配管

【配管】レデューサーの種類・使い分けは?

今回はどんな現場にも用いられている、配管用レデューサーについてです。

シンプルな構造ですが、選定時の注意点がありますので、詳しく解説します。

※ こちらの記事は動画でも解説しています。

レデューサーとは

レデューサーとは、英語のreduceが由来の言葉で、異なる呼び径の配管同士を接続するためのものです。産業分野だと、金属配管や塩ビ配管、ダクト用、電線管のレデューサーも見かけるかと思います。

配管用にレデューサーを用いる場合には、機能やスペースなどを考慮して選定する必要があります。詳しく見ていきましょう。

レデューサーの種類・使い分け

配管用のレデューサーにはいくつか種類があります。

まずは中心軸の位置について、配管同士の軸を合わせた同心レデューサーと、並行にずらした偏心レデューサーがあります。ちなみに、同心はコンセントリックconcentric、偏心はエキセントリックeccentricと呼びます。

次に形状について、広い口から細い口に向かって滑らかな形が1形、真っ直ぐなのが2形です。こちらも図だと一目でお分かりいただけるかと思います。

またレデューサーそのものの種類というわけではありませんが、接続方式にはねじ込み、フランジ、溶接式があります。

小口径・低圧ならねじ込み式を見つけられますが、配管で多くの場合は溶接式かフランジです。溶接式には、突合わせ溶接(BW、Butt Weld)と差込み式溶接(SW、Socket Weld)の2種類があり、レデューサーのカタログにも明記されています。

レデューサーの注意点

施工上の注意点としては、同心と偏心を意識して選定しなければ、配管中心部がずれてしまうことになります。同心レデューサーを選べば、異形配管同士の中心軸の高さを変える必要がないので良いでしょう。

一方で偏心レデューサーを選ばなければならない場面があります。

例えば、液体が混じる可能性がある気体用ラインを考えてみます。減圧弁などバルブの手前で口径を小さくする場合、偏心レデューサーの平らな方が下に来るように施工してください。液体が溜まるのを防ぐことで、液体によるバルブのエロージョンを防ぐことができます。

また逆に、気体が混じる可能性のある液体用ラインで、ポンプの手前に施工する場合は、偏心レデューサーの平らな方を下に向けてください。気体が溜まるのを防ぎ、キャビテーションを防止します。

他にも、固形物が混じる可能性があるラインでは、偏心レデューサーの向きに注意が必要になるでしょう。いずれにしても、レデューサー以降のプロセスに不具合がないように選定・施工してください。

まとめ

  • レデューサーの形状には同心、偏心の2種類がある
  • 偏心レデューサーを選定すべき条件があり、上下の向きに注意が必要

配管設計時に多く使うことになると思いますが、流れる流体のことも考えて形状を選定しましょう。

配管に関する記事はこちらもおすすめです。

配管

2022/7/31

【配管】フランジ規格FFとRFの違い、使い分けは?

バルブや配管を接続するフランジにはJIS10Kなどの後ろにFFやRFという種別が記載されています。 低圧ではFFとRFでどちらを使っても問題ない場面が多いので使い分けが良く分からないという方も多いのではないでしょうか? この記事では、フランジの座面形状を表すFFとRFの違いについて解説します。 FFとRFの違い FF FFはFlat Face(フラットフェイス)の略で上の図のようにガスケットの座面を全面に仕上げたものを言います。主にJIS10K、JIS20K、JPI150、JPI300などの低圧で使用され ...

ReadMore

配管

2022/7/31

【配管】バッファータンクの役割とは?設置するメリットは

給排水系統や空気系統では負荷変動を抑えるためにバッファータンクが良く用いられます。 この記事では排水系統などで良く利用されるバッファータンクについて解説します。 バッファータンクとは バッファータンクとは気体や液体を一時的に貯留させるためのタンクです。レシーバータンクとも呼ばれ、給排水系統や空気系統などに設置されます。 バッファータンクを設けることで、設備のイニシャルコスト低減や工場の安定性を向上させることが出来、大きければ大きいほど変動許容率が上がります。 バッファータンクの役割 バッファータンクの役割 ...

