと同等の水準で入社する場合がほとんどです。どの企業でも異職種の場合は入社後1~3年は転職先の仕事を覚える期間になりますが、年齢を重ねれば重ねるほど比較対象とされる人たちとの業務経験の差が開いていきます。
同業界でも異職種の転職をしたいという方は年齢を強く意識する必要があります。私は30手前で転職しましたが、周りを見てみると、ちょうどいいタイミングだったと感じています。
【転職】同業界、異職種転職のメリットデメリットについて
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異業界同職種
異業界同職種の場合は、職種によって適正年齢は変わり、技術職であれば20代前半、営業職であれば実績によるというイメージです。
ただ、色々と内情を聞いていると営業職と言っても異業界の場合は目を引くような実績や余程の人手不足でなければ書類選考の段階で落とされる場合が多いようです。同じ職種であってもやはり業界特有の知識が求められる場合は、同業会であるかどうかが重要です。
異業界異職種
異業種異職種の場合はキャリア採用として入社するのはかなり厳しいので、専門知識が求められない出来る限り若い20代前半の第二新卒枠でポテンシャル採用になります。
プラント業界はBtoB(企業対企業)が基本で業界特有の知識や経験が求められるため異業界異職種の転職者を見たことがありません。
ただ、人手不足であればポテンシャル採用される場合もあるので、異業界異職種の場合はエージェントなどを活用し、内部事情を良く聞いておくことをお勧めします。
プラント業界で転職先を選ぶポイント
プラント業界に限らず、転職を検討する場合に最も重要なことは、自分が転職をすることで何を実現したいのかということです。実現したいことを明確にして、それらを軸に企業を探すことで自分に合った転職先を見つけることが出来ます。
勤務地
中途採用の場合は新卒採用と違い、勤務地が最初から決められている求人も多いので、それらを良く調べながら希望の勤務地で働くことが可能かよく確かめましょう。
EPCであれば大都市近郊が多く、メーカーであれば工場が立ち並ぶ地方都市での勤務になる場合が多いです。
新卒の時はあまり重要にならなくても、年齢を重ねると新たな家族が出来たり、親の年齢の問題があったりと何かと居住地が重要になってくる場合が多いので勤務地は転職先を考える上で重要な要素になります。
年収
プラント業界の企業は、古い産業であるため年功序列の企業が大きく、社内であまり給与に差がついていないことが多いです。ビジネスの規模が大きく、期間が長いので評価に差をつけにくいというのも理由の一つです。
転職の場合、多くは社会人経験と年次により給与がほぼ自動的に決まることが多いです。そこで、プラント業界で年収を上げるためには口コミサイトなどで平均年収を良く調べ、より高い企業に入社することが重要です。
また、額面上の提示収入は同じでも、残業時間の考え方や出張手当、福利厚生など企業によって考え方が大きく変わるので事前にある程度想定しておくことをお勧めします。
職種、業務内容
転職の目的が職種の変更や業務領域の拡大という場合は、希望した職種で入社できるのか良く確認しておきましょう。
同じ名前の部署でも企業によって業務上の役割が違う場合があるので、自分のイメージしている業務と実際の業務に乖離がないかを面接が進んだ段階で良く確認しておく必要があります。
自身の職務経歴を考えたときに業務内容に一貫性があるかで今後のキャリアは大きく変わります。
出張頻度、勤務体系
プラント業界では職種によっては業務が現場ありきとなり、出張頻度が多い場合があります。
実際に働くとどの程度出張があるのか、また、それが自身の理想とする生活上許容できるのかを入社前によく検討しておく必要があります。
勤務地を限定するために転職したのに、1年の大半をホテル暮らしになってしまっては本末転倒です。出張頻度や勤務体系に関する情報は転職前に入手しておきましょう。
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プラント業界の転職に英語力や資格は必要か
プラント業界で働く上でどの程度英語力や資格が求められるかについて記載します。
英語力について
プラント業界と聞くとグローバル企業が多く、英語力が必要になると思われている方も多いですが、これはその企業のビジネスモデルによって大きく異なります。
例えば、同じプラント業界の企業でも顧客の多くが海外という場合は、必然的に英語でのやり取りが求められる機会も多く、中途採用では英語力が求められます。
一方で、プラントは日本国内にも数多くあり、それらの改修や保全、更新などを主として取り扱っている企業では英語力は余り求められず、英語を使う機会も少なくなります。
