蒸気などの高温の流体の圧力を測定する場合、圧力計や圧力センサーにはサイフォン管が必須です。
今回は、サイフォン管の役割や原理について記事を書きたいと思います。
1. サイフォン管の役割
サイフォン管の役割は蒸気など高温流体の圧力を計測する際に、センサーや圧力計に耐温以上の熱がかからないようにすることです。
圧力センサーは一般的に何度を超えると故障するという温度があり、その温度は100℃以下の場合が多いです。そのため、蒸気配管にそのままセンサーを設置するとセンサーが故障してしまいます。
サイフォン管を用いた場合次のようになります。
サイホン管では、センサー前に凝縮水が滞留するように、パイプがループになっています。
これにより、熱の伝わり方は蒸気⇒水⇒空気となり、高温の蒸気を使った場合にもセンサーにはあまり熱が伝わらないという事になります。水や空気は蒸気に比べ熱度伝導率が著しく小さいので、熱抵抗が大きくなります。
サイホン管を使っても、センサーの耐温を下回らないような高温の流体の圧力を測定する場合は、ループが二重になった二重巻サイフォンなどを利用します。
こちらのカタログには配管側の温度とセンサー部での温度の下がり方について目安のグラフが載せてあります。
また、サイフォン管の仕様には圧力や温度の最大値が書いていますが、温度などは場合によっては仕様から外れていても使用できる場合があるのでメーカーに確認されるのがおすすめです。
- 水・・・0.6W/mK
- 空気・・・0.024W/mK
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2. サイフォン管の種類
サイフォン管には次のような種類があります。どれを用いても効果は同じですが、設置場所などによって使い分けるのがよさそうです。
2-1. 本式サイフォン
最も一般的な構造で、圧力センサーや圧力計とユニット化されて売っている場合も多いです。
特に設置スペースに問題なければこのタイプを選べばいいかと思います。
2-2. O型サイフォン
2-3. U型サイフォン
U字構造になっており、写真のように垂直配管につけると見栄えが良くなります。
3. まとめ
- サイフォン管は高温流体の圧力を測定するときに利用する。
- 水と空気を挟むことで熱抵抗を大きくしている。
- 本式、O型、U型などの種類がある。
サイフォン管は、購入してすぐには水などが入っていないので、安全に運用するためには最初に水を入れる必要があります。
是非、運用を間違えて故障させないように注意しましょう。