ReadMore

配管

2022/7/31

【配管】バケットストレーナーとは何か、メリットデメリットを解説

ポンプや制御弁など重要な機器を保護するためにはストレーナーは必須です。 この記事では大口径の配管に良く採用されているバケットストレーナーとは何か、また、メリットデメリットについて解説します。 バケットストレーナーとは バケットストレーナーはバケット状のメッシュにて流体内の異物を取り除くための機器です。小口径で良く利用されるY型ストレーナに比べると大口径で利用されることが多い機器です。 内部のバケットは上部のカバーを取り外すことで取り出すことができ、定期的に洗浄を行うことで目詰まりなどを防止します。上部のカ ...

ReadMore

配管

2022/6/3

【配管】「静流水」「脈動水」の定義について解説

配管に用いられるバルブの選定時に時折見かける「脈動水」「静流水」と呼ばれる用語があります。この記事ではこれらの用語がどのような状態の水を指しているか解説します。 清流水とは 清流水の定義は次のようになります。 静流水(steady flow) 定義:周期的な変動、脈動のない水流。温度、圧力、速度などが一定を示す状態の水を指します。(バルブ用語(JIS B 0100)) 実際の清流水のイメージを以下の図を使って解説します。 図で配管中を流れている水は、各ポイント(点A-C)によって流速が異なります。 しかし ...

ReadMore

配管

2021/11/14

【配管】SWとBWの違い、使い分けは?

バルブや配管の接続方式について考えるとき、同じ溶接接続方式でもSW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)のどちらが良いのか迷うことってありますよね。 今回は、SW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)の使い分けについて解説したいと思います。 SW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)の使い分け まず、SW(ソケットウェルド)とBW(バッドウェルド)の違いは次のようになります。 SW(ソケットウェルド):差込み溶接式 BW(バッドウェルド):突合せ溶接式 SW(ソケットウェルド)は差込み溶 ...

ReadMore







  • この記事を書いた人

エコおじい

プラントエンジニアです。「工業技術をどこよりも分かりやすく解説する」をテーマに2017年からブログ、Youtubeで情報発信をしています。現在、5つのブログを運営中。毎月収益レポートを公開しています。是非、Twitterのフォローお願いします。



効率的に技術系資格取得を目指す方必見!当サイトおすすめの通信講座

最短で資格を取得するためには、いかに効率よく学習するかが最も重要です。

参考書だけでは分かりにくいという方には、全て解説動画で学べるSATの通信講座がおすすめです。日々の通勤時間など隙間時間を利用して無理なく効率的に学習を進めることが出来ます。

超シンプルで分かりやすいSAT『エネルギー管理士』

エネルギー管理士の通信講座です。イラストを多用したシンプルで分かりやすいテキストと動画がセットになっています。

他社と比較すると価格もお手頃で、特に熱力学などを学んだことのない初学者におすすめの通信講座です。

熱分野レビュー 電気分野レビュー 他社との比較

エネルギー管理士以外にも電験や衛生管理者など25の資格の通信講座を展開しています。

最短で電験取得を目指すならSAT『電気主任技術者講座』

イメージしにくい交流回路についても多様なイラストと解説動画で詳しく解説してくれます。独学ではなかなか勉強が進まないという方に特におすすめの講座です。電気について詳しく学べるので実務で電気を使うという方には最適な教材です。

電験三種レビュー 他社との比較

技術系資格の最高峰SAT『技術士合格講座』

論文添削やZOOMマンツーマン指導が付いており、面接対策もWeb上で行うことが出来ます。また、テキストは毎年改定されているので常に最新の教材で勉強することが出来ます。

-配管

エネ管.comをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

© 2024 エネ管.com Powered by AFFINGER5