また、同じ企業でも英語力が求められる海外プラント専門の部署とそうでない部署で全く業務が異なります。英語力を活かしたい場合は、英語力が求められる企業で英語を扱う部署に配属されるように希望を出して転職活動をする必要があります。
ただ、最近では昇進にTOEICの点数が条件になっている企業もあり、入社後に勉強を求められる可能性はあるので、そのあたりはある程度覚悟しておいて方が良いかもしれません。
資格について
プラント業界での転職では電気主任技術者など特殊な職種でなければ資格が必須になっているものは少ないですが、該当資格の保有者歓迎というものは良く見ます。
資格を持っていないと就けない仕事ではなくても、資格を保有していることで一定の知識量は担保され、自己啓発に取り組めるということで評価される場合がほとんどです。
プラント業界の資格で持っていると有利になる資格をこちらの記事にまとめています。
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プラント業界で働く人の学歴
中途採用の場合は、学歴よりも経歴が重視されますが、それでもある程度は部署配属などに学歴は検討要素に入っているように思います。ここではプラント業界で働く人の学歴について書きます。
機械系大学院卒の割合が高い
プラント業界で総合職として働いている人の中で最も多いのが工学部機械系の大学院卒の人です。ただ、大学院を出ていないと採用されないというわけではなく、理系の学生は大学院進学率が高いので結果そうなっているという感じです。
上流工程に行くほど学歴は高くなる
企業によって変わるかとは思いますが、実際に働いている人たちの大学名を見ると設計などの上流工程に行くほど偏差値の高い大学出身者が多いように思います。
これは業務内容的に書類仕事が増え、いわゆる学生時代に勉強が出来た人の方が活躍しやすい領域だからだと考えられます。逆に現場対応力やコミュニケーション能力の高い人は書類仕事よりも施工管理などの方が活躍できると言えるため、学歴は余り重視されていないように思います。
出張手当、残業手当などの特殊事情を除くと給与にも差がないので、自分がどちらで働きたいかによりますが、上流部門を希望する場合はある程度の学歴は見られると思っておいた方がいいでしょう。
生命、農学系も意外と多い
最も多いのは機械系ですが、意外と生命、農学系の出身者が多いのも特徴です。
これは、プラントと一言で言っても様々なジャンルがあり、バイオや水処理系の分野では生物の専門知識が活かせることがあるというのもひとつですが、プラント業界の業務の大半は高校の物理化学や大学学部の材料力学などの知識があれば対応できるため、知識の不足分は働きながらでも十分に学べるというのも理由として上げられます。
業界としては専門的ですが、あくまで使う知識が基礎教育で学ぶ内容の組み合わせであることが多いのがプラント業界の特徴の一つです。
プラント業界で有利な条件で転職する方法
プラント業界で転職する方法は大きく分けて次の3パターンになりますが、人によって有利に転職できるものが変わります。
リファラル採用
最も有利な採用方法はその企業で働いている人からのリファラル(紹介)採用です。最近では多くの企業で積極的にリファラル採用を行っており、公式に募集していない場合でも社内の推薦があるかないかで人事の見る目は大きく変わります。
企業としても転職エージェントへの仲介手数料が不要で業務領域が近く、入社後も長く働いてもらえる可能性が上がるため、積極的に採用していきたい方法です。もし、転職希望先で働いている人がいればリファラル採用制度を用いて紹介してもらうのが一番です。
また、内部に知り合いがいれば自分が転職で実現したいことの条件に当てはまるのかも確認できるため、転職活動としては最も強力です。
転職エージェント
リファラル採用の手段が取れず、相手企業の社内事情が分からない場合は転職エージェントを活用するのもおすすめです。転職エージェントは採用する企業にとってはコスト増になりますが、求職者は無料で利用することが出来るためデメリットはありません。
初めての転職であれば全体の流れが分からないことも多いですが、一番最初の職務経歴書の作成から手伝ってもらえるので、周りに相談できる人がいないという場合にはおすすめの方法です。
エージェントを利用する場合は、ミスマッチが起こらないように一度電話や面談で実際に話をしてみて自分の現在の仕事や強みを良く理解してくれる人かどうかを確認するのが良いかと思います。
直接応募
普段取引がある企業など転職先の業務内容が良く分かるという場合は、企業のWebサイトに併設されている中途採用ページから直接応募するのもありです。
企業としてはより自社に興味があるということが良く分かり、コストもかからないので会ってくれる可能性が上がります。
