電気機器の制御盤から電気的な信号を受け取る際の出力方法に無電圧接点と有電圧接点というものがあります。
電気についてあまり詳しくない人にとっては、何がどう違うのかわからないという事も多いと思います。今回は、無電圧接点と有電圧接点の違いについて解説してみたいと思います。
動画解説も作ったので、動画のほうがいいという方はこちらをご覧ください。
無電圧接点とは?
無電圧接点は電磁リレーやスイッチのように、接点が入ってもそれ自体には電圧が印加されておらず無電圧の状態になることを言います。無電圧接点はドライ接点や乾接点と呼ぶこともあります。
無電圧接点出力を行う場合は、電源は相手側に設置するので、出力側は回路を導通させるかどうかだけを決定します。
言葉で書いても分かりにくいので図にしてみましょう。
左が出力側、右が入力側です。上の図では出力側のスイッチを押すと、X1のリレーに電圧がかかりX1の接点が閉じます。X1が導通すると入力側のランプに電流が流れランプが点灯します。
このように、出力側の接点に電源がなく入力側で電源を持っているような場合を、無電圧接点出力と呼びます。
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有電圧接点とは?
有電圧接点の場合は、無電圧接点と同様に回路を導通させた後、その回路に電圧がかかっている状態の出力を言います。有電圧接点はウェット接点と呼ぶこともあります。
有電圧接点の場合は、信号の出力側に電源を設置する必要があり相手側はある特定の電圧がかかった信号をもらうことになります。つまり、有電圧接点出力を行う場合は、相手側に何Vの電圧がかかった信号が必要かを決めてやる必要があります。
こちらも同じように図で見てみましょう。
こちらも同じく、左が出力側、右が入力側です。スイッチを押すとリレーに電圧がかかり、X1の接点が閉じます。X1が導通すると入力側に電流が流れランプが点灯します。
上図のように出力側の接点に電源によって電圧が印加されており入力側に電源がないような場合を有電圧接点出力と呼びます。
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無電圧接点と有電圧接点の使い分け
無電圧接点と有電圧接点の使い分けは、出力側と入力側どちらに電源があるかによって変わります。
入力側に電源がある場合は、無電圧接点、出力側に電源がある場合は有電圧接点です。機器同士で信号のやり取りをする場合は、受け手が無電圧接点がいいのか有電圧接点がいいのか明確にしておかなければいけません。
また、有電圧接点出力を行う場合は相手側が何Vの出力を求めているのか確認しなければいけません。
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まとめ
- 無電圧接点出力は出力側に電源を持たない
- 有電圧接点出力は出力側に電源を持つ
- 出力側と入力側のどちらに電源があるかによって決まる
無電圧接点と有電圧接点はよく使われる言葉ですが、なかなか分かりやすいサイトがなかったので簡単にまとめてみました。