もし募集していなかったとしても、書類を送れば希望の部署での採用を検討してもらえる場合もあるので、積極的に応募しておきましょう。
プラント業界での転職の流れ
プラント業界に限らずですが一般的な転職の流れについて書きます。
転職理由の明確化
まず、最初にやることは転職で何を達成したいのかを明確にすることです。
転職活動を行うからには自分にとって達成したいことがあるわけですが、それらを明確にしておかないと企業選びを行う際に絞ることが出来ずターゲットが定まりません。
自分にとって転職で達成したいことは何なのかを明確にし、スクリーニングをかけることで最適な会社が定まります。転職と言えば勧めている人も多いですが「転職の思考法」は転職の目的を明確化するのに役立ちます。
家族がいる方であれば、家族も含めて転職で何を実現したいのかを話し合っておくことをお勧めします。
職務経歴書、履歴書の作成
次に職務経歴書を書きます。職務経歴書の書き方によって書類審査が通るか通らないかが決まるので非常に重要な項目です。
プラント業界の場合は、自分の希望する職種は何なのか、これまでの経験がその業務のどんなところに活かせるのかを明確に書けば書類審査で落ちることはなくなります。
当然、希望職種の業務内容や求められる能力を深く知っていればそれだけ有利になります。職務経歴書は自分で確認するだけではなく、提出する前に第三者に読んでもらい、表現的におかしいところはないかチェックしてもらうことをおすすめします。
特に最初の転職の場合、普段、自分の業務が社内のみで役立つものなのか社外でも使えるのかは意識していないと分からない場合が多いです。その場合は、転職エージェントなどのサービスを利用して自身の業務経歴を棚卸していく作業が非常に重要です。
職務経歴書は一度いいものを作成すれば、使いまわしが出来るので時間を掛けてでも納得のいくものを作成されることをお勧めします。プラント業界の職種や仕事の内容についてはこちらの記事に書いています。
【業界研究】プラント業界とは?詳しく徹底解説します
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職務経歴書の注意点
- 実績は数字で示す。
- 文章を簡潔にして誤字脱字をなくす。
- 第三者に見てもらう。
- 志望動機以外はどこにでも出せるよう工夫する。
職務経歴書の書き方にはルールがあるので初めて作成する場合は一冊ぐらいは書籍を読んでおいた方が良いです。
企業探し
勤務地や職種、収入など自分が求めるものと合致する企業を探します。
ビズリーチなどの転職サイトなどに登録すると、エージェントから求人情報が届くので利用するしないに関わらず企業探しツールとしては便利です。複数社経験している方は良く分かると思いますが、口コミサイトの情報は実際に働いていた人の声ということで、かなり実態を表していることが多いです。
転職で実現したいことが明確であればあるほど、自分に合う企業も減っていくので、応募する企業に迷わなくて済みます。
応募
企業に履歴書と職務経歴書を送付します。転職エージェントを利用する場合はエージェント経由で企業に送ります。
直接応募する場合は企業によって応募フォームがある場合や紙で送付させるところなど様々なので、企業のキャリア採用ページを見てみましょう。
SPIなどの試験
書類審査が通れば多くの企業では基礎学力を見るためにSPIなどの試験が行われます。
私が転職活動をしたときは「SPIノートの会」という本を一通りやりました。就職活動の時にやったことがある方も多いかもしれませんが、久々にやってみると忘れているような知識も多いので、一通りは読んでおいた方がいいかと思います。舐めてかかると結構落ちます。
SPIがあるかどうかは、それまでの経歴や採用されるポジション、企業の方針によって変わるところです。
面接前準備
面接が決まれば事前に企業の事を良く調べて、面接で聞かれることを想定しておきます。
希望している企業が上場している場合は投資家向けに公開している中期経営計画や決算説明資料をよく読み、アピールできるポイントを確認しておきましょう。面接前にどれだけ情報収集が出来るかで、面接の合否はかなり決まると思います。
面接
面接回数は企業によってまちまちですが大体2回程度+最終役員面接の計3回程度を設定している企業が多いです。
私が実際に面接時に聞かれた質問としては次のようなものでした。年齢や採用ポジションによって聞かれる内容は変わると思いますが、30歳前後の方であれば同じような内容もあるのではないかと思います。
これらの質問には面接前の段階で即答できるぐらいには情報収集を行い自分の頭の中を整理しておくことをお勧めします。
面接で聞かれたこと
- これまでの職務経歴を簡単に説明してください。
- なぜ転職をするの?転職を考えたきっかけは?
- 今の会社では実現できないことが当社では実現できるの?
- 同業他社の中でなぜ当社なの?
- あなたの仕事は当社の何処で活かせるの?
- 今の当社の課題は?また、それに対してあなたが貢献できることは?
- 現在の仕事で苦労した経験は?
- 転職を相談した時の家族の反応は?
- 最後に何か質問はありますか?(逆質問)
条件提示
面接を通過して採用されると労働条件書によって基本給や手当の金額が提示されます。希望の年収がある場合は年収交渉をして、両者が合意すれば転職活動は終了です。
プラント業界内の転職で実現できたこと
転職は職場環境が一転するので慣れるまでは色々としんどいですが、その分得られるものも多いです。ここでは、私自身が転職によって得られたこととしんどかったことについて書きます。
実現できたこと
専門領域が拡大した
私の場合は同業界異職種の転職だったため、業務上求められる専門知識がかなり変わりました。
ある程度の期間働いて仕事に慣れてくると、仕事で使う大体の知識は習得したように感じますが、実際はその会社のそのポジションに求められるものを習得しているだけで、会社が変われば顧客からの見方や求められるものが全く変わるということを感じました。
慣れた仕事をしながら、休日などを利用し、自己研鑽で新たな分野を勉強するのも一つですが、学びたい分野があるのであれば仕事そのものをその領域の知識が求められるものに変えてしまえば飛躍的に成長することが出来るということも強く感じました。
年収が上がった
転職時に企業から提示された年収は、転職前と余り変わりませんでしたが、実際には残業時間や勤務時間の考え方、福利厚生により、同じ時間働いていてももらえる給与の額が遥かに上がり額面にすると、年収が1.4倍になりました。
同じ業界で仕事をしていてもこれだけ収入が変わるので、転職を検討される際には企業が公開している平均年収を良く見て考えた方がいいように思います。
生活が安定した
私の場合は、転職前と比べ出張の頻度が著しく減ったため、日々の生活が安定しました。また、EPCの場合は案件の工程が長くある程度業務を自分でコントロールできるため、休みの計画なども取りやすくなりました。
家族がいて、子供が小さい場合は生活の安定というのは人生の充実度がかなり上がります。
キャリアが広がった
1社目と2社目の経験があれば、業界内での経験領域がかなり広がるので、家庭の事情等で3社目に転職することになった際に職に困ることがないように思います。
逆に1社目で十数年働いた場合、狭く深くなる分、別の会社で活かせる経験が減り、キャリアの選択肢が無くなっていたように思います。また、複数社経験することで、各業務がその会社でしか活きないものなのか、他社でも活かせるものかが良く分かるようになるので、業務の中で注力すべき仕事が分かります。
会社への不満がなくなった
キャリア選択とも関連しますが、転職は自分で色々と調べた上で決めた決断なので、会社に対する不満が無くなりました。
また、自分ではどうすることも出来ない不満がある場合は別の会社に移ることも出来るという自信がつき、自分の中に複数の選択肢が出来たことが納得感を得ながら仕事が出来るようになった要因の一つだと感じます。
そこで働き続ける以外に選択肢がなく、自分ではどうしようもない不満に直面した際に、多くの人は精神的に苦しくなるのではないかと思います。
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しんどかったこと
新たな人間関係の構築
当たり前ですが、転職することにより、それまで築いてきた人間関係はなくなり、新たに1から構築していく必要があります。
それまでは阿吽の呼吸で出来ていた業務が出来なくなり、新人のように色々と聞きながら業務を進めていく必要があり、最初はなかなかしんどい思いをしました。
ただ、これは1年程度働けば職場にも慣れ、前職と同様の働きが出来るようになるので、しんどいのは最初だけで後になると特に問題なかったなと感じます。
業務知識の習得
仕事が変わると求められる業務知識が変わるので、それらを学んでいく必要があります。
特に私の場合は同業界異職種での転職だったので、最初は専門用語についていけず会話の内容が頭に入ってきませんでした。
ただ、逆に考えると新たな領域の知識が増えており、成長の伸びしろがあるということで一つずつ確認しながら続けていると、一気に全体像が見える段階が来るので最初は我慢が必要です。
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事務手続き
初めての転職だったので、保険や年金など慣れないことが多く事務手続きの多さに中々疲れました。
また、勤務地などが変わる場合は住む場所の確保や引っ越しなど、生活に関することも同時並行で進むため仕事をしながら対応していくことは中々大変です。
転職により、仕事と生活がどれだけ直結しているのかが良く分かり、これも転職で感じたしんどさの1つです。
プラント業界での転職におすすめのサービス
最後にプラント業界で転職をする際にお勧めのサービスを紹介します。
転職サイト
ビズリーチ
ビズリーチは転職希望者と転職エージェントや企業をマッチングしてくれる転職サイトで、職務経歴書を登録しておくとスカウトメールを受け取ることが出来ます。
登録しても勧誘の電話などが来ることもなく、自分の職歴と合う企業を選ぶ際にも非常に便利なのでおすすめです。転職サイトも様々なものがありますが、周りの転職者に聞いてもビズリーチを使っている方は非常に多いです。
特に転職する予定がなくても、自分にどんなオファーが来るのかは常に見ておいた方が今後のキャリアに役立つのではないかと思います。私も現状、転職する気はビズリーチからくるオファーは定期的に確認するようにしています。
プラント特区
プラント特区はプラント業界をニッチな分野を専門に扱っている転職サイトでSNSのような感覚で利用することが出来ます。求人件数は少ないですが、業界特化型なので自分の希望する企業が掲載されていれば活用されてみると面白いかもしれません。
ミイダス
ミイダスは数分間のアンケートに答えると、AIが適正年収を診断してくれるという非常に画期的なサービスです。職務経歴などを登録しておくと、スカウトメールなども届くので、転職活動をする際の参考になります。
私も転職活動の時に興味本位でやりましたが、今の転職後の年収と同等の額が提示されて結構驚きました。
転職エージェント
JAC Recruitment
JAC Recruitmentはハイクラス転職を専門に扱う転職エージェントですが、私の周りで実際に転職エージェントを活用したという人の意見で飛び抜けて評判が良いです。
実際にプラントメーカーで人事として働いている友人に聞いた話でも、JAC経由での紹介は非常に優秀な方が多く優先的に面接をセッティングするようです。転職エージェントを活用するならJACは選択肢の一つとして必須です。
マイナビメーカーAGENT
人材紹介大手のマイナビエージェントの中でも製造業に特化しているのがマイナビメーカーAGENTです。
専門分野であればあるほど、同じ業界でも現在の業務内容と転職先の職種によって経験が活かせるかどうかが大きく変わるので業界特化型のエージェントはミスマッチングを起こしにくく、おすすめです。
エージェントを利用する際には、現在の自分の業務をどの程度理解してもらえるか、また、紹介企業の業務内容をどの程度知っているかという観点で選べば失敗しにくいです。
メイテックネクスト
メイテックネクストもマイナビエージェントと同様に製造業に特化した転職エージェントです。
メイテックグループは技術系人材の人材派遣業も行っているので、企業の内部事情に詳しいエージェントが多数所属しています。
こちらも先程と同様に、自身の経験をどの程度活かせるかをよく聞きながら信頼できるエージェントかを確認しましょう。
大手転職エージェント
その他にも転職エージェントは非常に多くの会社があるので自分に合ったものがないか、一通り確認してみることをお勧めします。
大手転職エージェント
転職口コミサイト
転職口コミサイトは企業の内情を知るのに非常に便利です。実際に転職して思いますが、転職口コミサイトは実際に働いていた人が書く情報が多いことから内部実態をかなり表していると感じます。
転職口コミサイトの情報を良く読んでエージェントの話との違いがないかを良く吟味しましょう。
転職口コミサイト
転職支援サービス
意外と転職に役立つサービスを紹介します。
ココナラ
ココナラでは職務経歴書の作成やキャリア相談などを個人で副業で受けている人が多く掲載されています。
転職エージェントは利用するつもりはないけど、第三者の意見は欲しいという方にはおすすめです。
まとめ
転職は日々の生活や今後の人生が大きく変わる一大イベントです。
転職活動自体は仕事をしながらやらなければいけないため非常に負荷が大きく、大変な作業ですが、いい転職が出来ると自分の将来が大きく変わるチャンスでもあります。
是非、現状の仕事に不満があったり、自身の成長が感じられないという方は一度、検討してみてはいかがでしょうか?